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    適性試験の質問経過について
■公開:2009年7月27日
■更新:2009年9月28日
 
 以下に、法科大学院適性試験第1部第9問 問2について、大学入試センターに対して出した質問と同センターから得た回答についてご案内します。
 詳しくお読みいただければわかると思いますが、論点は、今回の問題文が、出題者の意図を表現した問題文とはなっておらず、出題された短い問題文(選択肢)の情報に基づいて客観的に考え、問題を解こうとすれば、当研究所のような考え方をとるしかないのではないかということです。大学入試センターからは、「こう読むべき問題だ」との回答が繰り返されましたが、示された出題意図が、設問選択肢の表現に反映されているとはいえません。現に、問題文が何を問いたかったのかわからなかったという受験生の方も多く、志望校診断における解答再現の結果でも当該問題は非常に低い正答率(13%)であることがそれを裏付けています。辰已では、適性試験の出題として問題を読んだ場合、正解があったのか、依然として強い疑義のある問題だと考えています。               <<< 大学入試センターの問題文はこちら
 
 辰已法律研究所では、大学入試センター実施の適性試験第1部第9問(問2)において、選択肢の表示から読み取れる客観的な解釈を取ると、正解が存在しないのではないかという疑義につき質問しました。質問の内容は、石田先生による本試験講評にまとめられている通りです。
 それに対し、大学入試センターからは、※1のような回答を得ました。
     
  ※1 (要約)「各局面が“〜の場合”に該当するか否かは、1手進むごとに判断しなければならない」つまり、各肢の「『〜に書き込んだ場合』に該当するか否かが決定した時点」で必勝法があるか判断する必要がある。この考え方では、先手が初手に中央に書き込んだ時点で、肢2の「場合」に該当しないといえ、この場合必勝法はない(いかなる手で応じようとも勝てる方法はない)。
     
 しかし“その時点において”という各肢の文言が指し示す内容を、大学入試センターの回答にあるような“時点”に限定するという解釈には、客観的に無理があると考えられます。辰已法律研究所では可能な限りの解釈を探ってみましたが、正誤以前に、意味の通る文となり、かつ問題として成立するような一貫した解釈は存在しないとの結論に達しました。このような点について、当研究所では大学入試センターに再質問を行いました。(再質問の全文はこちら。)
 当研究所の再質問に対しては大学入試センターは※2のように回答しています。
 
     
  ※2 (要約) 各局面は「先手の初手直後に条件の成否が判明する場合」「後手の初手直後に条件の成否が判明する場合」と、「それらから分岐する場合」に分けられる。しかし、「分岐する場合」については、条件の成否が判明した後、さらに進んだ局面であるので、必勝法の有無を論じるべき「時点」ではない。また、「後手の初手直後」に必勝法があるかどうかを判断する解釈は、「それらから分岐する場合」に該当する場合があるので、妥当ではない(※辰已が質問において例示した「先手が初手に中央・後手が初手に辺」の場合も「それらから分岐する場合」に該当する)。したがって、正解は肢2である。
     
 この再回答においても大学入試センター側の※1の解釈の正当性を重ねて述べるにとどまり、選択肢の文言の解釈の妥当性については、明確な根拠をあげて説明されませんでした。大学入試センターの示した解釈は、それが出題者の出題意図であったとしても、現に出題された問題文には、そのような解釈を取らせるような表現が表示されているとはいえません。そして、上記のやりとりでは、大学入試センターが「1手進むごとに判断しなければならない」としている根拠は明確にはなっておらず、当研究所が問題文から客観的に読み出すことができると考えている解釈を取り得ないとする根拠も明確に示されてはいません。
 当研究所としては、適性試験の出題としての本問の妥当性について、依然として強い疑義がある問題であると考えています。
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