HOME > 従来型司法試験 > 合格者・受講生の声 > 平成20年度従来型司法試験合格体験記
 

■公開:2009/02/09
 

■INDEX
・平成20年度合格者 西峰 淳一さん
・平成20年度合格者 田中 信二さん
・もっと体験記を読みたいあなたへ

  


 私は大学を卒業後、製造業の会社で営業担当をしていましたが、転勤族として会社に居続けることに漠然とした不安を持っていました。そこで、平成14年の結婚を機に、兼ねてから興味を抱いていた司法試験に挑戦することになりました。この頃は法科大学院のスタートも決まっていましたが、働きながら勉強できる旧司法試験を選択しました。

 

 働きながら予備校の入門講座を取りましたが、講義を聴くのが精一杯で満足な勉強はできませんでした。短答過去問も年度別に解いていたので、自分がどの分野が苦手なのかを把握することもできず、日々が過ぎていきました。平成16年に初受験しましたが、29点(合格点は45点)と全くダメでした。このままでは一生受からないと思い、妻に受験に専念したいことを話すと快諾してくれたので、年末に退社し、専業受験生となりました。
 しかし、平成17年は勉強時間が増えたにも関わらず、短答試験は38点(合格点は42点)で落ちました。来年は絶対に短答突破しなくてはならないと強い気持ちで、辰已の秋期オープンから短答対策を始めました。辰已を選んだのは、この年初めて総択を受け、最も本試験に近いと感じたからです。秋期オープンは分野別の出題であったので、自分の弱点が浮き彫りにされ、非常に効果的でした。同時に今まで過去問を年度別にしか解いてこなかったことを後悔しました。短答試験は過去問を分野別に解き、自分の弱点を探してそれをなくす作業が最も効果的だと思います。1月からも短答オープンを受講し、オープン・総択のおかげで、平成18年の短答は51点(合格点は46点)と目標の50点を突破して合格できました。
  この年は論文を受験することができる喜びでいっぱいでした。辰已の直前模試も受けそこそこの成績を取り、意気揚々と受けてきました。ところが、結果は惜しいどころか総合Eで惨敗でした。この時は人生の選択を誤ったと思い、受験生活の中で最も暗い時期でした。

 


(1) 合格答案の徹底分析
 ここで私の勉強は大きな転換期を迎えます。まず、辰已の合格者答案ファイルを平成16年から3年分買って、A答案とC答案とE以下の答案を徹底的に分析しました。何を書けば受験生の平均(C答案)となるのか、どこを捉えれば合格答案(A答案)となるのかという2つのポイントをつかむために、@基本事項とA本試験の特殊性(Aを取るために検討すべき事項)に分けて押さえることにしました。今までは論点をただ記憶する作業が中心でしたが、実は本試験で聞かれている論点(基本事項)はごくわずかです。それまでの私は知識の幅は広いが、理解は非常に浅いという状態でした。
 しかし、合格者答案ファイルを分析することで、知識の幅は狭く理解は深くという感じに変わっていきました。この作業は翌年の論文合格に必須の作業だったと思っています。皆様もぜひ本試験で必要十分な基本事項は何なのか、本試験の特殊性とは何なのかを合格者答案ファイルで分析することをお薦めします。ここで注意してほしいのは、本試験の特殊性とは基本事項の応用であるということです。
 ですから、「覚える」のではなく基本事項の理解を前提に「考える」必要があります。ここが、予備校の答練と本試験の質が違うと言われる所以です。応用部分は正解を出さなくても大丈夫です。基本の理解を前提に筋の通った答えが出せれば合格に足りる点数はつくと思います。

 
(2) 論文ゼミで大きく飛躍
 もう1つは、地元で開催されていた論文ゼミに参加しました。これまで予備校を使っていたとはいえ、受験仲間が1人もおらず、自分の答案を人に見てもらったことはありませんでした。答練の点数だけで自分の論文の実力を測ろうとしていました。しかし、答練でつく点数の幅はあまりにも小さいため、同じ点数でも本試験では何点もの差がついてしまうことも考えられます。
そこで、他人に答案を見てもらったり、他人の答案を見ることが非常に有益だと思います。同じように論点に触れていても、問題提起・論証・あてはめの仕方で大きく評価が変わってきます。論文ゼミのおかげで他の人に自分の答案がいかにダメだったかを教えてもらい、他の人のいいところを学ぶことができました。今まで一人で勉強されてきた方も多いと思いますが、もし論文ゼミが組めるような環境にあるのであれば、勇気を出してゼミを組んでみてください。必ず新しい発見ができると思います。
 
(3) 成果
 こうして、平成19年の論文試験を無事突破することができました。前年E評価だった4科目は全てA評価でした。このように1年でも論文の成績を下位から合格レベルまで持っていくことは可能です。合格に必要十分なことをやることが重要です。下位の成績の方は今までとは全く違うことを、Aで落ちた方は合格に必要だけど足りていない部分を重点的にやれば、合格可能性は大幅に上昇すると思います。
 さて、この年は司法試験挑戦最後の年と決めており、論文後は再び働いていました。論文合格後も口述試験前日の夕方まで働いており、勉強時間がほとんど取れませんでした。その結果、あえなく口述試験で不合格となりました。

 


 口述不合格のショックは相当なものでした。同時に自分の甘さを痛感しました。9割受かる試験だからと高をくくって、なめてかかったのが敗因です。あとは、この時まで法律的な会話をしたことがなかったのも大きな原因だと思います。不合格後、幸いにも辰已で口述ゼミを開催していただけることになり、同じ境遇の方々と口述合格を目指してがんばっていくことになりました。人数も少なかったので皆が真剣に勉強し、時には楽しく過ごすことができ、とてもいい雰囲気のゼミでした。今年の最終合格はまさに、このゼミのおかげです。
 口述はまずは言葉を口に出して勉強することが何よりの対策です。そして、聞かれる内容は択一・論文と同じです。基本事項はしっかりと答え、応用事項は基本の理解を前提に自分なりに筋を通すことが重要だと思います。論文と違うのは、原則、条文を引きながら答えられないことです。ですから、条文の記憶・理解が非常に重要となります。後は判例です。特に憲法は判例の記憶・理解の程度で点数が変わってくると思います。自分が知っていると思っている条文・定義・判例を口に出して正確に答えるのは案外難しいものです。普段の勉強で口に出す練習をすると良いと思います。
 今年は去年の反省を活かし、6月に仕事を辞めて勉強に専念した結果、ゼミの仲間全員で最終合格することができました。

 


 私は法学部出身でないうえ、働きながら予備校に通ったり転勤もあったりしたために受験仲間がおらず、さらに地方で勉強していたため、受験に有益な情報はなかなか入ってきませんでした。合格するためには、やはり受験仲間との情報交換は重要だと思います。今は旧試験に専念している方は少ないとは思いますが、地方でもまだまだがんばっている方はいます。本当に旧試験で受かりたいという気持ちを持っていらっしゃる方々とゼミなどを組んで勉強をするのは非常に有益だと思います。辰已のスタッフの方々を通じて、仲間を探すというのも1つの方法だと思います。
 旧試験は残すところあと2年となりましたが、自分の弱点を探して克服する作業を繰り返しやっていけば、合格することは決して宝くじに当たるようなものではないと思っています。皆様のご健闘を心からお祈りしています。がんばってください。
 
■当原稿は平成20年11月に寄稿いただいたものです。

 
  

 私の受験歴は、択一8回論文5回口述1回です。受験生活を振り返ると、受験当初は司法試験の厳しさを知らずに、今思えばいい加減な勉強に終始していました。司法試験の厳しさを知ってからは、逆にかなりストイックな生活を送りましたが、体調を崩した上に酷い成績をとってしまいました。
 これらの反省から、バランスのとれた生活を送るように心がけました。完璧主義はやめて、毎日出来るだけ充実した生活を送ることを目指していました。勉強には真剣に取り組み、1日の勉強が終われば、夜は好きなことをしたり、お酒を飲んだりしてリラックスするようにしていました。
また、この一年は家庭教師等のアルバイトをかなりしました(ただ、各試験前二週間はお休みをいただきました)。勉強時間は減りましたが、集中力が上がり、やることを絞らざるを得ないためメリハリがついて結果的に良かったです。また、生徒等と話すことが多くなり、ストレス解消にもつながりました。
 択一合格は、4回目の受験からです。なかなか択一に合格できなくて悩んでましたが、過去問を中心として、必死になって基本知識を詰め直す作業を行うことで合格できました。インプットを飽きずに受験直前まで徹底することが大事です。刑法も初めは苦手でしたが、どのようにして解けば最短で答えが出るのかを過去問を解くたびに研究し、その解き方をメモしていくことで、問題ごとの解法パターンが確立されてきて、段々と得意になってきました。ポイントは、肢を使って解くことと、問題全体をみることです。
 

(1)本試験の自己分析
 択一には四回目の受験から連続して合格できていましたので、私の主な課題は論文でした。私の論文の成績は毎年少しずつ上がって、昨年の成績は総合A(刑法C、商法E、他はA)で300番台の真ん中より少し下でした(合格者250人)。
分析をしてみると、不合格の直接の原因となった商法のEは、事案分析にミスがあり基本的な所で嘘を書いてしまった事、刑法のCは、出題の予想された問題であったにもかかわらず論証が曖昧で書き負けていた事が原因でした。また、私と似たような成績でも合格された方もいらっしゃいましたので、私のAは比較的低いAのようでした。このことも合格出来なかった原因の一つのだと感じました。
 このような分析から、論文合格の可能性を上げるためには、Eの様な低い評価を取らないこと、典型問題で書き負けないこと、何通かは上位のAを取ることが必要だと考えました。
 
(2)論文合格の可能性を上げる対策
 まず、低い評価をとらないためには、事案の分析のミス、論点落としが無いことが何より大事ですので、出来るだけ多くの良問(出題傾向を分析して、出題可能性の低いものは除き、一科目50から100問程度)を真剣に答案構成をすることにしました。お風呂に入りながら1、2問頭の中で構成するようなこともしていました(このときの問題は問題文の比較的短いものが良いと思います)。答案は、予備校の問題を中心に週に2通から4通書いていました。
 答案を書いたり、答案構成をする中で、論点落としや、不正確な論証等の自分の弱点を発見したときには、簡単なメモに残しておいて、同じ間違いをしないように何度も見るようにしていました。このメモは、たまってくると自分だけのマニュアルになり非常に役に立ちます。
 次に、上位のA評価だった答案や、上位合格者の合格体験記、ガイダンスを研究した結果、上位合格答案は、論点落としが無いことはもちろんのこと、基本を正確かつ厚く書いてあり、アピール出来るところはアピールしてある、内容の詰まった答案であると感じました。
 このような答案を書くには、ある程度の分量が必要でので、答案構成のスピードや書くスピードを上げるように努力しました。答案構成のスピードは、前述のような答案構成を繰り返すことで上がります。書くスピードは、ペンを変えたり(私はゼブラのSARASAの0.7を使ってました)、ペンの持ち方を工夫することで上がりました。
 また、基本を正確かつ厚く書くために、基本事項のインプットを繰り返し繰り返し徹底して行いました。このようにインプットを徹底することで、論証が充実しますし、論証を思い出す時間が無くなり、論証以外の部分や答案構成に多くの時間をかけられるようになります。その結果、事案分析のミスも減って、答案の内容も充実してきたように感じました。このインプットは本当に大事だと思います。
 試験本番は、合否の結果は意識せず、自分の力を出し切る事だけに集中しました。書いたことのない問題も結構ありましたが、基本部分は厚く、応用部分は無理せずに趣旨や原則から考えるとどうなるかを示しました。昨年は書くか書かないか悩んで、書かずに後悔しましたので、今年は嘘・矛盾になる恐れがない限り、気付いたことは書いてきました。昨年よりも答案の分量も増え、全ての答案が4ページでした。失敗した科目もあったため、受かる手応えはなかったものの、自分の力はかなり出せたと感じました。

 


 受験生の役に立つ企画やガイダンスをして頂いたりして、大変お世話になりました(特に合格者講義のガイダンスはおすすめです)。なかでも、合格者講義にはお世話になりました。
 私は、昨年は「論文本試験10点アップの法則」を受講させて頂きましたが、受講して本当によかったです。この講座を受講したおかげで、今年は論文の成績が10点以上あがり、比較的上位の成績で合格することができました。また、先生の熱い言葉には大変励まされました。
 それに、短答オープン総択は、本試験に最も近い良問が出題されるため、択一に合格した年から毎年受講していました。先輩合格者は、短答オープン以外を受講するのは理解出来ないとまでおっしゃっていました。

 


 司法試験は、続けるのが本当に大変な試験です。私は何度も不合格を経験し、自分には向いてないのではないかと悩み続けました。そろそろ方向転換すべきではないかと言われたりしましたが、諦めずに続けることで今年なんとか合格でました。試験をやめなくて本当に良かったです。論文発表で自分の番号を見つけたときは、言葉では言い表せないほど感動しました。辛い思いをされながらも、今まで頑張って来られた方には、是非あの喜びを経験して頂きたいです。
 受験生活を続けていくと、だれてきたり、不安で勉強が手につかなくなる様なこともあるかと思います。私もそうでした。そのようなときは、やる気を奮い立たせてくれる本や、音楽の力をかりたり、自分が合格したときの事を想像して、絶対合格するとの気持ちをもう一度思い出すようにしていました。
 最後になりましたが、私は、家族、親戚、先輩、友人、知人ら本当に沢山の方に支えていただきました。これらの方々の支えがなければ、私の合格はありませんでした。私に関わってくださった方々に心より感謝しています。本当にありがとうございました。

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。皆さんの合格を心からお祈りしています。
 
■当原稿は平成20年11月に寄稿いただいたものです。

  
 
 
Copyright 2000-2004 TATSUMI Co.,Ltd. ALL Right Reserved.