HOME > 従来型司法試験 > 平成21年度 短答本試験 講評
 

■公開:2009/05/12
  

  昨年度が40頁(憲法15頁,民法10頁,刑法15頁)であったのに対し,今年は39頁(憲法14頁,民法10頁,刑法15頁)となり,1頁減少しました。また,アンケートによると,難易度については,例年と同様か,やや易しくなったという意見が多かったようです。
 
 昨年度は15頁でしたが,今年は1頁減少して14頁となり,若干分量は減りました。本年度の憲法で特徴的だったことは,昨年度は5問出題された個数問題が,今年は1問も出題されなかった点です。そのためか,アンケートでは昨年度よりも易しくなったとの意見が多かったように思われます。一方で,時間配分については,昨年同様と答えた方が多かったようです。これは,「最も多く含む組合せ」を選ばせる問題が昨年度の5問から7題に増加した(bP,bS,bT,10,14,16,17)など,解答に時間がかかったためと思われます。また,全体的として,昨年同様,本年度も判例重視の傾向が続いています。もっとも,制度的保障(bV)や外国人の人権(bX)といった1つのテーマから複数の判例を横断的に問う問題,憲法第38条に関する判例を問う問題(11)のように同一の論点において事案や考慮事項の差異についても問う問題などが出題されており,より深い判例の理解が求められています。憲法においては,今後も判例学習が合否の鍵を握るでしょう。
 
 民法は昨年度と同様の10頁であり,昨年度と変わらない分量であったといえます。また,アンケートによれば,解答に要する時間・難易度ともに昨年と変わらないと感じた受験生が多かったようです。もっとも,第三者のためにする契約と詐欺に関する問題(22)や代理受領と債権譲渡に関する問題(34)などは,普段の勉強では深く触れないであろう問題でした。論文試験においても参考になる問題ではないかと思われます。また,穴埋め形式の会話問題(37)も出題されている点も,本年度の特徴であるといえます。さらに,同時履行の抗弁権と留置権の異同に関する問題(29),賃貸借と使用貸借の異同に関する問題(31)など,横断的な問題が多く出題されました。さらに,親族・相続に関する問題(30,33,40)も依然として出題されておりますので,穴のない勉強が求められているといえます。今後は,知識を確実にした上で,それを活かす勉強が重要でしょう。
 
 刑法は昨年度と同様の15頁であり,昨年度と変わらない分量であったといえます。アンケートによれば,解答に要する時間は昨年とあまり変わりなく,難易度も昨年と変わらないと感じた受験生が多かったようです。以前出題されたこともある単純知識型の問題の出題はありませんでしたが,2つ以上の論点を組み合わせた形式の問題(45,49)や,横断的な問題(53)があり,この点については昨年度よりも難しいと感じた受験生が多かったようです。問われている論点としては,基本的なものがほとんどでしたが,故意の問題(50)は,基本的でありながら普段の勉強では深く触れないであろう問題であり,苦戦した受験生もいたようです。また,「自首」の解釈問題(46)や,電磁的記録不正作出罪の問題(60)はややマイナーな分野からの出題でした。昨年度と同様に犯罪が成立しない理由を問う問題(43)や,強姦などが問題となる事例において複数の犯罪や論点が問題となる出題(52)は,本年度に特徴的な問題であったといえます。
 
 
 
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