記述式の配点が52点から70点になったということは、従来の約1.34倍になったということです。平成20年度の試験結果をもとに、次のようなきわめて極端な事例で、きわめて単純な計算をすると、次のような効果があります。
(例)
Aさん(合 格) 午前択一90点 午後択一81点 午後記述19.5点 合計190.5点
Bさん(不合格) 午前択一84点 午後択一78点 午後記述27点 合計189点
記述式を単純に1.34倍すると
Aさん 午後記述26点 択一との合計197点
Bさん 午後記述36点 択一との合計198点
となり、合計点が逆転します。
ただし、実際には、記述式の各解答欄への配点や採点基準などの様々な要素が得点に影響するため、このように単純に効果が出るわけではありません。
さらに、合格者決定の過程を考慮してみる必要があります。合格者の決定は次のような過程で行われているものと思われます。
・過程@(択一式(午前・午後)での足切り)
記述式の採点には手間が掛かるため、採点をする答案の数を減らす(残るのは2千数百名程度と推測される)。
・過程A(記述式足切り)
筆記試験合格者数として予定している人数よりやや多めの人数(1000名強)が通過するように足切りラインを設定し、記述式の得点が低い者を不合格とする。
・過程B(合格点の設定)
筆記試験合格者数を確定し、その人数となるように合格点を設定する。
記述式の配点が変更されたとしても、上記過程@を通過しない限り、記述式の答案が採点されないことに変わりはありません。択一での足切りがなく、全受験者の記述式答案が採点されるのであれば、今回の配点の変更は大きな意味を持つことになりますが、択一での足切りが存在する限り、配点変更の影響は、上記過程A以後の問題となります。
上記過程@を通過した人にとっては、今回の配点変更が意味を持ちます。配点を高くすることにより、得点分布を分散させるような採点基準の設定が可能となるので、記述式の得点で受験者間に差がつき易くなることが考えられ、記述式での実力が、過程Aにおいてのみならず、過程Bにおいても、従来以上に意味を持つこととなります。
結論として、記述式の重要度が従来よりも若干増したということは確かではあるものの、択一式で足切りを通過しなければ配点変更の効果を受けられないため、択一式については、従来どおりの勉強を続ける必要があるということ、また、記述式については、いままで以上に丁寧な勉強を心掛ける必要があるということになります。
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