新司法試験・短答式試験の分析

更新履歴:2007/5/17公開
 
 平成19年5月15日に第2回の新司法試験の短答式試験が行われました。そこで,その概要をまとめましたので,ご参考ください。
 

☆問題数の比較
 民事系(民法・商法・民事訴訟法) 70問(民法:35問,商法:18問,民訴:17問)
 公法系(憲法・行政法)       40問(憲法:20問,行政法:20問)
 刑事系(刑法・刑事訴訟法)    39問(刑法:20問,刑訴法:19問)

 
  〔注:融合問題がありますので,厳密な意味での内訳ではありません。融合問題のうち,民事系

     第36問(会社と組合の比較)及び第53問(手形訴訟)は,「商法」に分類しています。〕
  〔注:昨年の新司法試験と比較した場合,公法系については変動はありませんでしたが,民事系

     は1問減少して70問となり(昨年71問),刑事系も1問減少して39問となりました(昨年40

     問)。また,内訳をみた場合,商法は1問減少し(昨年19問→今年18問),刑訴も1問減少

     しました(昨年20問→今年19問)。〕

 
 

☆配点の比較
 民事系(民法・商法・民事訴訟法)  満点150点(民法:74点,商法:38点,民訴:38点)
 公法系(憲法・行政法)        満点100点(憲法:50点,行政法:50点)
 刑事系(刑法・刑事訴訟法)     満点100点(刑法:50点,刑訴:50点)

 
  〔注:昨年の新司法試験と比較した場合,満点については昨年と同様ですが,民事系の内訳につ

     いては変動がありました。すなわち,民法が1点減少し(昨年75点→今年74点),民訴が1

     点増加しました(昨年37点→今年38点)。〕

 
 
☆ページ数の比較
 民事系(民法・商法・民事訴訟法)…27ページ(昨年も27ページ)
 公法系(憲法・行政法)       …21ページ(昨年の23ページから2ページ減っています)
 刑事系(刑法・刑事訴訟法)    …27ページ(昨年も27ページ)
 
 
☆各科目の傾向
 民事系は,第1問から第35問までが民法の問題(民法の満点は74点),第36問から第53問までが商法の問題(商法の満点は38点),第54問から第70問までが民訴の問題(民訴の満点は38点)となっています。民事系における問題数や配点の内訳においては,昨年と比較すると上記のように若干の変動がありましたが,実質的にはほとんど変わっていないものといえます。また,民法や商法はほぼ体系的に配列されています。
 問題の内容としても昨年の本試験と同様,条文知識や判例知識問題が中心でした。一つ一つの問題は短いものが多く,短時間で解答できるものがほとんどでしたが,横断的な問題や融合的な問題も多く,問い方に工夫がなされていました。民訴においては,当事者の主張が複雑な問題や,事例が複雑な問題が出されており,法科大学院における実務的な教育を意識した問題であったといえます。
民事系における配点は,ほとんどの問題が2点でしたが,会社と組合の比較を問う問題(第36問)や民訴の総合問題(第70問)など,難易度が高いと思われるものは3点や4点の配点がなされています。
 
 公法系の問題数は,第1問から第20問までが憲法の問題(憲法の満点は50点),第21問から第40問までが行政法の問題(行政法の満点は50点)となっており,昨年と同様でした。また,憲法はほぼ体系的に配列されています。
 昨年の本試験において「正しいものは1,誤っているものは2」を選ばせる形式の問題が17問ありましたが,今年は3問減って14問となりました。ただ,公法系においては昨年になかった個数問題が3問出題されており,正確な知識が要求されている点は変わりないと思われます(この形式の問題については,昨年と同様に部分点が設けられる可能性があると思われます)。
 問題の内容としては,昨年と同様,条文知識や判例知識問題が中心といえますが,特に,近時の判例を素材としているものが目立ちました(第17問の在外邦人の選挙権に関する事件や,第18問の旭川国民健康保険条例事件,第35問の小田急線における都市計画事業認可処分取消の原告適格に関する事件など)。判例重視の傾向が顕著に出ており,近時のものも含めて,判例を押えておくことが重要であるといえます。
 
 刑事系の問題数は,第1問から第20問までが刑法の問題(刑法の満点は50点),第21問から第39問までが刑訴の問題(刑訴の満点は50点)となっています。刑訴の問題が1問減少しましたが,分量としてはほとんど変わっていないものといえます。また,刑訴はほぼ体系的に配列されています。
 刑法においては,事例を読ませて成立する犯罪を答えさせる問題が多くあり,単に知識を問うものではなく,事例の中で知識を的確にあてはめることができる能力を問うものといえます。これは,法科大学院における実務的な教育を意識した問題であるといえます。また,穴埋め問題など事務処理を要求する問題もありましたが,過度に複雑なものにならないように配慮されており,短時間で解答できるものでした。
 刑訴は,昨年と同様,長文問題が多く出題されました。正確な知識が重要であるとともに,時間不足にならないように,模擬試験などで長文問題に慣れておくことが必要であったと思われます。また,検察官による証人尋問につき,それが誘導尋問に当たるかを検討させる問題(第30問)など,法科大学院における実務的な教育を意識した問題も出題されていました。また,刑訴と通信傍受法の比較を問うものも出題されており(第39問),刑法・刑訴に限らず幅広く学習していくことが必要であると思われます。
 
 
    プレテスト 2006本試験 2007本試験
民事系 民事系(満点) 150 150 150
民事系(試験時間)単位:分 150 150 150
民事系(問題数) 74 71 70
民事系(解答番号数) 75 88 87
公法系 公法系(満点) 100 100 100
公法系(試験時間)単位:分 90 90 90
公法系(問題数) 40 40 40
公法系(解答番号数) 95 97 89
刑事系 刑事系(満点) 100 100 100
刑事系(試験時間)単位:分 90 90 90
刑事系(問題数) 40 40 39
刑事系(解答番号数) 82 66 58
 
問題数のバランス
 
プレテスト
2006本試験
2007本試験

民事系

民法

36

35
35
商法
19
19
18
民訴
19
17
17
公法系 憲法
21
20
20
行政法
19
20
20
刑事系 刑法
20
20
20
刑訴
20
20
19
合計
154
151
149
 
配点のバランス
 
プレテスト
2006本試験
2007本試験
民事系 民法
72
75
74
商法
38
38
38
民訴
40
37
38
公法系 憲法
53
50
50
行政法
47
50
50
刑事系 刑法
50
50
50
刑訴
50
50
50
合計
350
350
350
 
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