新司法試験・短答式試験の分析

更新履歴:2008/5/15公開

更新履歴:2008/5/20更新

更新履歴:2008/5/28更新

 
  平成20年5月14日に第3回の新司法試験の短答式試験が行われました。そこで,その概要をまとめましたので,ご参考ください。
 

☆問題数の比較
  民事系(民法・商法・民訴) 73問(民法:35問,商法:19問,民訴:19問)
 公法系(憲法・行政法)   40問(憲法:20問,行政法:20問)
 刑事系(刑法・刑訴)    40問(刑法:20問,刑訴:20問)

 
   〔注:融合問題がありますので,厳密な意味での内訳ではありません。〕

  〔注:昨年の新司法試験と比較した場合,公法系については変動はありませんでしたが,
民事

   系は3問増加して73問となり(昨年70問),刑事系も1問増加して40問となりました(昨年3

   9問)。また,内訳をみた場合,商法は1問増加し(昨年18問),民訴は2問増加し(昨年17

   問),刑訴も1問増加しました(昨年19問)。〕

 
 

☆配点の比較

 民事系(民法・商法・民訴)  満点150点(民法:74点,商法:38点,民訴:38点)
 公法系(憲法・行政法)    満点100点(憲法:50点,行政法:50点)
 刑事系(刑法・刑訴)     満点100点(刑法:50点,刑訴:50点)

 
  〔注:昨年の新司法試験と比較した場合,変動はありませんでした。〕
 
 
☆ページ数の比較
 民事系(民法・商法・民訴) …29ページ(昨年は27ページ)
 公法系(憲法・行政法)   …22ページ(昨年の21ページから1ページ増えています)
 刑事系(刑法・刑訴)     …23ページ(昨年の27ページから4ページ減っています)
 
 
☆各科目の傾向
 民事系は,第1問から第35問までが民法の問題(民法の満点は74点),第36問から第54問までが商法の問題(商法の満点は38点),第55問から第73問までが民訴の問題(民訴の満点は38点)となっています。民事系における問題数や配点の内訳においては,昨年と比較すると上記のように若干変動がありましたが,実質的にはほとんど変わっていないものといえます。また,民法や商法はほぼ体系的に配列されています。
 問題の内容としても昨年の本試験と同様,条文知識や判例知識問題が中心でした。一つ一つの問題は短いものが多く,短時間で解答できるものがほとんどでしたが,横断的な問題や融合的な問題も多く,問い方に工夫がなされていました。民訴においては,当事者の主張が複雑な問題や,事例が複雑な問題が出されており,法科大学院における実務的な教育を意識した問題であったといえます。
 民事系における配点は,ほとんどの問題が2点でした。商法・民訴は全て配点が2点であったのに対し,民法の判例の趣旨に照らして肢を判断させる問題は3点配点がなされています。
 
 公法系の問題数は,第1問から第20問までが憲法の問題(憲法の満点は50点),第21問から第40問までが行政法の問題(行政法の満点は50点)となっており,昨年と同様でした。また,憲法はほぼ体系的に配列されています。憲法は全範囲を網羅的に聞く問題も2問ほどありました。
 昨年の本試験において「正しいものは1,誤っているものは2」を選ばせる形式の問題が14問ありましたが,今年は4問増えて18問となりました(もっとも憲法では肢は3つになりましたので解きやすくなりました)。また,個数問題が昨年度は3問出題されておりましたが,今年は2問減って1問となりました。ただ,正確な知識が要求されている点は変わりないと思われます。更に,本年度は行政法において,穴埋め問題や,処分性を否定するものを選んだうえ理由付けを組み合わせる問題,表を利用した問題が出題されるなど問題の出し方にも特徴が見られました。
 問題の内容としては,昨年と同様,条文知識や判例知識問題が中心といえますが,特に,判例の内容を詳しく聞いている問題が目立ちました(第2問猿払事件,第8問学校教育に関する判例,第9問人身の自由に関する判例など)。また,百選のみでは対応が難しい問題も見受けられました(第34問訴えの利益に関する問題など)。判例重視の傾向が顕著に出ており,判例を内容のみならず横断的に押えておくことが重要であるといえます。
 
 刑事系の問題数は,第1問から第20問までが刑法の問題(刑法の満点は50点),第21問から第40問までが刑訴の問題(刑訴の満点は50点)となっています。刑訴の問題が1問増加しましたが,複雑な事務処理が必要な問題が減少しましたので,分量としてはやや減少したといえます。また,刑訴はほぼ体系的に配列されています。
 刑法においては,事例を読ませて成立する犯罪を答えさせる問題が多くあり,単に知識を問うものではなく,事例の中で知識を的確に当てはめることができる能力を問うものといえます。これは,法科大学院における実務的な教育を意識した問題であるといえます。また,穴埋め問題など事務処理を要求する問題もありましたが,過度に複雑なものにならないように配慮されており,短時間で解答できるものでした。
 刑訴は,昨年までと異なり,長文問題の出題が減少しました。昨年は複雑な事務処理が必要な問題が8問だったのに対し,本年度は5問減って3問になりました。ますます,捜査や手続きに関する正確な知識が重要になったといえます。また,それでも,穴埋め問題や見解から事例に当てはめさせる問題など事務処理が必要な問題もあるので,予備校などで問題になれておく必要があるといえます。傷害事件における凶器であるハンマーと目撃者の供述の関係を問う問題(第33問)など,法科大学院における実務的な教育を意識した問題も出題されていました。また,再審事由に関する問題が1問出題されるなど,刑法・刑訴に限らず幅広く学習していくことが必要であると思われます。
 
 
    プレテスト 2006本試験 2007本試験 2008本試験
民事系 民事系(満点) 150 150 150 150
民事系(試験時間)単位:分 150 150 150 150
民事系(問題数) 74 71 70 73
民事系(解答番号数) 75 88 87 87
公法系 公法系(満点) 100 100 100 100
公法系(試験時間)単位:分 90 90 90 90
公法系(問題数) 40 40 40 40
公法系(解答番号数) 95 97 89 84
刑事系 刑事系(満点) 100 100 100 100
刑事系(試験時間)単位:分 90 90 90 90
刑事系(問題数) 40 40 39 40
刑事系(解答番号数) 82 66 58 55
 
問題数のバランス
 
プレテスト
2006本試験
2007本試験
2008本試験

民事系

民法

36

35
35
35
商法
19
19
18
19
民訴
19
17
17
19
公法系 憲法
21
20
20
20
行政法
19
20
20
20
刑事系 刑法
20
20
20
20
刑訴
20
20
19
20
合計
154
151
149
153
 
配点のバランス
 
プレテスト
2006本試験
2007本試験
2008本試験
民事系 民法
72
75
74
74
商法
38
38
38
38
民訴
40
37
38
38
公法系 憲法
53
50
50
50
行政法
47
50
50
50
刑事系 刑法
50
50
50
50
刑訴
50
50
50
50
合計
350
350
350
350
 
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