HOME > 新司法試験 > 【特集】2009新司法試験 合格体験記
  

■公開 2009年09月16日

■更新 2010年01月19日
 
INDEX
■渡邉 祐亮さん
 ○ 東京大学法科大学院(既修者)出身
 
■谷口 怜司さん
 ○ 東京大学法科大学院(未修者)出身

■出口 香央里さん
 ○ 慶應義塾大学法科大学院(未修者)出身
 
■前田 恵美さん
 ○ 一橋大学法科大学院(既修者)出身

  
渡邉 祐亮さん
○ 早稲田大学法学部卒
○ 東京大学法科大学院(既修者)
○ 受験回数1回

 これは、新聞やテレビのニュースを見ていても、自然と凶悪な刑事事件に注目することが多かったことから、将来は刑事司法に携わりたいと考えたため、受験を決意しました。
 
  法学部時代はよく勉強したものの、六法を開いていた時間とフランス語の辞典を開いていた時間のいずれが長いのか、正直分からないという状況でした。当然の如く法科大学院入試では大いに苦戦し、進学した東京大学法科大学院を除くすべての法科大学院につき不合格となりました。
  
 以上のような学習経過をたどったために、法科大学院では実力不足を痛感する日々となりました。この間特に私の頭につきまとって離れなかった疑問は@良い答案とはどのようなものであるのか、Aそのような答案を書くことができるようになるためにはどのような勉強をすればよいのか、というものでした。もっとも、この状況はある二人の先生方の授業に参加し、その予習復習をするうちに氷解することとなりました。その結果、次に述べるような方法論が確立されることとなりました。
 

(1)総論
 まず、私は司法試験のもっとも根本的な問いは、「あなたは六法を上手に(プロのように)使えますか?」という点にあると捉えました。
  これをより詳しく説明すると、@ある事実を見て適用すべき条文を想起できるか、Aそうして想起した条文を素読してひっかかりを覚え、かつそれを解消できるか、という各段階において私のとるリアクションが、プロの目から見ておかしなものでなければ、司法試験には合格できる、ということになります。
(2)択一対策
  択一では各選択肢について○×をつけていくわけですが、ここがプロとしての感覚を身につけているかについての第一の試金石となります。
  択一は、ある事実を見たら即座に特定の条文の特定の文言(あるいは定義ないし基礎理論)を連想できるようにする訓練をする場であると捉えていました。
  ここにいう訓練を具体的に述べてみます。
  例えば、辰已刊平成20年版民訴肢別本の404肢のような記述を目にした場合、すぐに横の解説を一読し、「合意がされている場合」をペンで囲み、そこに「法令(13条1項)」などと記していく、ということになります。
  このような方法により、条文の各文言と、具体的事実の結びつきが自分の中で強固になっていきますので、一つ一つの条文の姿がクリアーになっていきます。これは、論文式試験の解答においても、条文との関係で解決すべき問題数が全体としてどの程度あるのかを把握することにつながるので、書き落としやタイムオーバーの危険を軽減してくれる効果もあったものと考えています。この勉強方法の素材としては新司法試験の過去問及び肢別本を用いました。
  そして仕上げは、時間内に全問題を解くことができるだけの確実でぶれのない知識が身に付いたかの確認をすることになります。
  この点の確認にはスタンダード短答オープン第2クールを利用しました。ともかく時間内に解く、自分の直感に従い、どんどん○×をつけていくというスタンスで臨みました。
  そして、受講後の復習ですが、自己の正誤にかかわりなく、スタンダード短答オープンの解説冒頭に提示されている条文は必ず素読し、あくまでも自分なりに条文からしてこの肢は○だとか×だとか説明ないし納得できるかを自問自答するとの方法をとりました。
  なお、スタンダード短答オープンで間違えたポイントは、まさに素の自分の感覚とプロの感覚との間でズレが生じているところであるので、この条文のこの文言の取り扱いにおいて自分はミスをしやすいんだということをしっかりと自覚するよう心がけました。
  このプロセスについては、スタンダード短答オープンの解説や基本書を必要な限りにおいて参照し、六法(デイリー六法)に一言書き込むなどしていました。
(3) 論文対策
  基本的な対策は、旧試験の論文過去問を六法のみを参照して、答案構成をするというものでした。
  この際、自分は本問をどの条文の問題とするか、自分はこの条文の要件ないし効果につきどのようなものと捉えているか(容易に認めてよい要件か、厳格に認定すべき要件か等)を手短にルーズリーフに書き出し、判例の感覚と自分の感覚がずれていないか(例えば、判例が当該要件を認定するに際して考慮している利益を自分は無視したりしていないか、判例が厳格に認定している要件を自分はあっさりと認定するなどしていないか等)を確認して、自分の感覚を矯正することに努めていました。時間制限としては、80分以内に論文過去問4問を一気に構成する、というものを自分に課していました。
  そして、論文対策の仕上げとして、実際の試験と同じ時間内に、本番同様の分量の答案を現実に書くことができるかを確認するということが必要になります。この点の確認をするためにスタンダード論文答練第2クールを用いました。
  ところで、スタンダード論文答練を受講していると、「解答をやめてください。」といわれても答案を書き続ける方が見受けられますが、本番でも同様の結果を導く行為ですので避けるべきと思われます。
  スタンダード論文答練の復習については、解説講義を聴き、「書くべき」とされた事項が事実と条文を虚心坦懐にみつめたときに、真に書くべきかどうかを吟味するという点を重視していました。
  大抵の場合、これは書くべきと講師がおっしゃられた点で自分の書いていなかったものというのは、プロ失格(というか格に合わ不)といわれても仕方のない書き落としがほとんどであり、スタンダード論文答練から学ぶところは非常に多かったと思います。
  また、素の自分がとったリアクションが判例通説と逆の結論をとった場合(たとえば企業損害についての因果関係の認定)、本番でなくて良かったと安堵したものです。
  なお、スタンダード論文答の問題については、答案作成と解説講義の受講で新鮮味がなくなるので、それ以上まとめノートを作るといったことはしませんでした。むしろ、似たようなことが問題となる別の旧試験の論文過去問を探して解き、適宜基本書を参照するということをむしろ重視しました。

 本試験に臨むにあたっては最新判例に目配りすることも必要となりますが、平成18年から20年の重要判例については、すべてをおさえる時間はなかったので、スタンダード短答オープンで言及があったもののみにしぼって勉強するというようにわりきっていました。結果として、最新判例の知識が足りないことからくる不自由というものはありませんでした。
  ヒアリングや採点雑感を重視する風潮もありますが、これらは要は、「六法がちゃんと使えていない」との苦言に尽きるもののように思われ、特にこれらが私の受験対策に影響するということはなかったように思われます。
 

 これまでにも、多くの判例や学説に親しまれてきたこととお察しします。ここで、今一度それらの知見が条文と結びついたものとなっているかにつき、よく検討なさってください。そうすれば自ずと合格の結果がついてくるものと考えています。
 頑張ってください。
 
 
  
谷口 怜司さん
○ 国際基督教大学教養学部卒
○ 東京大学法科大学院(未修者)
○ 受験回数1回

  私は、未修非法学部で一発合格といっても、卒業直後の1年目は受け控えているので、純粋な意味での一発合格ではないと思います。しかし、人並み以上のことをしないと合格をできないと感じて、そのために試行錯誤してきたので、そんな才能のない自分なりの方法を紹介できたらと思います。
 
  私は、大学2年生の時に、在留外国人の支援をする団体に所属し、日本語を教えたりしていましたが、外国人が様々な法律問題(アパート入居拒絶・労働環境の悪化)に直面しているのを見て、法律を勉強していればいろいろアドバイスもできるのにと思い、法律に興味を持ちました。また、将来の仕事を考える時期になったとき、普通に大学卒の新卒として就職するよりは、資格をもち専門知識を提供することで、自分に付加価値をつけられるのではないかと考え、ロースクール入学、新司法試験の受験を決意しました。
 
  一般教養として法律科目を受講したぐらいです。
 

<ロー1年目>
 基本科目の習得に全力を尽くしました。
<ロー2年目>
 2年目は、必修科目以外にも自分で選択できる科目も増えました。科目選択においては、司法試験での選択科目のうちどれが自分に合っているのかを知りたかったので、選択科目の中からなるべく選択しようと思い受講しました。結局、倒産法にしましたが、労働法や租税法など選択科目は実務についても必要とされる法律科目であるので、このような分野を勉強しておくのは、将来を見据えた上でもよかったと思いました。
<ロー3年目・1年目の司法試験>
  3年目の冬学期は試験勉強に集中したいと考えたので、夏学期のうちに必要な単位は取得し終わり、冬学期は必修のみを残そうと考えて努力しました。
 自分は「3回受けて1回受かるかどうかだ」と感じたので、万全な状態で3回の受験をしたいと思い、受け控えました。決断したのは5月のGWを終わって試験1週間前に入ったときであり、それまでは他の受験生と同じように、試験のための勉強を一生懸命やってきました。やはり、1年目の直前までの勉強があったからこそ、今回の結果につながったのではないかと思います。
 

 何年もの蓄積があり、自分より多くの情報を収集している予備校の問題を解く事が、試験対策になると思い予備校を使うことにしました。
  辰已では、卒業後1年目にスタンダード短答オープンスタンダード論文答練を受け、それを目安に答練でいい点数が取れるように、短答・論文ともに答練で範囲のところの問題と解いてこようと考え、答練をペースメーカーにしてきました。二年目は、論文で他の予備校を使いました問題の質が悪く、辰已をとればよかったと後悔。)が、直前模試は辰已を受講しました。
  まず、短答式の対策としては、1年目は、答練をペースメーカーに、辰已の肢別本を使用し、辰已の条文判例本のような短答の参考書を参照しながら、短答オープンまでにその範囲の問題を解くというようにして勉強してきました。分からないところは基本書なども適時参照しました。他の予備校と見比べても、問題の質や母体の数も辰已の方がすぐれていると思ったので、辰已を受講しました。2年目は、1年目にそのような勉強をしてきて、短答はなんとかなるかなと思ったので、短答を勉強しはじめたのは1月になってからで、論文と短答を1:1くらいの時間割合をかけてやりました。
  また、論文については、1年目にあまり対策ができていなかったので、2年目は論文をメインですることに決めて、辰已のえんしゅう本のような論文の本を一つ決めて、論文答練までに一通り解くのを目標にやってきました。また、それと同時に、友達から聞いて定評のあった下記のような問題集をしました。ただ、なかなか予定通り進まないことも多いので、一応の目標として、遅れてもストレスに感じないことにしました。論文答練での予備校選びで気を付けた事は、答練をペースメーカーにするつもりだったので、記憶の定着と言う意味でも二通りまわす必要があると思ったので、本試験までに公法・民事・刑事を二通りまわすところを選びあした。また、辰已は、受験生が多く、自分だけ解いていないと本試験で差が着くと思い、初年度と同じく直前模試を受けました
  答練を受ける場合には、本番の予行演習をするつもりで、どのようなに答えて行くのが一番自分にあっているのかを考えながら受けました。短答では、刑事系や民事系など時間切れになる恐れもあるので、答練を使い一つの科目に最高何分かけられるのかを本番までには決めておいて、当日はそれを目安に時間切れにならないように気をつけていました。また、論文答練を受講するときにも、試験問題をどのような順番で解くのか、また問題検討に何分とれるのかなど、いろいろ試して自分にベストな答案作成の仕方を見つけようと思い試行錯誤しました。また、点を多く打ったり、題目をつけるなど、どうやれば読みやすい答案になるか試行錯誤しました。
  最後に、私は、答練は受けっぱなしにするのはよくなく、復習する時間を取る必要があると考えたので、一緒に答練を受けた友人と、答案の書き方や分からない点を聞く勉強会をしました。
  直前模試は受験すること、そして、辰己のものをうけることをお勧めしますそれは、母体数が多く全受験者における自分の順位が分かり、直前の一ヶ月で自分が他の受験生に比べてどこに力を入れるべきか分かるためです。また、辰己の模試では、本番と同じ会場を使えるので、本試験の予行演習として、場の雰囲気になれる意味でも重要だと思いました。
  私は、受験して短答の刑事系と論文の選択科目の勉強が不十分と感じたので、本試験の直前までは、それらに力をいれました。お陰で、短答・刑事系も8割近くの点がとれました。また、私は、直前模試を本番と仮定して論文の暗記ノートを見直したり、本番でいくだろう時間の電車に乗って混雑具合を感じたり、お昼はどこでなにを食べると試験中に眠くならないかとか、試験会場に持ち込む物とか、持ち込む勉強道具はなにがいいかとかのリハーザルに使いました。以上のような結果、毎日電車に乗って通うのは本番ではストレスになると感じたので、本番では試験会場周辺のホテルに宿泊しました。また、試験後に周囲の人が問題の話をしているのを聞いてしまうと精神的ダメージを受けて平常心を乱されると考えたので、試験後はすぐに音楽を聞くことにしました。
  司法試験は長丁場で、緊張のためささいなことでもストレスになります。そして、事前にそのようなストレスを取り除けるなら、その分、楽に試験が受けることができるので、直前模試をそのための機会に使いました。
 

 まず、勉強方法は人によって違うのと思います。しかし、最終目標は本番の試験の時に答案が書けるようになること、問題が解けることなので、どのように自分は勉強すれば本試験につながるのかを考えて、自分なりの方法をみつけていくべきだと思います。
  周囲には、基本書を読み込んで合格している人や、学校の授業をもとにそれだけで合格している人もいました。しかし、私は、基本書を読み込んでも問題を解けるようにならず、一方で、問題集をして実際自分の頭で考えて問題を解けば記憶に残っていたので、答練をペースメーカーにして短答・論文ともに、問題集をといて対策をすることにしました。ただ、一度問題を解いても、試験前まで記憶をとどめておく自信はなかったので、司法試験直前に見返すものを作ろうと考え、辰已の趣旨・規範ハンドブックのような論点集を修正・加工することで、答案に書く論点の結論や理由をまとめてた自分なりの「暗記ノート」を作って、論文の勉強をしてきました。また、短答でも、条文判例本のようなのを一つ決めて、間違ったところに線を引いたり、書き込みをしたりして、情報の一元化を図ろうとしました。いくら問題演習をしても、試験直前にそれを忘れていれば意味ないし、たとえ半年以上前にしたことでも、直前にノートをみれば答案にかけるようにしようと思いました。 司法試験の勉強で重要だと思ったのは、試験勉強に集中できる環境を作ることだと思いました。私の克己心が弱いからだと思うのですが、家にいると勉強以外のことに気がいってしまったり、朝早くおきるのが苦手で午後から勉強するということあったので、学校の自習室の同じ場所で勉強をすることにし、友達と朝9時から勉強会をすることで、朝9時までには学校に行くようにしました。そして、能力がない以上は、時間でカバーするしかないんだと考え、自習室が閉まる夜10時半まで自習室で勉強をしました。
 
<短答>
*問題演習
肢別本(辰已):刑法以外はすべて。
辰已の短答答練
*一元化したもの
・短答の参考書
*司法試験の過去問演習
・法学セミナー・新司法試験の問題と解説 2006〜2008年(日本評論社)
<論文>
*司法試験の過去問演習
論文合格再現集・ぶんせき編(辰已)
Hi-Lawyer 答案のトリセツ〜2009年2月号(辰已)
月刊ハイロイヤー 論文合格答案再現集・上位10人全科目全答案(辰已)
*問題演習(全科目共通)
・問題数の少ない論文演習本
・旧司法試験論文問題
*憲法
・事例研究・憲法(日本評論社)
*行政法
・事例研究・行政法(日本評論社)
*民法
・民法総合・事例演習(有斐閣)
*商法
・会社法事例演習教材(有斐閣)
・法学教室・事例で考える会社法
・新会社法100問(ダイヤモンド社・葉玉)
*刑法 ・法学教室・事例に学ぶ刑法(有斐閣)
 
 法科大学院では、日々の生活に追われて、定期試験のための勉強で手一杯だったのですが、司法試験のときを考えて、司法試験の直前に見返せるようなものをつくればよかったと思います。
 
 
  
出口 香央里さん
○ 慶應義塾大学総合政策学部(中退)
○ 慶應義塾大学法科大学院(未修者)出身
○ 受験回数1回

  私は、慶應義塾大学総合政策学部を3年で中退し、慶應義塾大学LSの未修コースに飛び級で進学しました。法曹を目指そうと決めたからには、早くその専門コースに進んだ方がいいと考えたためです。いわゆる「純粋未修者」としてのレッテルを貼られつつも、この度無事に新司法試験に合格することができたので、簡単に私流勉強法を紹介させていただきたいと思います。
 
 純粋未修者ゆえ、1年目はLSの勉強をこなすので精一杯でした。夏休みのゼミでは、「一日に3時間は勉強しています」と先生に報告し、絶句されたほどです。もっとも、LSの勉強は予習・復習を充分に行っていました。小テスト、期末テストを目標に勉強していました。相対評価における成績がわりと良かったので、進路に自信が持てました。
 
  既習者とクラスが同じになるため、LSの勉強についていくのが精一杯でした。基本書に戻る勉強をして、クラスの前方に座り、分からないことは必ず聞きました。ノートはPCでとり、録音しつつ、あとで聞き直したい箇所のタイムをメモし、効率的に復習しました。また、同じくPCでノートをとる友人とノートの交換をしていました。夏休みには、重判をコピーして、百選とセットで持ち歩けるようにしました。
  10月に新しい六法、及び、択一対策の教材(辰已の条文判例本をはじめとして、他社のものも)が発売されたのをきっかけに、解説を読みつつ、択一の勉強をはじめ、該当条文・判例をシールでマークする(プレサンプルは赤、06年は黄色、07年は緑、08年は青という具合)作業を始めました。
  春休みには、友人と過去の論文の試験問題に取り組みました(会社法・行政法を除く)。辰已のハイローヤーの臨時増刊号に掲載された再現答案集を何度も読み、どこに点数の差が出るのか分析しました。また、「判例百選つぶし」(判例の判旨の要約を3〜5行手書きで、百選の空白に書いていく作業)をはじめました。
 
  いよいよ最終学年とは思いつつも、春学期まではLSの授業中心の生活でした。受験モードへの切り替えは、辰已が夏休みに実施した新司体感講座からでした。このときは、択一で足切りにあうような点数で、焦りを覚えましたが、勉強に勢いをつけることができました。
  夏休みから、友人4名で行う主要科目のゼミを本格的に始めました。ゼミの内容は、@判例百選を解説する(担当を決めて、1つの判例を3〜5分で事案の概要、判旨、解説を要約して3人に口頭で説明し、相互に疑問を解消する。)A択一演習(1週間単位で、範囲を設定し、各自自習して、範囲該当の問題を20問ずつ解き、答えあわせをする。)B論文演習(事例研究や、受験新報の問題を時間を決め、書き、読みあい、コメントする)でした。夏休みにゼミ@を、秋学期に入ってからはABを中心に年明けまで続けました。
  また、選択科目の国際私法については、別の友人4人と、論文演習を行いました。
 
  受験勉強に不慣れだった私は、既習の友達が団体割りで辰己の全国公開模試を受講するという話を聞いて、一緒に申し込むことにしました。
  スタンダード短答オープンは、たくさんの問題を解いて、知識を増やすために利用しました。解説はビデオブースで、1,5倍速で聞いていました。解説にある表や図をトイレに貼って、暗記に役立てました。スタンダード論文答練は、東京本校で受講しました。知らない受講生で埋まった教室で、限られた時間内に論文を練習することができ、自分のペースを知ることができました。LSの期末試験では、最高3時間のテストしかないので、本試と同様4時間のテストを受けることができ、また全国レベルでの客観的な自分の位置を知ることができるのが、貴重でした。
  卒業後は、毎日自宅で一人で勉強しました。自宅勉強の中で役に立ったのは、辰己のMDです。年内から聞いていましたが、西口先生の択一で9割とる講座、合格者による出る条文シリーズは、孤独を緩和してくれ、また、卒業後に「受動的にできる勉強」でした。ipodに入れ、ジムや移動中にも聞きました。
 
  LSの勉強に関しては、「授業を大事にする」のが重要だったと思います。予備校本を参考にするのは勉強の時間短縮に役立ちますが、これに学者の先生の話をプラスして、自分のものにすることが大事だと思います。
  家での勉強は、自分との戦いです。集中できる環境づくりと、自分にあった勉強のペースを持つことが重要です。私は、直前期でも7時間は睡眠をとり、気分転換にジムに行ったり、部屋の中ではアロマをたいたり、好きな文房具を使うようにしていました。
  私は、受験勉強を「作業」と「勉強」に分けて考えていました。「作業」の目的は情報の1本化です。司法試験の勉強は、膨大な情報をいかに、コントロールして、自分の手元に残せるかが肝心だと思います。コピーしたり、切ったり、貼ったり、という作業は手間で時間もかかりますが、作業された教材を使うことで、「勉強」の効率が上がります。たとえば、百選・基本書はすべて内容別に色分けして線を引き、百選・基本書該当箇所を相互参照できるよう、該当ページを余白に書き込み、ノートのまとめや表をポップアップで開くように貼りました。相互参照は、直前期に、分からない・知りたい箇所だけを瞬時に探すことができるので、「ちょっと気になったけど、見るのが面倒くさくて、見逃した」(こういう部分が試験には出ます。)というミスを防げます。択一の過去問は、縮小コピーして、すべて条文・判例本等の該当箇所に貼り付け、繰り返し解き、直前期に95%正解できるようにしました。
  「勉強」の目的は、アウトプットのための理解・記憶の定着です。論文における論点の見落としを防ぐために、辰已の論点ハンドブックを「勉強の目次」として活用しました。直前期には、論点を見つめるだけで、趣旨・規範・関連論点がスラスラ出てくるのを目標に勉強しました。いわゆる論証については、予備校の論証パターンをベースに、基本書と授業の要素をプラスした自分なりの論証カードをすべての科目、及び、すべての論点について作成しました(これは、LS2年生の授業と平行して作成しました)。
 
 いわゆるオーソドックスな基本書を選んで使っていましたが、中でも一字一句漏らさないように、まわした基本書を紹介します。どれも薄いものですが、これを自分のものにできれば充分だったと考えています。足りない部分は適宜、厚めの基本書やコンメンタールで補いました。

○ 紛争類型別
○ アルマ 『刑事訴訟法』
○ 橋本・櫻井『行政法』
○ 有斐閣 『民事訴訟法入門』
○ 法曹会 民事・刑事の第一審手続解説
○ 主要科目の百選すべて
○ 松岡博 『国際関係私法入門』

○ 西田典之『刑法各論』法律学講座双書
○ 弥永真生 『商法総則・商行為法』有斐閣
 
  受験勉強は、長く、つらいものであることは確かです。精神的にも体力的にも追い詰められます。しかし、その条件は受験生であれば同じです。あとは、どれだけその状況を楽しめるかが大切です。好きな文房具で勉強する、計画を立てて、それを達成していくことをゲーム感覚に楽しむ、ゼミで議論する、見やすく綺麗なまとめを作る、基本書・百選をオリジナルに改造することを楽しむ、信頼できる友人と成長する…。つらい受験勉強の中にも楽しめる要素はあります。
  今回メジャー記録を樹立したイチロー選手について、ある解説者も、「イチローより身体能力が長けているプレーヤーはたくさんいるけれど、単調な基礎練習も楽しんで怠らないことが、記録につながる」と言っていました。
  自分流の勉強パターンを早く見つけ、そして情報を鵜呑みにすることなく、内容を見極める能力を伴って、上手に予備校の模試や書籍を利用すれば、自分流の勉強法のよきスパイスになると思います。
 
  
前田 恵美さん
○ 東京大学法学部卒
○ 一橋大学法科大学院(既修者)出身
○ 受験回数3回(旧司法試験で1回・新司法試験で2回)

 私は、東京大学法学部卒業後、一橋法科大学院を卒業し、今年、第4回新司法試験に合格いたしました。
 法科大学院3年在学時に旧司法試験を受験し、新司法試験も2回目の受験だったため、背水の陣での挑戦でした。
  同じような境遇の方の参考に少しでもなればと思い、僭越ながら私の勉強法等について紹介させて頂きます。
 
  法科大学院1年目は、ロースクールの授業の予習、復習以外に自主ゼミを組んで新司法試験型の問題を解いておりました。この自主ゼミは定期的に答案を書く良い練習の機会にはなっていましたが、解きっぱなしに終わらせてしまっていたせいで効果が半減していたと思います。
  法科大学院2年目の5月に旧司法試験を受験しました。新司法試験は1回しか受けるつもりがない以上、旧司法試験を受験しても構わないし、受験勉強のモチベーションを上げるのに役立つからという軽い気持ちで受験したため、択一で不合格に終わりました。落ちた当時はあまりショックも大きくなく、憲、民、刑を勉強する良い機会になりましたが、新司法試験1回目で不合格となり、2回目の受験をする際、精神的にプレッシャーを受けました。法科大学院在学中に旧司法試験を受験することを考えていらっしゃる方は、受験のメリットとデメリットを比較して慎重に決められることをお勧めいたします。
  なお、法科大学院在学中、予備校はほとんど利用しませんでした。
 
  2008年3月に法科大学院を修了し、その年の5月に新司法試験を受験しましたが、論文で不合格となりました。
  上述のように、新司法試験は、1回の受験で合格するつもりでいたので、大変ショックを受けました。年齢も若くなく、これといった職歴もないので、受験を辞めて、就職しようか悩みました。先生や先に合格した友人等様々な知り合いに相談した結果、就職するにしても、最後に残っている1回のチャンスを使い果たしてから働いた方が、悔いが残らないと考え、再度受験する決意をしました。ただ、今までも失敗しているだけに、なんとなく受験していてはまた落ちるだけであると思い、敗因分析と対策立てにはたっぷり時間をかけました。具体的には、ゼミや予備校の答練は10月から始めていたものの、本格的に再始動したのは11月中旬ころでした。
  私の場合、不合格となった主な敗因は、択一試験の点数が悪かったことと、新司法試験用に頭を十分にシフトできていなかったことです。択一の点数は、足切りラインよりわずか10点しか上回っておらず、論文で高得点を取らないと合格できない状況でした。択一の点数が悪かったのは、旧司法試験で択一合格経験があり、大して勉強しなくても点数がとれると甘く見ていたからでした。ロースクールの恩師から言われたことですが、択一の点数が悪いと、知識が定着していないため、論文試験でも当たり前に書くべきところが自信のないあいまいな表現になって、勢いのない答案になったり、事案分析や評価にかけるべき時間が割けなかったりします。今年の経験から、私自身まったく同じように思います。
  また、新司法試験では、旧司法試験と比べて判例、実務重視の傾向が強く、丁寧な事実分析と評価の結果を答案上示す必要があったのに、旧司法試験と同様の勉強方法でなんとかなると楽観的に考えていました。もちろん旧司法試験の勉強で得た知識やノウハウは新司法試験でもいきますが、特に旧司法試験の受験回数が3回以上ある方等については、新司法試験と旧司法試験の過去問や出題の趣旨を良く分析して、両者の違いを踏まえた対策を立てるべきだと思います。
 
  上記の敗因を分析した結果、新司法試験型の問題の答案を時間内に作成すること、択一試験に基本的な知識を定着させることが合格のために必要だと考えました。そこで、2回目の受験にあたっては、ロースクールの仲間との勉強会等の他に、上手く予備校を利用することにしました。
  論文対策としては、スタンダード論文答練を第1クール、第2クールすべて受講しました。辰已法律研究所の論文問題は、新司法試験の過去問やヒアリング等を綿密に分析した上で作成されているせいか、予備校の中で最も良質だと思います。答練の点数については一喜一憂するのではなく、大きく筋を外した場合や点数が平均点を下回った場合にのみ、友人の答案と見比べ失敗の原因を良く分析して、ノートに取っておく工夫をしました。ノートの作成は旧司法試験を受けていた頃から最も嫌いでずっと避けていましたが、不合格の結果発表から翌年の試験まで半年しかない中、せめて同じ失敗を繰り返さないよう答案の出来が悪い時の失敗点のみノートをとりました。試験の本番では、このノートのみを見返し短時間で効率的に復習ができ、良い対策だったと思います。なお、論文の敗因が新司法試験用に頭をシフトできていなかったことにあったので、予備校以外にも、本試験の過去問やロースクールの期末試験等の新司法試験型の問題を使って、択一対策に専念していた2月〜3月以外、ほぼ毎日答案を書いていました。
  択一対策としては、スタンダード短答を第1クール、第2クールを受講しました。辰已法律研究所の問題は判例・条文に忠実で、解説も丁寧なので、復習に役立ちました。特にワンポイントアドバイスは独学でやるのが面倒な知識の整理に大変役立ちました。時間がないので、ワンポイントアドバイスでよくまとまっているものは縮小コピーした上で判例六法に挟む工夫をしました。こうすることで、情報を一元化でき論文対策の時も、条文を見るついでに択一の勉強をすることができました。スタンダード短答の問題を解く際は、あまり時間をかけないようにし、復習も間違った箇所に限定して、時間の短縮を図りました。また、1回目の受験の際、模試での択一の点数が良くなく、直前期に択一対策と論文対策の配分に失敗したため、2月から3月を択一強化月間とし、条文の素読と判例を繰り返し読むことに専念しました。この時期の択一と論文の比率は7対3くらいだったと思います。論文を書く機会が減ることで感覚が鈍る不安はありましたが、スタンダード論文答練で定期的に良質の問題を解いていたため、大きく悪影響となることはありませんでした。
  上記の対策の他に、苦手な論点についてのみ、西口竜二先生の講義等を購入し、短時間で効率良く理解を深められるようにしました。苦手な論点を抱えた状態で本試験に臨むのは危険ですが、試験直前にインプットに無駄に時間かけることは非効率なので、講座を上手く利用したのは効果的でした。
 
  司法試験は頭が良いから受かるというものではないと思います。
  いかに本試験で必要とされる力を認識し、自分の現時点での能力を把握した上で、5月の試験で合格させてもらえる答案をそろえられるよう、ゴールから逆算して計画を立て、対策を練ることができるかどうかだと考えます。本試験で必要とされる能力とは、学説についての知識ではなく、問題解決に必要な判例・条文の理解、事実分析能力といった技術的な能力、それと本番で能力を発揮できるためにシミュレーションをして準備することで身につける精神力も含みます。
  ですので、今回残念な結果となった方も頭が良くないと自分を卑下せず、多くの合格者や先生のアドバイスを聞き、対策を練るのが良いと思います。
  以上、思いつくままに書いた乱文ではありますが、何某か参考になれば幸甚です。
 
 
 
 
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