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■公開 2010年09月17日
■最終更新 2010年09月18

INDEX
   
       
 
   
■年齢:26歳
■出身大学:慶應義塾大学法学部政治学科
■出身法科大学院:早稲田LS(未修)2006年入学
■新司法試験受験歴:2回
■旧司法試験受験歴:0回
 

1 はじめに
  私は早稲田大学法科大学院を修了し,今年,2回目の受験で新司法試験に合格しました。
未修コース出身で複数回受験をした立場から,自分のとった勉強スタイルなどについて紹介させていただきます。
 

2 法科大学院の受験前の学習状況
  私は法学部出身ではありますが,法律学科ではないこともあり,学部在学中,法律には全くといっていいほど触れていませんでした。必修科目として憲法等がありましたので,その定期試験対策として一夜漬けをした程度です。法科大学院入学が決まった後,読んでおくようにと指定された基本書などを読んで勉強をしましたが,なかなか頭に入らなかったことを覚えています。
 

3 法科大学院在学時
  在学時には臨床法学教育を受けてはいましたが,それ以外に何かをしたということはないです。授業の予習・復習が中心だったかと思いますが,それですらあまり真面目に取り組んだとはいえず,学習時間も少なかったです。また,受験対策ということも特にやった記憶がありません。短答対策としては短答の過去問を1回解くくらいはしましたが,論文対策として特に練習する機会を設けるなどはしませんでしたし,論文の過去問も目を通す程度でした。ゼミを組んでいた時期もないわけではありませんが,ゼミの目的がどこにあるのかわからないという感じでした。要するに,新司法試験対策という観点からは,無目的的に過ごしていたというのが実感としてあります。なお,この時期は予備校等も使っていません。
 

4 1回目の受験
  上記のような勉強しかしていなかったため,友人に誘われて『辰已全国模試』を受けたところ,D判定が出るなど惨憺たる成績でした。あまりに酷い成績だったものですから,受け控えようかとも考えました。しかし,受け控えたところで何が変わるでもないと思いましたし,翌年から司法修習が貸与制に切り替わるという話でしたので,無理を承知で受験しました。結果は短答こそ通ったものの,論文でかなり酷い成績での不合格に終わりました。

5 不合格後の対応
(1)戦術的対応〜答案の面から見た敗因分析
  理由のない不合格はないです。まぐれで受かることはあっても,まぐれで落ちることはありません。落ちるのには間違いなく理由があります。理由がある以上,それを徹底的に分析しなければ,リベンジは難しいです。そして,不合格の理由には人それぞれいろいろあると思います。
不合格になる理由としては,そもそも短答で足切りになり論文を見てもらえないということが筆頭で挙げられます。短答をクリアしても論文でダメだった場合には,知識が足りず何をすればよいのか皆目検討もつかなかったということもありますし,事例の中から適切な法律的問題点を抽出することができないということもあります。知識はあるのに表現が下手でうまく伝えることができていないというのもあり得ましょうし,良い答案を書こうとして答案構成に時間をかけすぎて書く時間が足りないとか,あるいは知識がありすぎて何でも書こうと思うあまり結果的に大事なポイントを外すなんてこともあり得ます。
  私の場合,短答で足切りラインは超えていたことから,知識の面で絶望的な状況にあるわけではないと判断しました。論文の答案を書くときは,知識不足もあったのでしょうが,事例から法律的問題点を抽出するのに手間取っていたこと,性格的に答案構成に時間をかけてしまい書く時間が足りなくなってしまうことが多々あったこと,及び,そもそもどのような答案を書けばよいのか自分でわかっていなかったため,独りよがりの答案を書いているのではないかというところに思いが至り,これを克服することで合格に近づけると考えました。
(2)戦略的対応〜全体的な勉強の方針について
  以上は,答案をいかに書くかという戦術的な話ですが,リベンジに向けて戦略面も検討しました。そこで,短答ではとりあえず250点取れればよく,論文では平均的にどの科目もできるようにして,苦手を作らないということを心がけていました。短答250点では物足りないと思う向きもあるかもしれませんが,250点あれば論文で大きく出遅れることはないですし,足切りの心配もないと考えられます。もちろん,みなさんは,250点で満足することなく,もっと上を目指す心意気を持って勉強してください。250点はあくまで,最低限の目安にすぎません。
論文で苦手科目を作るということは,最低ラインに到達しない可能性が高くなるということを意味します。仮に本試験で最低ラインを突破できない科目が存在してしまったとしたら,非常にもったいないです。他がいかに良かったという状況だったとしても,全てが無になります。できるとされる人でも最低ラインに到達しない場合があるらしいので,油断は禁物です。
また,本試験の採点を見ると,ここ数年は,全科目が満点の半分の点数でも合格できることになっているので,半分取れれば良いのだという気持ちで臨むことが,精神的に楽になるコツかと思っています。
 

6 2回目の受験に向けて
(1)弱点の克服
  事例から法律的問題点を抽出するのに手間取り答案構成に時間がかかるという弱点を克服するために,適当な演習書を用いて,法律的問題点の抽出を中心に答案構成を各科目とも,比較的短い時間制限を設定して行いました。過去問レベルになると答案構成をすること自体かなり重たいので,そこまでには至らない分量の演習問題が多かったと記憶していますが,直前期までひたすらこればかりやっていました。基本書を読んでいく作業というのはなかなか大変で飽きも来ると思うので,基本書を一回しした後など,わりと早い段階からこうした作業を取り入れるべきだと思います。
  また,合格答案を書くためには,評価される答案がいかなるものかを知っておくことが大事だと考えました。答案構成がいくらスムーズにできるとしても,評価されるのは答案構成をした頭の中でも答案構成用紙でもなく,答案用紙に書かれた文章です。その意味で,どのような答案が評価されるのかを示した格好の資料となるのが,辰已の『論文合格答案再現集』です。新司法試験の上位合格者が過去問で書いた答案を集めたものですが,これを読んでなんとなくでも答案のイメージを掴むようにしました。ただし,あくまでも他人の答案なので,これをそのまま丸写しとか,鵜呑みにすることは危険です。これを自分なりに消化できるようになれば良いかと思います。
  また,在学中から,法律答案としての論文の書き方がよくわからないと思うことがありましたが,浪人中に出版された西口竜司先生の『新司法試験 論文答案作成の作法』を読むことで,表現の方向性であるとか基本的なルールを知ることができたのは,自分にとって非常に有益でした。全く論文答案の形式がわからないという未修者の方には参考になるところが多いかと思いますので,一読を薦めます。
(2)私の考える良い答案
  私自身,今に至っても理想の答案というものがどういったものなのかわかりませんが,さしあたり,事例の中から法律的に問題になるところを,なぜ問題になるのかということと合わせて指摘でき,その問題点について条文を挙げ,理由を示すなどして適切な規範を立てたうえで,規範と事実とがしっかりリンクしたあてはめをしているものが良い答案といえるのではないでしょうか。問題点ごとの軽重についてメリハリをつける必要があることは,言うまでもありません。
(3)論文・短答の実践的トレーニング
  答案構成がきちんとできるようになり,答案の書き方や評価される答案のイメージを掴んだところで,それだけでは決して十分でないのはご存知のとおりです。当然,実際に書く練習をする必要があります。特に,新司法試験では,規範定立を前提とした上での事実の抽出とその評価も重要な要素だからです。この書く練習の場として,辰已の『スタンダード論文答練』を,年明けの第2クールからですが受講しました。スタンダード論文答練は,単に書くというだけではなく,事実認定に重きが置かれている印象で,事実認定と評価の訓練の場としても活用できました。受験勉強の良いペースメーカーになるのはもちろんのこと,教室内にはそれなりに人がいて,本試験と似た雰囲気の中,緊張感をもって受験できるのが良いと思います。答案は採点されて返ってきますが,それには一喜一憂せず,記憶が新しい答案返却直後に,どこがダメで評価されなかったのかという点をよく復習することが大切です。
  短答についても,緊張感をもって勉強できる機会が欲しいと思い,『スタンダード短答オープン』を第2クールから受講しました。本試験と同様の時間設定のもと,難易度的にも難し過ぎず,易し過ぎずという問題を解いたのは本番に向けての良いトレーニングになりました。これ以外に,定期的にアウトプットされ知識の確認ができるという機会は,なかなか作ることができないです。ところで,『スタンダード短答オープン』には分厚い解説書がついていますが,私は不正解だった問題の解説をサラッと読み,使用している基本書等にチェックする程度で良いと思います。なお,私自身短答プロパーの勉強は,これ以外には過去問を3回解き直したくらいです。実際のところ,論文対策をする中で,こまめに条文を引き判例も適宜調べているのであれば,足切りという憂き目に遭うことはないのではないかと思っています。
 

7 直前期
  直前期にはこれまでの学習の総仕上げとして,『辰已全国模試』を前年に引き続き受験しました。この模試は母集団が大きく,他校の学生との比較で,自己の客観的な位置付けがわかる貴重な機会となります。本試験と同様の日程で行われるため,トータル5日間の過ごし方の良いシミュレーションにもなるかと思います。
  ここでは,前年の出来とは一変して好成績だったこともあり,自信をもって本試験に臨むことができました。この模試はデータの精度もかなり高く,実際,私の友人で『辰已全国模試』で上位の成績を収めていた人は,7〜8割程度合格しています。


8 メッセージ
  これまで私が書いたことは,特に目新しいものではないはずです。今から振り返ると,在学中からきちんとやっていればと思うようなことばかりです。しかし,これはあくまでも自分に合っていたやり方でしかありません。よく言われることですが,『孫子』にいう「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」ということです。新司法試験という敵がどのようなものであるかを知り,その敵を倒すためにはどのような能力が必要かを分析した上で,今の自分に何が足りないのか,足りないことを補うにはどうすればよいのかということを必死に考えることが,合格への必須条件だと思います。あとは,考え抜いた戦略・戦術を実行するだけです。
  また,既に記したように,私は無理だろうと思っていても受け控えはしませんでした。受け控えることにほとんど意味はないとさえ感じています。1回受けてみて,運が良ければ受かることもあるかもしれませんし,もしダメでも,受けた経験が絶対次につながるからです。本試験独特の雰囲気を体感することができる,本試験と自分の距離をきちんと認識することができるなど,得難い経験を翌年に生かせることになりますし,勉強する上での緊張感を維持するためにも,受け控えにはメリットがないと思います。私の場合,無理を承知しつつも受験して失敗したことで,彼我の距離を知り,対策を立てることができたといっても過言ではありません。
  現在,各種メディアでも取り上げられているように,未修者は一部の優秀層を除き新司法試験で非常に苦戦を強いられています。私も未修者という立場でしたが,結局試験においては,未修者も既修者も関係なく,同じ土俵の上で戦わざるを得ません。そこで,未修者としてしなければならないことは,まわりの既修者に追いつこうという意識を持って勉強することではありません。何度も申し上げますが,自分と新司法試験との距離を的確に把握し,その距離を縮めていく方向で勉強をすること以外にないと考えています。周りを気にして,殊更に比較などをしてもしょうがないと思います。
  最後になりましたが,受験生の皆さんのご健闘を心よりお祈り申し上げます。皆さんの参考になるかはわかりませんが,受験に向けて何かしらのお役に立つものであれば幸甚です。目標に向かって,最後まであきらめることなく頑張ってください。

  
■年齢:25歳
■出身大学:中央大学法学部
■出身法科大学院:東京大学法科大学院・既修・2007年入学
■新司法試験受験歴:2回
 
1 新司法試験の受験を決意した経緯
  もともと討論や議論といったものが好きだったこともあり,法を用いて紛争を解決するという法律家に対する興味は強く,大学入学と同時に法科大学院入試・司法試験を意識するようになっていました。また,私の入学した大学は伝統的に司法試験を受験する学生が多く,そのような周囲の状況もあって,司法試験を受験しようと決意するようになりました。
 

2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)
  学部の頃は,大学の法職講座を取りつつ,司法試験受験団体に所属して主に独学で勉強していました。大学在学中には旧司法試験の受験も経験しましたが,4年次は法科大学院入試をメインに勉強をしていました。
 

3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)
(1)法科大学院在学中?初受験
  基本的には授業の予習・復習に追われる毎日でしたが,事例演習系教材を用いた勉強会や,本試験の過去問を検討する勉強会にも参加していました。もっとも,この頃の勉強会は,時間の節約をするために,事前に答案を書いてきたりレジュメを準備したりするものがほとんどで,あまり実践的と言えるものではありませんでした。また,判例知識に不安があった私は,判例百選や重要判例解説を素材とした勉強に多くの時間を割いていたのですが,元来の完璧主義的な性格のためにそれらを潰すことに集中しすぎてしまい,勉強量のわりに効率が悪く,知識にも偏りが出てしまったように思います。
(2)結果発表?二度目の受験
  初受験の結果を踏まえてまず行ったことは敗因分析でした。発表直後は脱力感にとりつかれもしましたが,行動あるのみと信じ,厳しい現実と正面から向き合うことを決心しました。私は受験後に再現答案を作成していたので,出題趣旨で言及されている項目に関して自分の答案はどのくらい論じていたのかという視点を中心に,試験当日の感覚も踏まえて,自分なりの敗因分析をしてみたところ,初受験の失敗は,初見の問題で出題意図が理解できずパニック状態に陥ってしまったこと,知識に偏りがあったために慣れないテーマが出題されると誤った記述をしてしまったことに主な原因があったと考えました。パニック状態は本当に起こるもので,自分は本試験の会場でしばらく頭の中が真っ白になった後,冷静になろうといったんトイレに行ったりもしました。このような経験を踏まえて,二度目の受験に当たって必要なものは,本試験と同様な状況で落ち着いて問題と向き合うために必要な実践的な演習の量と合格最低ラインの答案に必要な基本的知識(それは,どの基本書にも記述があるようなレベルの知識を意味します。)の網羅性であると考えましたので,演習量の確保と基本的知識の入れ直しをすべく,発表の週のうちにリベンジ合格を目指す仲間を募り,勉強会を立ち上げるとともに,学習計画の立案を行いました。辛い心境にある仲間に声をかけるのは神経を逆なですることになるのではないかと不安に思いつつ連絡をとりましたが,幸いにも決意に満ちた同志が集まり,自分の勉強の核となるものができました。
  まず,勉強会では,問題の質,新司法試験の出題傾向との近接性,時間上の都合,解説の入手可能性などの観点から,主として平成13年度以降の旧司法試験の論文式試験過去問を素材として(憲法の統治,商法の手形・小切手,民事訴訟法の一行問題を除きます。),時間内に答案を書き,互いの答案を批評し合っていました。特に近時の旧司法試験では比較的詳細な出題趣旨も公表されるようになっているため,だらだらと時間を過ごすことなく,また方向性がぶれることなく答案の批評や議論をすることができたので,非常に有意義であったと思います。また,新司法試験の過去問に関しても,時間を計って答案を作成し,出題の趣旨やヒアリング,優秀答案との比較をすることを1〜2回行いました。その際には,複数の優秀答案を点数・順位を伏せてコピーした上で,それらの優劣を自分たちで検討し,その後,実際の点数・順位と照らし合わせてそれらの答案を再び検討するといった作業を行っていました。この作業には,クイズ感覚で論述のメリハリと評価の対応関係をイメージできるようになるという効果があり,個人的にはオススメです。
  一方,基本的知識の入れ直しに関しては,法科大学院コア・カリキュラムを参考にして基本書を読み込むことを行いました。コア・カリキュラムに関しては賛否のあるところですが,著名な教授らが作成しているだけに,重要なテーマ・論点などについて網羅的に触れられており,それの解答・解説を作る要領で基本書を読み進めれば,おのずと合格に必要な基本的な知識を一通り押さえることができるのではないでしょうか。この作業には時間がかかりましたが,短答式試験の過去問を解きながら行うことで知識の定着を確認することができましたし,一周目にマークやアンダーラインをつけておけば,基本書のポイントも浮かび上がってくるので,二周目以降をかなりの短期間で終えることができるなど,実践するメリットは多いと思います。

4 受験対策@(辰已講座の利用方法とその成果)
  辰已では,二度目の受験に際して,スタンダード短答オープン(第1クール・第2クール),スタンダード論文答練(第1クール・第2クール)と全国模試を受講しました。
  スタンダード短答オープンやスタンダード論文答練は科目ごとにスケジュールが組まれているので,自分の勉強のペースメーカーとなりましたし,前述の勉強会もスタンダード論文答練のスケジュールに合わせて計画を立てて実施していました。そこでは,答案構成と答案作成の時間配分をいつもと変えたり,あまり体調が良くない中でも強制的に答案を書いたり等といろいろな状況を体験することもできましたし,東京本校のライブ会場は受講生が非常に多く,熱気に満ちた会場の中で答案を作成するため,毎回本試験のような臨場感も体験することができました。受講に際して注意していたのは,早めに答案を書き終えることと決して穴をあけないことです。勉強会のメンバーでスタンダード論文答練を受講していた仲間とは,答案作成を早く切り上げることを約束して,毎回10分?20分程度短い時間で答案を作成する訓練をしていました。これは途中答案を防ぐ上で最も有効な対策となりますし,答練後にそのメンバーと各自の答案を批評する際に必要な答案のコピーを取る時の混雑も避けることができました。また,答練は休むとすぐに問題がたまってしまうので,絶対にその週のうちに受けるようにしていました。特に第2クールは毎週行われるのでスケジュール的に厳しいですが,都合が悪いときは曜日を変える等して,全ての回に参加しました。
全国模試は参加者が多く,他の予備校のものと比べてデータが参考になると思い受講しました。本試験会場では,会場の混雑具合や試験監督の厳しさまで雰囲気が再現されており,時間配分や体調管理等よいシミュレーションをすることができました。

5 受験対策A(私の勉強法など)
  私の勉強法は,既に述べた勉強会を軸として演習量をとにかく確保することと,基本的知識の入れ直しでした。その際に行った注意していたことは,勉強会で作成した答案を書き直すことと,確認した知識を一元化したことです。
  勉強会で作成した答案には,知識の誤りのほかに構成の拙さ,表現の未熟さなど改善すべき点が多くありましたので,書きっぱなしにすることなく,知識の不明な点は文献を調べ,構成や表現が不十分なところは推敲するなどして,自分なりにベストな答案を書き直してパソコンにまとめていました。旧司法試験は新司法試験とは別物であるといって避ける方もいらっしゃるかもしれませんが,旧司法試験も同じ法曹としての素養を測る試験ですし,基本的なテーマや論点が非常に練られて出題されているので,これをまとめたものは,直前期に論点抽出の訓練や論証の確認をする際にとても役立ちました。
 

6 受験対策B(私が使用した本)
【憲法】芦部『憲法』
【行政法】櫻井・橋本『行政法』
【民法】川井『民法入門』…あまり使われていない本ですが,民法全体が一冊にまとまっていながら,重要な判例や学説は一通り網羅されており,基本的知識の確認を目的とする場合にはオススメです。
【商法】神田『会社法』,落合ほか『商法T(Sシリーズ)』
【民事訴訟法】藤田『講義 民事訴訟』,同『解析 民事訴訟』,『民事訴訟法講義案』
【刑法】山口『刑法』
【刑事訴訟法】池田・前田『刑事訴訟法講義』
【国際関係法(私法系)】松岡ほか『国際関係私法入門』
【その他全科目共通】判例百選,重要判例解説
(短答式試験向け)体系別択一過去問集,肢別本
(論文式試験向け)合格者再現答案集,ぶんせき本
 

7 これから受験する人へのアドバイス
  今年の結果発表を見て絶望感にうちひしがれている方も多いかもしれませんが,来年の受験までの時間はそれほど長くはありません。落ち込んでばかりいても仕方がありませんから,来年の受験を決めた方は,可能な限り速やかに敗因分析を行って,自分に必要な対策や計画を定めてください。
  そして,リベンジ受験者にとって最も大事なものは,同じ目標に向かって頑張ることのできる仲間ではないかと思います。私が今回合格することができたのも,一緒に戦い抜いた勉強会メンバーのおかげに他なりません。一人でいると,精神的に辛くなるのはもちろん,勉強をしている際に直面する疑問を解決するのも困難になりますし,試験に関する情報も入りにくい状況になってしまいます。在学中とは異なり,修了後はなかなか人間関係を構築しにくいとは思いますが,可能な限り勉強会を組むなどして,リベンジに臨むことオススメします。
  新司法試験は約25%の合格率と決して易しいものではありませんが,適切な方法論の下に努力を続ければ必ずや実を結ぶものであると思います。決して諦めることなく,頑張ってください。皆さんの合格をお祈り申し上げます。

  
■年齢:30代
■出身大学:中央大学法学部
■出身法科大学院:中央大学法科大学院既修者コース・2007年入学
■新司法試験受験歴:2回
■旧司法試験受験歴:短答10回(うち1回は法科大学院在学1年目)・論文3回
 
1 私の体験記の意義
  私は法科大学院入学前に旧司法試験を受けていたこともあり,法科大学院在学1年目の平成19年に旧司を受験していました。修了した年の平成21年に1回目の新司法試験を受験しているので,今年の受験がラストチャンス。しかし,法務省から送られてきた今年の択一の順位は最終合格の目安である2000番を下回っていたことから,司法試験の合格はすっかり諦めていました。
私の体験記が複数回受験や,択一で思うような点が取れないときでもどうすれば論文で挽回できるかのヒントとしてお役に立てれば幸いです。
 

2 平成21年の新司受験
  私は2日目の試験の最中に高熱を出しました。試験の全日程終了後,病院でヘルペスと診断され,インフルエンザだった可能性があるとも言われました。試験の結果は不合格でした。
不合格という結果は当日の体調だけではなく,事前準備不足にあります。旧司で受かりたかったのだから法科大学院へは行きたくなかった,合格者も増えるし楽をして受かりたい,という甘えから新司の受験対策が不十分だったことが敗因です。私は1からやり直す気持ちで,合格答案が何かを知る(分析),合格答案を書く(実践)ことを目指しました。
 

3 今年の新司に向けて
(1)分析
  まずは合格体験記を読みました。読みまくりました。合格者にもどんな勉強をしたかを聞きました。過去問,出題の趣旨,ヒアリングの分析が重要だとは認識していましたが,どれぐらい分析していたのかについては突っ込んで聞きました。
  そして過去問,出題の趣旨,採点雑感,ヒアリングを,愛おしいと感じるくらいに読みました。出題の趣旨等には重要と思えるところにマーカーを引き,自分の手でまとめました。出題の趣旨は旧司時代から発表されましたが,法曹を目指す者に勉強の指針を示したい,という法務省からのメッセージでしょう。
  分析の結果,私は未知の問題に対し自分の頭で考えた,自分にしか書けないところに大きな配点がある,というイメージをつかみました。問われているのは個々の問題の知識ではなく,法体系の理解と,自分が理解していることを示せる表現力です。
(2)実践
  新司において起案の訓練は必須でしょう。私は週4から6通,過去問を中心に起案しました。起案は合格者,他の受験生に見せてコメントをもらい,自分でも再現答案,出題の趣旨,基本書の該当箇所をあたって自己添削をしました。コメントや自分で気づいた点は別紙にまとめて起案と一緒にファイリングし,再度起案する際に見直して起案するときに注意する点を確認したり,過去問の分析を深めたりするのに使いました。過去問はその都度目標を設定して起案し,自分が納得のいく起案ができるまで書きました。
  併行してインプットもやりました。起案をしているうちに,自分が本当に理解していることでなければ表現できないと感じたので,曖昧な理解で放置せずに気に掛かったことは自分でも調べ,合格者に質問,受験生と議論しました。そして,腑に落ちたことも起案上に表現できなければ意味がないので自分の手でまとめていました。
(3)戦略
  足りているところの強化ではなく,足りないところを埋めるのが受験勉強の王道だと私は思います。私は平成21年の新司では労働法,刑事系で6割程度得点し,埋めるべきは民事系,公法系でしたので,今年2月末まではほぼこの2つしか論文対策をしていません。特に民事系は要件事実の強化が必要と感じたので,問題研究を読んで自分の手でまとめました。基本書の使いこなしが重要と旧司時代から感じていたので,難易度の高い本は使いませんでした。
  また,徹底した自己管理を行いました。何をやったか,何をやるべきかのスケジュールだけでなく,敗因分析,合格者の話,合格答案のイメージ,過去問・出題の趣旨から見えた各科目で問われるテーマ,起案して気づいた注意点,現時点で何が足りていないか…思いつくままに書き出し項目をつけて一冊にファイリングし,常に持ち歩き見ていました。そして,その時々で自分の現状から優先順位の高い項目を前のページに入れ替え,合格のイメージを意識し続けました。
 

4 今年の新司当日を振り返って
  試験時間中,全てが自分の味方をしてくれている,という不思議な感覚がありました。未知の問題が多く出題されましたが,問題となる条文が目に飛び込んできたり,スタ論の問題の意識と似ている,授業でOOさんが発言した,といったことが頭に浮かんできたりして何度も助けられました。
  構成段階と異なる記載をしたところ,それが間違っていたという失敗もありましたが,まっさらな気持ちで問題文を読み,事実から問題点を引き出し,自分が作った法体系の言葉で堂々と書く。そんな度胸で乗り切った気がします。
 

5 予備校の利用
  司法試験は全国規模で行われますから,他大学の受験生も交えて切磋琢磨できる場である予備校を利用するのは有益です。私は新司の2回の受験とも辰已のスタンダード論文答練を受講しました。点数,順位も気になりますが,復習が大事です。私は優秀答案の得点表と自分のものを比べ,自分が差をつけられている項目がどこなのかを分析しました。また,合格者のコメントも貴重な意見として読みました。
  全国模試も有益です。今年は自分のスケジュール上,受講できませんでしたが,直前期になって自分の客観的な位置が分からず不安になったことから,受講した方が良かったと思います。
また,辰已の条文判例本は択一に特化されています。択一はこれに特化した教材を使うのが効果的だというのが私の旧司時代からの実感です。私は辰已のスタ短,新司総択で間違った条文,判例にマーク付けし,情報の一元化を図りました。
 

6 結び
  今年,ラストチャンスの3回目の試験に賭けたのは,過去問等の分析により司法試験が求めているものが何なのかをつかんだ,という感覚になれたからです。自分が作った法体系でどんなアプローチをすればいいのか楽しみ,という心境でした(本試験ではいろいろとヒドい目に遭いましたが)。また,私にはきっと良いことが起こるに違いない,と確信していました。良い思いこみは良い現実を呼び起こす原動力です。
  法科大学院入学前からずっと旧司を受けてきましたが,特に正義感を振りかざそうというわけでも,キャリアウーマンに憧れたわけでもありません(そんなものよりも…)。制度が変わっても司法試験を受けた根底には,日本で一番難しい試験に受かってみたいという気持ちがあったからかも知れません。こんな私の体験記ですが,皆様のお役に立てればと思っております。

  
■年齢:25歳
■出身大学:明治大学法学部
■出身法科大学院:國學院大學法科大学院・未修コース
■新司法試験受験歴:1回
■旧司法試験受験歴:0回
 
1 はじめに
  私は,明治大学法学部を卒業後,國學院大學法科大学院の未修者コースに進学し,平成22年度の新司法試験に合格しました。
私は,大学では法学部に在籍していましたが部活に熱中しており,授業にもろくに出なかったため,法律の勉強を本格的に始めたのは,法科大学院に入学してからです。
以下,私の法科大学院在籍中の具体的な勉強等について,述べたいと思います。
 

2 法科大学院1年目
  法学部出身とはいえ,今まで法律の勉強をきちんとしていなかったため,1年目は学校の授業についていくので精一杯でした。毎日,授業の予習に追われ,十分に復習することができませんでした。それでも,しっかりと授業を受けることだけは心掛けました。
 

3 法科大学院2年目
  2年生になると,学校の授業が忙しくなってきました。この時期においても,特に新司法試験を意識した試験対策といえることは行っていませんでした。授業を中心に,法律の勉強をしていたという感じです。
 

4 法科大学院3年目
(1)前期の勉強
  私が具体的に試験を意識して勉強を始めたのは,3年生の4月からでした。1つ上の学年の方々が自習室からいなくなったときに,いよいよ自分たちの番が近づいてきたなと感じて,試験を具体的に意識するようになりました。
  まず,私が取り組んだ勉強は,辰已の肢別本や過去問を利用した短答の勉強でした。私は,過去に司法試験を受けたことはなく,基本的な知識・論点の理解が足りませんでした。基本的な知識は,論文を書く上でも大前提になると考えたので,まず,そこを押さえることにしました。肢別本は,短答問題を肢ごとに分けてあり手軽にできるので,非常に便利でした。
3年生の前期に行なった試験対策といえるものは,この短答の勉強と,授業をしっかりと受けるということのみです。
(2)後期の勉強
  ア 論文対策
  3年生の後期になると,旧司法試験の論文過去問を1日1問,時間を計って書くようにし,書いたものを友人と見せ合い,お互いの答案を批評し合いました。ここでは,実際に書きながら,論点,制度等についての理解を深めていくようにしました。
  このような勉強は3年生の2月くらいまで続け,3月から受験までは,短答の勉強との兼ね合いもあったので,毎日,論文を書くということはしませんでした。しかし,論文を書く感覚は維持したかったので,直前期にも,1週間に1問程度,実際に論文を書くようにしていました。
  また,私は,辰已のスタンダード論文答練の第1・2クールを受講し,本番と同様の時間配分で論文を書くという練習も併せて行いました。ここでは,4時間(民事系第1問は2時間,選択科目は3時間)という時間の使い方について体験することができました。スタ論では,自分の答案を第三者に添削してもらうことで,自分の答案の長所・短所を指摘してもらうことができたので,非常に有益だったと思います。
  イ 短答対策
  短答式については,前期から引き続き肢別本・過去問をやっていましたが,1月からは辰已のスタンダード短答オープンの第2クールも受講しました。スタ短は,解説書において問題となっている条文の趣旨等がしっかり記載してあり,充実した内容だったので,間違えた問題は解き直して,きちんと解説を読んで理解するようにしました。
 

5 卒業後
  卒業後は,学校の自習室を使えない間は大学の図書館を利用しながら,基本的な条文,論点,定義等について勉強していました。試験直前になると,自分の不安な部分ばかりが見えてきて,勉強の手を広げたくなってきました。しかし,先生方や先輩,友人から,とにかく条文,定義,趣旨といった基本的な知識について正確に理解すべきであるというアドバイスを受けたので,今までやってきた勉強の総復習をしました。特に,辰已のえんしゅう本は,問題数がそれほど多いわけではなかったので,私にとって,直前期にすばやく全体を見直すためには有用でした。
  また,4月には,辰已の全国模試を受けました。辰已の全国模試を選んだのは,今まで辰已の答練を受講していたからということもありますが,最大の理由は,受験者数が多いということです。直前期ではありますが,常に自分がどの位置にいるかを把握することは大事なことだと思うので,受験者数が多い点が魅力でした。また,全国模試では,本番と同じ会場を使用することができるので,会場までの移動時間や,会場での過ごし方等,司法試験の予行演習ができました。
 

6 具体的な勉強法
(1)論文
  基本書等については,私は漫然と読んでしまうところがあるので,1年生時の学校の講義の場合は除き,論文対策としては,基本書等を通読するということはせず,実際に問題にあたって論文を書くということをしていました。問題を解く際に論点について自分で考え,その上で分からなかった点などを確認するために基本書等を読むようにしていました。その際,論文を書く上では,百の不確かな知識よりも,一の正確な知識が求められていると考えたので,基本的な論点といわれているところについては,より正確に理解するように心がけました。
また,実際に論文を書いていくと,頭の中では分かっていることでも,文章で表現することは非常に難しいということに気づきました。なので,最初のうちは,論文の体をなしていないようなものばかりでしたが,毎日論文を書くことで,少しずつではありますが,頭にある知識を文章で表現できるようになっていきました。
  そして,毎日論文を書いているうちに,@三段論法をしっかりと意識して書くこと,Aあてはめは説得力を持たせるために丁寧にすること,B聞かれていることだけに答えること,C読みやすい文章にすること,ということについて,答案作成の上で意識していくようになりました。
(2)短答
  短答については,ただ問題集を解くのではなく,論文を意識した勉強をしないと間に合わないと思ったので,論文でも表現できるように意識しながら,解説部分をしっかり読み,それでも分からない場合には,基本書,百選の該当ページ等を読むようにしていました。
 

7 最後に
  自分の勉強を振り返って良かった点としては,実際に論文を書いたということです。最初のうちは論文を書くことが面倒だと思いましたが,実際に自分の言いたいことを文章で正確に表現することは難しいことなので,論文を書く訓練をしたことは,自分にとっては良かったです。
また,私は,合格するには,当然かなりの勉強量をこなすことが必要になると思っていますが,それに加えて,その勉強は自分に合った適切なものであることも必要だと考えています。ですので,早く自分に合った勉強方法を見つけることが,合格への第一歩になるのではないかと考えています。
  勉強方法については十人十色だと思うので,私の勉強方法も方法論の一つに過ぎません。学校の授業,予備校の講座や,先生・友人のアドバイス等をうまく利用して,早く自分に合った勉強法を見つけて下さい。
私の体験が,皆様のお役に立てれば幸いです。

  
■出身大学:一橋大学法学部
■出身法科大学院:一橋大学LS・既修コース・2008
■新司法試験受験歴:1回
■旧司法試験受験歴:0回
 
1 自己紹介
  私は,早くから法曹を目指しており,一橋大学の法学部に2004年に入学し,大学時代は1年次に辰已の入門講座に通い一通りの体系的理解と基礎的な法律の知識をつけることができました。個人的にはお勧めの講座でした。しかし,その後サークル活動に熱中して,しばらく法律とは無縁の学生生活を送りました。そのため,旧試験は未受験です。大学3年の年明けくらいから,焦りだして勉強し2008年に一橋のLSに入学し,2010年に一橋大学LSを卒業して,今回無事に新司法試験に合格することができました。
 

2 法科大学院1年目(2年次)〜法科大学院2年目(3年次)9月まで
  一橋のLSは授業の予習と復習が非常に大変でしたので,基本的に授業の予習・復習しかできませんでした。
 

3 法科大学院2年目(3年次)9月〜卒業まで
  まず,論文に関しては,辰已のスタ論第1クールと第2クールを受講し,解説講義を聴きながら,その解説講義中に復習ノートを作成し終えるという作業を続け,論点を網羅することに努め,学校では民法と民訴の旧試と会社法事例演習教材を書くゼミを週1で,事例研究行政法を書くゼミを2週間に1度行い,論文を書く練習をし始めました。同時に,新司法試験の過去問を解いて分析する ゼミを週1ではじめました。
  また,択一に関しては,辰已の肢別本を回し始め,その定着をスタ短の第2クールで確認していくようにしていました。
 

4 卒業〜新司法試験まで
  まず,論文に関しては,刑事訴訟法の捜査の部分と会社法と憲法は判例百選の規範のまとめを行い,自分が論文を書く上で知識に漏れがないかをチェックしました。また,刑法は筋を間違えることがたまにあり,それがとても怖かったので,事例演習教材を答案構成して刑法の筋の見極めを行う訓練をしました。憲法は比較的得意だったので,さらにエッセンスの効いた味のある答案を目指して宍戸先生の法学セミナー連載の問題の答案構成をしていました。同様に,刑事訴訟法も比較的得意だったので,新実例刑事訴訟法を熟読して,ワンランク上の答案を目指しました。行政法は訴訟類型ごとに要件と定義と論点をまとめ,自分の知識に漏れがないことを確認しました。同時に,選択科目のゼミを週1で行いました。
  そして,択一に関しては,この時点で足きり確実な点しか模試などでとれなかったため,一日5時間くらいを目安に,各教科百選と肢別本を回し,模試で間違えた問題を解くという作業を繰り返していました。
 

5 私のお薦め勉強法
@ 計画の立て方
  私は飽きっぽい性格なので長い時間勉強するのが苦手でした。それなので,無駄なことをしない勉強法を心掛けていました。かなり時間をかけて慎重に各教科やることを厳選して,常に今やっている勉強が自分のどこをきたえるためにどう役立っているか意識するようにしていました。
  計画はなるべく大雑把に立てるようにしていました。あまり細かく立てると予定通り行かなかったときに無駄にいらいらするからです。私は各教科ごとに1回やればいいことと,繰り返しやることを,重要な順にリストにして,それをやりおえたら横線で消していくようにしていました(達成感が得られてお薦めです)。全体のバランスをみながら進み具合によって,例えば答案を書く予定のものを答案構成を書くだけにとどめるというような,予定変更を臨機応変にやっていました。
  さらに,勉強時間を維持するために,私は一日何時間勉強するか決めて(私の場合週6日間は8時間,週1日2時間ですが,平均より少ないのでもう少し長めに設定したほうがいいです),その日勉強した時間を日記に毎日記録していました。そして1週間で集計してプラス収支となるかマイナス収支となるかを見ていました。時間を書かなければいけないというプレッシャーでさぼりがちになる自分を律していました。
A 肢別本の使い方
  先輩に勧めてもらった方法なのですが,まず右側だけを1冊さらっと読んでしまってから,次に左側を1冊解くという方法で繰り返し回しました。私は択一がとても苦手で,左側から解こうとしても全くわからず勘で○×を付けるだけになってしまい,全く時間の無駄になるのですが,右側をまず読んでから左側を解くと意外に解けて,しかもいい気分で1冊を回せるという点が利点です。判例六法などで勉強する人も多いかと思いますが,判例六法の場合どれだけ読めばどのくらいできるようになるかが不透明なのに対して,肢別本の場合は目標を間違い肢をなくすという点に設定することができ,そうすれば本試験で280点くらいは取れる(先輩談)らしく,実際私も間違い肢をすべてなくすところまで行けませんでしたが280弱くらいは取れたので,お勧めです。ただし300点以上欲しい人は条文の素読なども必要になってくるとは思います。
B スタ短の使い方
  私はスタ短の解説は聞かずに,問題を解いた後その日中に復習して,間違えた問題を条文判例本に書き込み,間違えた問題だけ切り離してリングにストックしていました。その日中に復習をしないと,記憶が薄れて復習に凄く時間がかかってしまうからです。そして,リングにストックした間違えた問題は,肢別本を回すのに飽きたときなどに解き,正解できたものから捨てていきました(この思い切りのよさが結構大事です)。新司法試験まで本当に時間がないので正解できたものをもう一度解くような時間的余裕はなく,それならもっとやらなければならないことがたくさんあるからです。こうしていけば,問題がどんどん減っていくので,回すのも早くなっていき効率的です。
C スタ論の使い方
  私はスタ論の場合は解説講座をとっていました。そして,その解説講座を聴きながら,復習ノートを完成させ,その日中に復習を完了させることを自分に課していました。後でやろうと思って家に持ち帰っても,絶対復習などできないことがこれまでの経験から明らかだからです。なので,問題を解き終わったら,その場で絶対に復習ノートを完成させるべきだと思います。具体的なノートの作り方については,これも先輩のアドバイスに従ったのですが,自分があやふやだったもしくは間違った論点や判例について,項目を立てて,重要なキーワード部分を穴埋め問題にするという形で作成していました。だいたい,1問の問題を解いたらルーズリーフに2〜3枚くらいの復習ノートができあがるという感じでした。そして,後で穴埋め問題を自分で解き,2度目の復習が終わるという形で,どんどん回すようにしていました。これなら,復習が簡単にできるのでやりっぱなしということがなく,お勧めです。
  また,添削されて返却されたものも,きちんと読んでいました。私はゼミでも友人同士で添削し合っていましたし,皆さんもそれで十分ではないかと思う人がいると思います。しかし,気の知れた仲間同士でやると,相手のくせや考えの道筋,ひいては頭の良さ・悪さもわかってしまい,その先入観が,本当は読みづらい文章を,深い考えに基づいて書いているのではないかと思って何度も読み直して理解させてしまうことなどがあったりするのではないでしょうか。なので,自分のことを何も知らない人に,さらっと一読して意味がわからないと思う文章を指摘してもらえる,という点で添削は大いに意義があると思っています。実際司法試験も,自分のことなど何も知らない人が膨大な数の論文を読んでいる中で評価する訳なので,この点でとても有意義だと思います。
D 全国模試の使い方
  私は,全国模試は本番だと思い込むことからスタートしました。本番と同じ会場がある日程に申し込み,本番と同じようにかなり早めに会場に行き,電車の混み具合やコンビニの有無などをチェックしました。また,椅子やテーブルの長さを測り,座布団や時計の大きさを確かめたりしました。また,中日には,マッサージに行くなどして,中日の過ごし方も本番に合わせました(もっとも,この経験から中日にマッサージに行くより,2日目の最後に行くほうがいいと考え,本番では2日目の最後にマッサージに行きました)。マッサージに行く予定の方は,本番と同じようにマッサージも予行演習しないと,もみかえしがきてしまうと危険です。さらに,意外におなかがすくこともわかりましたので,本番にはお茶のペットボトルだけでなく,ウィダーをアクエリアスで割って(ポカリスエットよりアクエリアスで割る方がおいしかった)ペットボトルに詰めたものを持って行きました。
E 旧試の使い方
  私は民法2問と民訴の一行問題ではないほうの1問を,直近からさかのぼって平成12年くらいまで約10年分解きました。旧試を選んだ理由は,民事系の答案を書くいい教材がなかったことと,平成に入ってからの民事系の問題は問題文が長く,法律構成も複雑で新司に通じるものがあるからです。論点的にも一通りさらうことが出来,しかも,新司法試験よりも複雑な法律構成の問題が出ているので,問題の道筋を読むという力をつけるのに非常に役に立ったと思います。
  私は手が回りませんでしたが,刑法や刑事訴訟法も役に立つという話を聞いているので,過去10年分くらい答案構成程度はやってみるほうがいいかと思います。
 

6 最後に
  いくつもの日々を超えて,いまここにたどり着いた皆さん。これから受験勉強という新たなステージに進むわけですが,いま皆さんはたくさんの合格体験記を読んだり先輩の話を聞いたりして,受験勉強の方向性を決めるときにきています。勉強の方法や方向性は本当に多種多様で,話を聞けば聞くほど迷いが出たりもするものです。もちろん,方向性を決めるのには凄くたくさんの時間と労力をかけていいと思います。しかし,実際方向性を決めてからもこれでいいのか,と悩んだり不安になったりすることがあるでしょう。でも,この時期にいろいろな話を聞いて,いろいろな体験記を読んで決めた方向性は,自分仕様の最高のものになるはずです。ですから,一旦決めたからには,もう迷わずに,最後まで自分を信じてやりきってください。直前に自分の方向性を不安に思ったりすることは,実際方向性が間違っていることよりも,危険なのですから。
  皆さんに栄光あれ。

 
 
 
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