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■公開: 2016年09月08日
■更新: 2016年09月23日

■INDEX
 2016年最新合格者体験談
  →野村 卓矢さん 東京大学法科大学院既修コース,2016年卒業/司法試験1回目合格
  →冨永 勇樹さん 東京大学法学部 2015年予備試験合格/司法試験1回目合格
  →佐々木 陽一さん 中央大学法科大学院未修コース,2014年卒業/司法試験3回目合格
  →星野 天さん 上智大学法科大学院未修コース,2015年卒業/司法試験2回目合格
  →木村 萌さん 中央大学法科大学院未修コース,2015年卒業/司法試験2回目合格
★2015年 司法試験合格体験談はこちら
  

1に条文,2に判例,
3,4がなくて,5に辰已


PROFILE
2016年 司法試験合格者 
野村 卓矢(ノムラ タクヤ) さん

1

出身大学・学部 名古屋大学法学部

2

東京大学法科大学院既修コース,2014年入学2016年卒業

3

司法試験受験歴 1回

4

受講歴

 

2016司法試験公開模試
 
1 司法試験の受験を決意した経緯

 

 私が弁護士を志したのは中学卒業の頃だったと思います。その頃はなんとなく,社会に過度に拘束されない職業という理由で志していたように思います。その後,高校では文系科目が得意だったことから志望は変わらず,法学部へ進学。それまでは「ただ何となく」弁護士になりたいと考えているだけでした。しかし,学部2年時に大手商社の法務部にインターンシップに行く機会があり,そこで初めて触れたビジネスローの面白さに感銘を受けました。そして,その機会から,自己の進路として本気で司法試験の勉強を開始し,ビジネスローヤーとして活躍することを目指し始めました。
   
2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)
   私は学部時代,法律の勉強を主に行うサークルに所属しており,そこの先輩・同輩がほとんど司法試験対策予備校を利用していなかったため,私も全く予備校を利用しませんでした。そのせいもあって,確たる勉強方法が分からなかった私は,ひたすらサークル部屋へ通い,基本書を読み漁っていました。当時は判例学習の重要さに結局最後まで気付かず,学説的なことばかり追求していたように思います。学部3年時後半からは友人と勉強会を開始し,何通か答案を書いたものの,それも憲法・民法・刑法のみ。このような状況で下4法の試験もある東京大学ロースクールに合格できたのは,まさしく“奇跡”であったと,今でも思います。
   
3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)
   学部時代,愚かしい勉強方法ばかりしていた私は,ロースクールで予備試験合格を目指す優秀な同輩から様々な刺激を受け,ようやく司法試験の実質的な対策を取り始めました。
基本的には,判例学習を中心に切り替え,まず判例百選をとにかくマスターしようと努めました。百選掲載判例は全て3週以上読み,同様に百選の解説も(厳選した部分はありますが)2回3回と読みました。百選学習と並行して行っていた,司法試験の過去問を解く勉強会でも,百選をマスターすることの効果は如実に感じることができました。勉強会は,論文の書き方を見極め,あてはめ部分における他の人の事実評価等を参考にできる,大変よいものでした。意見を交わすことによって,自分がしていた根源的な勘違いなどに気付くこともできるなど,その効用は大きく,これなしでは合格は覚束なかったように思います。
短答は,辰已の短答過去問パーフェクトをやりこみ,同じ問題が出たら絶対に間違えないというレベルまでもっていきました。といっても,百選によってある程度の知識は付いていたので,短答プロパーの知識部分だけで済み,負担は少なかったです。
   
4 辰已講座の利用方法とその成果
   取った講座は,2016年司法試験全国公開模試です。受験生としては,模試は必ず受けるべきだと思います。試験当日と同じ受験会場,同じ日程で類似の内容の試験を受けておくことは,当日のメンタルへの負担を確実に減らしました。辰已の全国公開模試は解説や採点表等が充実しており,直前期の弱点発見及び復習に大変役立ちました。添削内容も概ね納得できるものでした。模試では,本試験過去問に比べて論点が多すぎる問題が散見され,当初は「本試問題と的中と言いたいがためにわざと論点数を処理できないほど盛っているのではないか」などと邪推しましたが,ふたを開けてみれば,今年度の司法試験は例年に比して問題の量が多く,処理能力が多分に要求された試験であり,辰已の先見の明に驚かされました(論点的中如何より,この点をもっと誇ってもよいのではないかと個人的には思います)。
   
5 私がやって成功した方法
   私は,二度手間が大変嫌いであり,自分の持っている本に書いてあるものを別の媒体に書き写す作業がとても嫌いです。よって,まとめノートを1から作るなどということは考えられませんでした。そんな私は,「最も書き写すべきことが載っている本」に一元化することによって,極力効率的に「復習用教材」を手に入れることにしました。すなわち,判例百選への全ての情報の一元化です。判例百選の判旨・解説は,司法試験に大変有用な情報に溢れており,百選の余白には,理解しにくい論証例や,解説には載っていない定義・関連判例についての覚書をつらつら記載する程度で,一元化は大方完了しました。
短答プロパーの知識については,別途判例六法などにまとめました。まず,司法試験の学習に当たっては1に条文なので,マーカー等を使った条文の素読から始めました。次に,短答の問題を解いて,気付いた点・誤った理解をしていた点を六法にチェックしました。このような作業を進めていく内に,六法のどのページのどの部分にどのような情報が載っているのかというところまで自然に頭に入ってきました。ただ,短答プロパーの知識は短答パーフェクトの方にも詳しい解説付きで載っており,余白も多いそちらに一元化するという方針も考えられると思います。
以上の各作業が終わった後は,出来る限り多くの問題に触れ,どのような問題がきても既存知識を応用させて解くという訓練を行いました。これにより,本試験に対する不安はかなりなくなりました。
   
6 私が使用した本(辰已)
   受験対策として使った辰已書籍は,前述したように短答過去問パーフェクトシリーズです。短答過去問パーフェクトシリーズは,過去問の出題形式そのままであるため実際の問題を解く感覚を掴めること,詳細かつ適切な解説が十分な量掲載されていることに強みがあると思います。詳細な解説は論文対策にも有用であり,このシリーズの問題と解説を覚えることも相当効率的な学習方法の1つだと考えます。
私は,この短答過去問パーフェクトシリーズを百選と併用して使いました。具体的には,百選による学習ではカバーしきれなかった知識を問う問題の解説にマーカーを引き,ふせんを貼ってすぐに見直せるようにしました。この措置は本試験の際大きな効果を発揮しました。すなわち,本試験では前に受けた論文式試験に際して百選の内容は全て覚えていたので,短答式試験前は短答過去問パーフェクトのふせんが貼ってある箇所をパラパラ見るだけで復習が完了しました。毎年,短答式試験では半数ほどが過去問でも出題されている問題で構成されており,これだけのインプットで短答8割は間違いなく超えると思います。
   
7 自己の反省を踏まえ,これから受験する人へのアドバイス
   私は,ロースクールの学習に,将来の仕事の下準備としての意義を感じていたので,司法試験に関係のない勉強もたくさんしました(この意識は学部時代からあり,学部時代も同じように過ごしました。)。例えば,司法試験の選択科目は,学部とロースクールを通じて全て一通り勉強しました。なので,今振り返れば,最初からキチンと勉強方法を理解し,司法試験の勉強一本に集中すれば,もう1年か2年早く実務に出ることができたのではないかと思えます。私は現状を後悔してはいませんが,早く実務に出られることを希望される受験生の皆さんは,私の二の轍を踏まずに,情報収集に力を入れ,早期合格を掴み取ってください。
  

基礎を極めた者こそが合格を掴む
~私自身の経験から~


PROFILE
2016年 司法試験合格者 
冨永 勇樹(トミナガ ユウキ) さん

1

出身大学・学部 東京大学法学部

2

2015年予備試験合格(現在東京大学法科大学院(既修)3年)

3

司法試験受験歴 1回

4

受講歴

 

2016司法試験公開模試,選択科目集中答練ほか
 
1 司法試験の受験を決意した経緯

 

 私は大学に入るより前から司法試験を目指すことを考えていたわけではありませんでした。もっとも,法学部に入学するにあたってあらかじめ勉強を始めておきたかったのと,漠然と法曹になってみたいという憧れがあったため,大学1年時から法律の勉強を始めました。当時の私の法曹に対するイメージは,自分の信念に従い自由に仕事ができる職業だというもので,他者に縛られない,誇りの持てる仕事ができるというものでした。そうした法曹像に憧れを持ったことが,司法試験の受験を決意した一番の要因でした。
   
2 予備試験合格までの学習状況
   私は,4年半の勉強で予備試験に合格することができました。そこにたどり着くまでの勉強方法は以下のようなものでした。
 1年目は,いわゆる基本論点と呼ばれる基礎的な事項を叩き込み,それ以外に特別な勉強はしていませんでした。とはいっても7科目もあるため,量が多くそれ以外に何かやる余裕はありませんでした。今になって思えば,ここでの勉強量や勉強の質の高さは,その後どれだけ早く試験に合格できるかを決めると思います。なので,1年目の勉強は大切に,周囲と相談しながら正しい方向でやってほしいと思います。私が心がけていたのは,1日に多くの内容をやりすぎないこと,そしてその日にやった内容をその日のうちに復習することでした。一気にたくさんやっても,それをすぐに忘れてしまい,かえって時間の無駄になってしまうと考えたからです。移動時間等の細切れの時間であっても,その日にやったことが多くなければ,復習は可能なので,こうした時間を有効に使うといいと思います。
 2年目からは論文の勉強を始めました。過去問や多くの受験生が使っている教材を素材として,その問題でどのような論点が問題になるかを考え,解説を読み込むようにしました。1年目にやった基礎的な内容がしっかり消化できていれば,この勉強はそれほど苦ではなかったかもしれません。ただ,私は大学の授業等が忙しかったこともあり,1年目にやった内容につき,十分な復習ができていませんでした。そのため,論文を書けるはずもなく2年目の勉強は本当に苦労しました。自分のように基礎的事項の復習ができなかったという方は,短答の問題を解くなどして,基礎知識の補充をしっかりやってほしいと思います。
 3年目になると,それまでの勉強の成果が現れてきました。私は3年目に初めて予備試験の短答式試験を突破し,論文式試験を受験しました。その結果が思いの外良く,合格まであと3点でした。後から思えばこれは1年目に勉強した基礎的事項を素直に表現できたからだと思います。ただ当時の自分は,あと少し足りなかったのは応用的な知識・考え方だと思ってしまい,多くの論文を読んで難しい学説を学ぼうとするなど,基礎から離れた勉強をするようになってしまいました。今なら断言できますが,これは全く間違った考えです。
 その結果,その翌年(4年目)の論文式試験もほぼ同じ点数で不合格となってしまいました。この原因は,1年間基礎から離れた勉強をしてしまったからです。これがなければ間違いなくあと1年早く合格できたと思います。ですからこの体験記を読まれている皆さんには,実力が付いてくる3年目以降も,1年目に勉強したような基礎的な事項から離れないで勉強してほしいと思います。例えば判例百選や著名な基本書を読み返してみるなど,基本的事項を再度確認し直すような勉強をすべきです。
 こうした反省から2回目の論文式試験に落ちた後(4年目後半~5年目)は,1年目に使った教材を見直したり,判例百選を読み直すような勉強にシフトしました。
 そして遂に,5年目にして予備試験に合格することができました。
   
3 予備試験合格後の学習状況
   予備試験合格後,司法試験まではわずか半年しかありませんでした。そこで,司法試験であっても基本的な部分は予備試験のための知識で十分と考え,選択科目の勉強と,司法試験の形式に慣れるために過去問を解いたり,答練を受けるといった最低限のことのみに注力しました。
 選択科目の勉強についてはロースクールの倒産法の授業の復習をしっかりやり,年明けから過去問と辰已の選択科目集中答練を使った対策を行いました。選択科目はとりあえず基礎知識を詰め込んだうえで答練を受けるのみで対応できると思いますし,現実的にそれ以上のことをやる時間はないと思います。
 基本7科目については予備試験までの勉強と同じく,基本的知識の確認をするにとどめました。もっとも,答案用紙の量が2倍になることから,答練を受けながら時間配分や形式面で司法試験の形式に慣れるよう心がけました。個別の科目について言うと,行政法と商法については予備試験と司法試験の難易度の差が大きいので,この点については過去問を解くことによる対策が必要であると思います。その他の科目については,問題量以外の面で大きな違いがあるとは思いませんでした。
   
4 辰已講座の利用
   私は主に答練関係の辰已の講座を利用しました。特に役立ったのは選択科目集中答練と全国公開模試です。
 選択科目については絶対的に演習量が足りないうえに,辰已以外に充実した答練がなかったので,この講座は取って本当に良かったと思っています。基本的事項が中心ですが問題の質は高く,実力を1ランク高めてくれた講座であったと思います。何より他の人より多く答案を書いたという事実が自信につながりました。
 全国公開模試については最大規模の模試ということで自分の位置を客観的に知ることができたことがよかったと思います。辰已の模試の問題は全体的に基本的事項が多く,他の予備校の模試に比べて難易度は高くないのですが,それは近年の司法試験の傾向に沿ったものであると思います。実力のある方には物足りなく感じるかもしれませんが,結局合否を分けるのは基本問題なので,ちゃんと思った通りの点数が取れているかを確認する絶好の機会と言えます。
   
5 受験におけるスケジュール管理について
   私はあまり勉強時間を長くしないようにしていました。多い日でも8時間,普通の日は6時間程度に抑えるようにしていました。もっとも勉強をしない日は絶対に作らないようにしていました。
 なぜなら,質の高い勉強を短時間でやる方が効率が良いうえストレスも感じないと思いますし,1日サボると元に戻すのに数日かかると考えていたからです。
 皆さんにも短時間かつ継続的な勉強をお勧めします。
   
6 私が使用した本
   私が特に使った辰已書籍として辰已専任講師・弁護士 西口竜司先生の革命本シリーズの伝聞証拠編があります。私は,予備試験本番で伝聞の基本問題を間違え,途方に暮れていたところでこの本に出会いました。伝聞の基礎から最難関の司法試験の問題まで網羅されているにもかかわらず極めてコンパクトで読みやすいので非常にお勧めです。伝聞の問題は頻出なので苦手な方は是非この本を使ってください。それ以外に伝聞の勉強をする必要はないと断言できると思います。
   
7 皆さんへのアドバイス
   私の受験勉強を振り返って皆さんに1番言いたいのは,やはり基礎の勉強こそが大事なのだということです。基礎を怠れば合格は遠のきますが,基礎だけ固めれば合格がぐっと近づきます。それは私自身が体験してきたことです。ですから皆さんも基礎勉強に心血を注いでほしいと思います。
   
8 先輩合格者としてのアドバイス
   合格する人に共通しているのは,基本的事項が自らの血肉になっていることです。上位合格者は多くの知識を知っているのではなく,持っている知識の精度がきわめて高いのです。ですから,合格を目指す皆さんは,知識を増やそうとするのではなく,何度も基本事項の復習をしてその精度を高めるようにしてください。
 

すべらない福田クラスの受講方法


PROFILE
2016年 司法試験合格者 
佐々木 陽一(ササキ ヨウイチ) さん

1

出身大学・学部 北海道大学経済学部

2

中央大学法科大学院未修コース 2011年入学 2014年修了

3

司法試験受験歴 3回

4

受講歴

 

2014年度 全国模試,スタ論第1クール,第2クール
2015年度 全国模試,スタ論第1クール,第2クール,スタ短第1クール,スタ短第2クール
2016年度 全国模試,スタ論スタート2016,スタ論福田クラス第1クール強化クラス,スタ論福田クラス第2クール,直前フォロー答練,最後の絶対にすべらない講義
 
1 学習の軌跡

 

(1)

法科大学院入学まで
学部在学中に事業再生に興味を持ち,司法試験受験を決意しました。
その後,1年ほどの勉強のあと中央大学法科大学院未修コースに入学しました。
 

(2)

 法科大学院入学後~1回目受験
主に講義の予復習を中心とした学習や過去問を全年度検討する自主ゼミをしました。また,辰已のスタ論と全国公開模試を受験しました。結果,1回目の司法試験は,総合742.94点で2205位(合格者1810人)でした。
  (3) 1回目~2回目
かなり知識が不足していたと思っていた1回目が僅差だったので,後は知識だけつければ合格するだろうと思いました。そこで,基本書を読む,判例集を読むというインプット系の学習をメインに行い,アウトプットとしてスタ論と全国公開模試を受験しました。結果,2回目の司法試験は,総合828.85点で1949位(合格者1850人)でした。
  (4) 2回目~3回目
もはや何をしても自分は受からないのではないかと思ったりもしましたが,多くの合格者や先生に励まされ3度目の受験を決意しました。
まず,再現答案を作成し合格者に見てもらうことから始めました。次に,合格者へインタビューを行い,合格者に共通する傾向と不合格者に共通する傾向の違いを分析しました。さらに,受験後から合否発表までの間,辰已専任講師・弁護士 福田俊彦先生のスタ論スタートを受講していたのですが,先生の講義は答練以外の学習全体について丁寧にご指導いただけるので,スタ論福田クラスも受講することに決めました。また,上述のインタビューにおいて,2回目受験で合格した友人の多くが福田先生の講義を推薦していたことも決め手となりました。
その後は,福田先生のご指導をそのまま実行しただけです。具体的には,短答対策は辰已の短答過去問パーフェクトの正答率の高い問題をつぶしました。論文対策は後述します。
その結果,今年3回目で合格しました。成績は,短答が,憲法33点,民法66点,刑法43点で総合142点(1012位)でした。論文が,公法116.20点(憲法A行政法B),民事175.94点(民法A商法A民訴C),刑事117.20点(刑法A刑訴B),倒産法32.74点でした。総合は915.67(1136位)でした。
   
2 すべらない福田クラスの受講方法
  (1)
総論
ここでは私が気づいた福田クラスの効果的な受講方法をご紹介します。
まず,総論的なこととして,福田クラスを受講するうえで必ず守ってほしいことが3つあります。それは,①優先度が高いものからやること,②自分がやりたいことではなく結果から逆算して今すべきことをやること,③自分がついていくと決めた講師等の言うことには素直に愚直に従う(下手に省略やアレンジしない)ことです。
まず①②についてですが,福田先生がやれと指導されるものにも優先順位はありますし,全部やる時間がないということもあると思います。そして,この優先順位は,受験生一人一人の状況で異なります。したがって,今の自分の状況を見極め,常に優先度の高いものからやる意識を持つことが極めて重要です。
次に③についてですが,福田先生の講義を受講していても,自分の勉強方法等に拘泥し,その指導内容を実行していない人が驚くほど多くいます。そこで,次項以降では私の経験上,重要なのに実行していない方が多い項目について挙げ,私の実践例をご紹介します。
  (2) 答練の自己採点と反省
答練後,コピーを取らずに提出し自己採点していない人はかなり多いように感じます。しかし,むしろ答練の本質は受験後の自己採点と復習にこそあると思います。
 私は,答練後,必ず自分の答案をコピーし自己採点していました。さらに答練の自己採点後,良かった部分と悪かった部分(課題)をノート(MicrosoftのOneNoteを使用)に列挙し,1つ1つの課題毎にその原因と改善策を考え,ルールブックとしてまとめました。このルールブックには,「~をする」のような積極的なルールと,「~してはならない」という消極的なルールの2つを,問題文読解時・答案構成時・起案時・その他の項目ごとにまとめていきました。これを,各答練や模試の前に読み,その答練での課題を確認し,答練後には達成できたかをチェックしました。これはかなり効果があったように思います。
  (3) 直近3年分の過去問の研究
よく福田先生が直近3年分の過去問を他人に教えられるレベルになれば受かるということを指導されています。私も,この直近3年分の過去問の徹底的な研究をしたことが,合格に最も役立ったと思っておりますので,私が実践した方法をご紹介したいと思います。また下記の作業中,気づいたこと等は適宜前述のルールブックにまとめました。
まず,各年度の問題(直近のものから)を本番と同じ条件で起案します。
次に,出題趣旨を読み,①自分の起案で触れることができた部分,②触れることができなかった部分,③触れる触れないというより他の年度でも共通するような普遍的抽象的なことを述べている部分に色分けします。
さらに,採点実感を読み,①「多くの答案が検討していた」「高い評価を与えた」のようにポジティブな意見を述べているところ,②「検討した答案は少なかった」「厳しい評価をした」のようにネガティブな意見を述べているところ,③その他普遍的抽象的なことを述べている部分に色分けします。
そして,辰已のぶんせき本等に載っている再現答案から,超上位答案(1桁順位等),上位答案(1科目60点ほど),平均合格答案(1科目50-55点ほど),不合格答案(1科目40点以下ほど)を1-2通ずつピックアップして読みます。その際は,問題提起と結論,法律論部分(理由と規範),あてはめ部分(事実と評価)に色分けしました。また,出題趣旨で書かれていることに触れているか,どの程度書いているかに注意して読みました。そしてざっくりと設問ごとに優秀・良好・一応・不良のどれにあたるかを考えました。
以上の作業が終わったら,もう一度問題文・出題趣旨・採点実感・再現答案を相互に比較しながら,趣旨のマークした部分毎に,どこをどう読んでどう考えれば気づけたのかを左の空白に,どの程度差がついたのかとそれはなぜかを右の空白に書いていきます。
これらの研究を直近3年分やった後,3年分の過去問を比較し,共通する傾向(要求される思考の傾向,ヒントとなる場所の傾向,差がつく部分の傾向等)を分析し,ルールブックにまとめました。なお,福田先生がおっしゃる直近2-3年分の問題・出題趣旨・採点実感・ヒアリングを常に携帯し読むということは,実践している人は少ないですが,騙されたと
  (4) 平成14年以降の旧司予備の答案構成
これは今年の本試験の傾向から考えると,今まで以上に重要度が増していると思います。こちらは直近3年分の研究とは異なり,1問1問にあまり時間をかけず,全体を何度も回すことが重要だと思います。
  (5) 上位答案を1日1枚時間を計って写すこと
これも実行している人は少ないですが,継続して行うと途中答案の防止や合格者の思考の流れを知るのに大変効果があるので,必ず毎日実行してください。
   
3 メッセージ
   試験に落ちると,「自分が受かることは絶対にないのではないか」という錯覚が強くなってきます。私自身,今年手応えを感じても,合否発表のその時までは不合格のイメージしか沸きませんでした。しかし,正しい努力をすれば必ず結果は出ます。また,私の今年の成績を見ていただければわかる通り,1科目くらい思いっきりすべっても合格するので,途中であきらめないでください。「幾度か辛酸を経て,志,初めて堅し」という西郷隆盛の名言がある通り,挫折を経験した人ほど合格の感動も違うと思いますので,がんばってください。
 

最後の最後まで手を抜かない。
努力する事を恐れない


PROFILE
2016年 司法試験合格者 
星野 天(ホシノ テン) さん

1

出身大学・学部 久留米大学法学部

2

上智大学法科大学院未修コース 2012年入学 2015年修了

3

司法試験受験歴 2回

4

受講歴

 

2016年度 全国模試,スタ論福田クラス第1/2クール
 
1 司法試験の受験を決意した経緯

 

 私は,人生で何か必死で取り組んだことがなく,一度くらいは一生懸命何かに打ち込みたいと考えました。そしてやるなら,難関な資格試験がいいと思って,当時勤めていた会社を退社し,上智大学法科大学院に入学しました。
   
2 リベンジ合格に至った経緯
   法学部を卒業していたのもの,大学時代あまり学校に行かず,遊びまわっていた為,法律の知識は脚色なしに「0」の状態でした。しかし,努力に努力を重ね,大学院の成績は常に上位をキープできるようになりました。私は「それなりにやれば司法試験もあっさり合格するだろう」と,司法試験を見くびりました。そこで,司法試験とは無関係な経済学や心理学の本や,自分の選択科目(環境法)以外の労働法,倒産法,租税法などを勉強し,卒業論文の執筆などに時間を費やしました。
結果として,必要な暗記が司法試験直前までに間に合わず,一度不合格となりました。失意の中,私の弁護士や司法試験に対する情熱は失われました。自分に残ったのは悔しさとみじめな思いだけだと思って自分を責め続けました。しかし,そんな中,自分に内定を出してくれた事務所の先生やまわりの友人,さらには親などは,司法試験に落ちてしまった自分に相変わらず,優しく接してくれました。
そこで,自分の思いはともかく,周りの期待,応援をふいにすることが出来ないと考え,必死で努力する事を再度決意し,司法試験から目をそむけない,自分のみじめさから目をそむけない。どんなことがあったとしても,手を抜かないと考え,リベンジを決意しました
   
3 失敗した原因について
   9月の不合格の発表を見て,しばらくは勉強する事が出来ませんでした。しかし,いつまでも,このままではいけないと思って,とりあえず辰已の司法試験論文検討会に出席して,不合格の原因を探ることにしました。
一回不合格になると,大学院生という身分が失われ,無職の状態となります。将来に対する不安で今にも爆発しそうな上,大学院の教授に質問できない環境となるため,すごく不利であると思いました。
しかし,辰已の論文検討会に出席して,周りにはこんなに仲間がいること,また分からないことがあれば講師に質問できる。これは,一度落ちた人にとって必要な環境だと思い,辰已のスタンダード論文答練(スタ論)福田クラス(辰已専任講師・弁護士 福田俊彦先生担当)に参加する事にしました。
結論として,今でも,一度目はなぜ不合格となったのかはわかりません。「勉強・努力が足りなかった」この一言に尽きると思います。つまり,精一杯努力して,不合格となったのであれば,原因を探ることに意味があるが,私みたいに,努力をしなかった方は,原因を探る時間があるなら,しっかりやるべく努力をやるべきです。
   
4 やるべき努力とは
  (1)
総論
そもそも,やるべき努力となんなのか落ちた直後の私にはわかりませんでした。
そこで,評判が良かったスタ論福田クラス(ライブ)を受講する事にしました。福田先生の講義は素晴らしいものでした。私の知らないテクニックや司法試験に対する考え方を教わりました。特に「総論レジュメ」は秀逸でした。私は福田先生の総論レジュメを自分の趣味である脳科学の見地から独自に修正を加えたものを自作しました。それをルーティンとして,答案練習会や模試,本番でも繰り返し行いました。
  (2)
短答
短答は一回目の司法試験の時にすでに,仕上げました。したがって,二回目の試験にはほぼ,短答の勉強はしませんでした。使用した教材は辰已の短答パーフェクトだけでした。これを切り刻んで,司法試験当日会場持って行きました。
短答パーフェクトはとにかく分厚いです。解説も長いです。したがって,人によっては必要以上に時間がかかってしまう弊害が生じる危険性があります。コツとしては,わかる問題は解説読まない。分からない問題も一度読んだら,解説のポイントに下線を引くことで,解説を読むのに時間がかかる弊害を防ぐことが出来ます。
  (3)
論文
論文について,一回目の司法試験の論文は4000番以上という絶望的状況でした。正直,周りから次も無理だろうと思われていました。しかし,前述通り何があっても目をそむけず,努力を続けると決意した私は,むしろこの順位をすごく良いものだと思いました。
つまり,今までの勉強方法では全く通用しない。全く別の勉強方法で勉強すればいいと思いました。
そこで,私は,辰已の趣旨規範ハンドブックの中でも基本と思われるものをひたすら繰り返しました。趣旨規範ハンドブックも短答パーフェクトと同様分厚いので,分量が多くすべてをやろうとすると時間が足りませんでした。したがって,基本と思われる部分に絞ってやることによって,余計な勉強をしないことを徹底しました。
   
5 自己の反省を踏まえ,これから受験する人へのアドバイス
   初回受験の方も,二回目以降の方もぜひ,現実から目をそむけずに,努力してください。これは,天才ではない者が司法試験に合格する為に最低限の条件と思っています。
また,司法試験はすごく難しい試験ではありますが,合格するだけなら方法論で行けると思います。その方法論は,辰已の答案練習(スタ論)を利用するなどして,適切に自分の能力を客観的に把握すると共に,司法試験の本質を知ることにあると思っております。
もともと,予備校が嫌いな私ですが,一度司法試験に不合格したことをきっかけに,辰已の門を叩きました。そこで感じたことは,やはり司法試験を長年研究しているだけあって,自分が一から研究するより短時間で必要なノウハウを得ることができることです。
みなさまにおかれましても,必要に応じて,辰已の講座を取るなどして,司法試験に合格する為なら,手段を選ばない姿勢が重要かと思っております。
長くなりましたが,皆様が合格することを心より願っております。
   
6 使用した辰已の教材とその用法
  (1)
趣旨規範ハンドブック
論文の勉強はこの一冊決まりです。他の本を読む暇があるのでしたら,趣旨規範ハンドブックを繰り返し読むことをお薦めします。もちろん,自分なりのカスタマイズを行うこともすごく重要だと思います。繰り返し読むことで,知らず知らずのうちに深い理解を得ることができると思います。
  (2)
短答パーフェクト
短答の過去問集としては,短答パーフェクトが秀逸であると思います。解説がしっかりしていて,使い方によっては,論文の勉強にもなると思います。ただし,解説が長いため,毎度解説全部を読むのは非効率です。そこで,一度解説を読んだ際に,特に重要な部分については,下線を引いて,次回解説を読むときは下線を引いた部分のみを読んで時短を図ることをお勧めします。
 

リベンジ合格をするために最も大切なのは,
失敗した自分と向き合うこと


PROFILE
2016年 司法試験合格者 
木村 萌(キムラ モエ) さん

1

出身大学・学部 中央大学法学部

2

中央大学法科大学院未修コース 2012年入学 2015年修了

3

司法試験受験歴 2回

4

受講歴

 

2016年度 全国模試,短答完璧講座
2015年度 全国模試,スタ論第1クール,スタ論第2クール,スタ短第1クール,スタ短第2クール
2012年度 小論文対策講座
 
1 司法試験の受験を決意した経緯

 

 子供のころ,正義感が強く,担任の先生に「弁護士が向いてる」と言われてから,弁護士という仕事は漠然と頭の中にありました。中央大学法学部に進学,司法試験受験団体に所属したことをきっかけに,自分は弁護士になるのだなと思うようになりました。大学4年次にエクスターンシップで弁護士事務所で働かせていただいたことで,私も法律問題で悩んでいる方の力になりたいと強く思い,司法試験受験を決意しました。
   
2 リベンジ合格に至った経緯
   私は,1度目の受験の際に,4点足りず短答式試験不合格となりました。しかし,その後,辰已専任講師・弁護士 金沢幸彦先生の短答完璧講座を受講し,今年の短答式試験では20点以上点数をあげ,総合700番台で無事合格することができました。1度目の受験の際から,論文が得意だったこともあり,短答さえ通れば何とかとは思っていましたが,とにかく短答が苦手で,点数があがらず,2度目の受験をどうするか悩んでいたところで短答完璧講座に出会いました。これで点数があがれば・・・という思いでこの講座を受講したことが,合格への近道となったと思います。
   
3 失敗した原因について
   1度目は短答不合格であり,論文が採点されていないので,短答についてしか言及できませんが,失敗の理由は,論文ばかりを勉強しすぎて,短答に関しては質的にも量的にも勉強不足であったことだと思います。量的な意味では過去問をあまりに解かず辰已のスタンダード短答オープン(スタ短)だけに力を傾けすぎたこと,質的な意味ではただ解くことが目的となってしまい情報の一元化や〇肢や×肢の理由を分析できていなかったことが原因であると考えています。
   
4 原因の克服
  (1)
質の向上
まず,質の向上として「短答完璧講座」を受講しました。短答完璧講座では,どんな短答対策の書籍よりも詳細で,過去問に依拠したテキストを使用します。そしてそれに書き込みをしていくことで,金沢先生が常におっしゃっていた「情報の一元化」をするように努めました。ポイントに線を引くことや,授業で先生がおっしゃっていることを書き込むのはもちろんですが,過去問を解いたらその都度該当箇所に出題年度,何問目の何肢かを必ずメモしました。また,×肢については,どのように×肢が作られているかをメモすることで,本試験の×肢の作り方や癖をも一元化することができました。この作業だけで1日が終わるようなこともあり,最初の頃はこれでよいのかと焦ることもよくありましたが,過去問を1周すればすべての情報が一元化でき,2周目からの復習のスピードが飛躍的に上がりました。また,過去問に多く出ている事項やひっかけ方が一目でわかるようになり,出やすいところを重点的に学ぶことができるようになりました。
また,過去問を解き,間違えた問題について,正しい答えは何かを自分で基本書や六法で調べて発表するという短答ゼミを週に1・2回開いて仲間と勉強することで,間違えた問題についての理解が深まりました。
  (2)
量の向上
短答不合格となり,スタ短は良い問題なのですが,本試験より難易度が高いと感じました。したがって,まずは過去問を完璧するという目標の下,前年度で満点がとれるまで過去問を解き,辰已の短答パーフェクトで学びました。最初の頃は,前述したように,一元化作業をしながらだったのでとても時間がかかりましたが,何周もしていくうちに,間違いが減っていき,最後は満点が取れるまでになりました。
直前期は辰已の肢別本を2周しました。1回目の受験の時は,最初に肢別本を解いていたため,その量の多さとあまりの間違いの多さに気持ちが萎え,早々に挫折してしまっていたのですが,新司を完璧にしてから解くことで,間違いも少なく,挫折せず2周回すことができ,知識のブラッシュアップもできました。
   
5 その他の試験対策
  (1)

論文対策
論文対策としては,過去問や前年度の辰已のスタンダード論文答練(スタ論)を使って,常に書く練習を怠らないようにしました。また,民法については旧司化が進んでいるという印象を受けたことから,「読み解く合格思考民法」を使って,旧司を解くようにしました。この本を使うことで,今までとっつきにくかった旧司に比較的軽い気持ちで取り組むことができ,旧司特有の請求から考えさせるという問題への耐性や考え方を学ぶことができました。そのおかげで,今年の司法試験の,請求から立てさせる形式の問題にも落ち着いて対応することができたと思います。
  (2)
全国公開模試
辰已の全国模試は,受講生が多く,皆が同じ問題を時間内に解くため,未知の問題への対応力を相対的に図ることができる非常に重要な機会だったと思います。1年目の結果は短答肢切りでE判定,今年度は上位4%程度でA判定で合格しているので,客観的な指標の制度としては信頼がおけると感じています。
また,この辰已模試で上位をとることができると,少し安心して本試験に臨むことができます。私は本番の会場にも辰已模試の結果票を持っていくことで,自信をもって本番に臨みました。全国模試と司法試験でリンクする部分があり,模試で満足できる結果を得られたら,本試験でも満足できる結果を得ることができると思います。ぜひ高得点を目標に全国模試を受講されることをお薦めします。
   
6 前述のもの以外で私が使用した辰已関係書籍
  (1)
1冊だけで国際私法
国際私法は,基本書以外にまとまったテキストがなかったため,「1冊だけで国際私法」を購入しました。自分の中で薄いと感じるところは加筆し,規範や定義を自分好みのものになおすことで,インプットも同時にでき,本当に少ない時間しか勉強していないにもかかわらず,本番では59点をとることができました。
  (2)
論文合格答案再現集
上位合格者の再現答案と,出題趣旨・採点実感を照らし合わせ,何をどのように書いたら高得点をとれるのか分析するために使用しました。また,毎日5分で優秀答案を書き写すということをして,書くスピードを上げる練習にも使用しました。
  (3)
ハイローヤー
私はあまり司法試験関係の雑誌を買うタイプではないのですが,ハイローヤーの直前期の予想論点特集は2年連続で購入しました。やはり直前期の不安な時期に,どこの部分の知識をブラッシュアップすべきかという確認や,論点の最終確認に非常に役立ちました。
   
7 自己の反省を踏まえ,これから受験する人へのアドバイス
  リベンジ合格をするために最も大切なのは,失敗した自分と向き合うことだと思います。不合格となってそれをするのは,精神的にも非常に辛いことだとは思いますが,二度と同じ失敗をしないために,自分の間違いを認め,改めていくことが合格への近道です。勉強の仕方は人それぞれですので,たくさんの合格者の話を聞いて,自分にあってそうなやり方を見つけていくしかないと思います。何かを変えようと,いまこの合格体験記を読んでいる方は,もう合格への一歩を踏み出しているといっても過言ではないと私は思います。
そして最後に伝えたいのは,本番の「できた」「できなかった」という感覚ほどあてにならないものはないということです。私は,設問1の小問1しかまともなことを書けず,設問2小問3は1行しか書いていない民法の成績がCでした。もし私が本番の民法のできなさに絶望し,商法,民訴に集中できなければ,両科目ともA評価で合格することはできなかったと思います。ですから,皆様も最後まで絶対あきらめずに,本番は最後まで全力で,振り返らず,突き進んでほしいと思います。家族や友人への感謝の気持ちを忘れず,最後まで頑張ってください。皆様の合格を心から祈念しております。
 
 
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