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■公開:2016年03月08日
 

《平成24・25年》

 
  ・平成25年判例の抜粋
  

《平成25年》

判例年月日
(裁判所HPにリンク) 
抜粋
関連規定
(司法書士試験
科目関連)
共有物について,遺産分割前の遺産共有の状態にある共有持分(以下「遺産共有持分」といい,これを有する者を「遺産共有持分権者」という。)と他の共有持分とが併存する場合,共有者(遺産共有持分権者を含む。)が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴訟であり,共有物分割の判決によって遺産共有持分権者に分与された財産は遺産分割の対象となり,この財産の共有関係の解消については同法907条に基づく遺産分割によるべきものと解するのが相当である…遺産共有持分と他の共有持分とが併存する共有物について,遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ,その者に遺産共有持分の価格を賠償させる方法による分割の判決がされた場合には,遺産共有持分権者に支払われる賠償金は,遺産分割によりその帰属が確定されるべきものであるから,賠償金の支払を受けた遺産共有持分権者は,これをその時点で確定的に取得するものではなく,遺産分割がされるまでの間これを保管する義務を負うというべきである。…裁判所は,遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ,その者に遺産共有持分の価格を賠償させてその賠償金を遺産分割の対象とする価格賠償の方法による分割の判決をする場合には,その判決において,各遺産共有持分権者において遺産分割がされるまで保管すべき賠償金の範囲を定めた上で,遺産共有持分を取得する者に対し,各遺産共有持分権者にその保管すべき範囲に応じた額の賠償金を支払うことを命ずることができるものと解するのが相当である。
民法258条,
民法907条
新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになるというべきである。…上記株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができない場合には,上記確定判決には,民訴法338条1項3号の再審事由があるというべきである。…このような一連の経緯に鑑みると,前訴における相手方Y1の訴訟活動は会社法により被告適格を与えられた者によるものとして著しく信義に反しており,抗告人に前訴判決の効力を及ぼすことは手続保障の観点から看過することができないものとして,前訴判決には民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地があるというべきである。
会社法828条1項2号,会社法838条,民事訴訟法第1編第3章当事者,民事訴訟法47条,民事訴訟法338条,民事訴訟法2条,民事訴訟法338条1項3号
本件規定(注:戸籍法49条2項1号の規定のうち届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分)は,嫡出でない子について嫡出子との関係で不合理な差別的取扱いを定めたものとはいえず,憲法14条1項に違反するものではない。
憲法14条1項
保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である。
民法147条3号,民法446条
本件規定(注:民法900条4号ただし書の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分)は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していたものというべきである。…本決定の違憲判断は,Aの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき,本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当である。
憲法14条1項,民法900条,憲法81条
数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起された場合,当該訴えの提起による裁判上の請求としての消滅時効の中断の効力は,その一部についてのみ生ずるのであって,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の請求に準ずるものとして消滅時効の中断の効力を生ずるものではない(最高裁昭和31年(オ)第388号同34年2月20日第二小法廷判決・民集13巻2号209頁参照)。そして,この理は,上記訴え(以下「明示的一部請求の訴え」という。)に係る訴訟において,弁済,相殺等により債権の一部が消滅している旨の抗弁が提出され,これに理由があると判断されたため,判決において上記債権の総額の認定がされたとしても,異なるものではないというべきである。…明示的一部請求の訴えが提起された場合,債権者が将来にわたって残部をおよそ請求しない旨の意思を明らかにしているなど,残部につき権利行使の意思が継続的に表示されているとはいえない特段の事情のない限り,当該訴えの提起は,残部について,裁判上の催告として消滅時効の中断の効力を生ずるというべきであり,債権者は,当該訴えに係る訴訟の終了後6箇月以内に民法153条所定の措置を講ずることにより,残部について消滅時効を確定的に中断することができると解するのが相当である。…消滅時効期間が経過した後,その経過前にした催告から6箇月以内に再び催告をしても,第1の催告から6箇月以内に民法153条所定の措置を講じなかった以上は,第1の催告から6箇月を経過することにより,消滅時効が完成するというべきである。この理は,第2の催告が明示的一部請求の訴えの提起による裁判上の催告であっても異なるものではない。
民法147条1号,民法149条,民事訴訟法147条,民法153条
本件各売買の当時,被上告人らが賦課金を課される可能性が存在していたことをもって,本件各土地が本件各売買において予定されていた品質・性能を欠いていたということはできず,本件各土地に民法570条にいう瑕疵があるということはできない。
民法570条
既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要するというべきである。…,同条(注:民法508条)が適用されるためには,消滅時効が援用された自働債権はその消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要すると解される。
民法505条1項,民法136条,民法145条,民法508条
通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは,特段の事情がない限り,登記がなくとも,通行地役権は上記の売却によっては消滅せず,通行地役権者は,買受人に対し,当該通行地役権を主張することができると解するのが相当である。 民事執行法59条2項,民事執行法188条,民法177条,民法280条
  

《平成24年》

判例年月日
(裁判所HPにリンク) 
抜粋
関連規定
(司法書士試験
科目関連)
被保証債権を譲り受けた者は,その譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても,当該根保証契約の当事者間において被保証債権の譲受人の請求を妨げるような別段の合意がない限り,保証人に対し,保証債務の履行を求めることができるというべきである。 民法446条1項,民法465条の2第1項,民法466条1項
株式会社を設立する新設分割がされた場合において,新設分割設立株式会社にその債権に係る債務が承継されず,新設分割について異議を述べることもできない新設分割株式会社の債権者は,民法424条の規定により,詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができると解される。 民法424条,会社法第5編第3章第2節第2款株式会社を設立する新設分割
家庭裁判所から選任された成年後見人の後見の事務は公的性格を有するものであって,成年被後見人のためにその財産を誠実に管理すべき法律上の義務を負っているのであるから,成年後見人が業務上占有する成年被後見人所有の財物を横領した場合,成年後見人と成年被後見人との間に刑法244条1項所定の親族関係があっても,同条項を準用して刑法上の処罰を免除することができないことはもとより,その量刑に当たりこの関係を酌むべき事情として考慮するのも相当ではないというべきである… 刑法244条1項,
刑法253条,
刑法255条
振替株式について株式買取請求を受けた株式会社が,買取価格の決定の申立てに係る事件の審理において,同請求をした者が株主であることを争った場合には,その審理終結までの間に個別株主通知がされることを要するものと解される(最高裁平成22年(許)第9号同年12月7日第三小法廷決定・民集64巻8号2003頁参照)。上記の理は,振替株式について株式買取請求を受けた株式会社が同請求をした者が株主であることを争った時点で既に当該株式について振替機関の取扱いが廃止されていた場合であっても,異ならない。…株式買取請求をした株主が同請求に係る株式を失った場合は,当該株主は同申立ての適格を欠くに至り,同申立ては不適法になるというほかはない。 会社法116条1項,会社法117条2項
不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において,上記不動産の時効取得者である占有者が,その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは,上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り,上記占有者は,上記不動産を時効取得し,その結果,上記抵当権は消滅すると解するのが相当である。 民法162条,
民法177条,
民法397条
株式移転によりシナジー効果その他の企業価値の増加が生じない場合には,株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,当該株式買取請求がされた日における,株式移転を承認する旨の株主総会決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいうと解するのが相当であるが(前記第三小法廷決定参照),それ以外の場合には,株式移転後の企業価値は,株式移転計画において定められる株式移転設立完全親会社の株式等の割当てにより株主に分配されるものであること(以下,株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率を「株式移転比率」という。)に照らすと,上記の「公正な価格」は,原則として,株式移転計画において定められていた株式移転比率が公正なものであったならば当該株式買取請求がされた日においてその株式が有していると認められる価格をいうものと解するのが相当である。…相互に特別の資本関係がない会社間において,株主の判断の基礎となる情報が適切に開示された上で適法に株主総会で承認されるなど一般に公正と認められる手続により株式移転の効力が発生した場合には,当該株主総会における株主の合理的な判断が妨げられたと認めるに足りる特段の事情がない限り,当該株式移転における株式移転比率は公正なものとみるのが相当である。…上記の場合は,株式移転により企業価値の増加が生じないときを除き,反対株主の株式買取請求に係る「公正な価格」を算定するに当たって参照すべき市場株価として,基準日である株式買取請求がされた日における市場株価や,偶発的要素による株価の変動の影響を排除するためこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることは,当該事案に係る事情を踏まえた裁判所の合理的な裁量の範囲内にあるといえる。 会社法773条1項6号,会社法806条1項,会社法807条2項
したがって,本件手段は,本件利用提供行為の前示の違憲性を解消するための手段として合理的かつ現実的なものというべきであり,市が,本件神社物件の撤去及び本件土地1の明渡しの請求の方法を採らずに,本件手段を実施することは,憲法89条,20条1項後段に違反するものではないと解するのが相当である。 憲法20条1項,
憲法89条
民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売について,民事執行法59条が準用されることを前提として同法63条が準用されるものとした原審の判断は,正当として是認することができる。
 民事執行法59条,民事執行法63条,民事執行法188条,民事執行法195条,民法258条2項
土地賃借権を有すると主張する者は,土地所有者に対し,地代額の確認を求めずに,土地賃借権そのものを有することの確認のみを求めることができるところ(最高裁昭和44年(オ)第500号同年9月11日第一小法廷判決・裁判集民事96号539頁参照),本件申出書における請求の趣旨の記載に加え,第1審における審理の経過等を併せ考慮すると,上告人は,第1審において,本件土地の賃借権そのものを有することの確認を求めたのであって,地代額の確認まで求めたものとはいえず,本件申出書における請求原因中の地代額の記載は,自らが相続により承継したと主張する上記賃借権の発生原因であるBとAとの間で締結された当初の賃貸借契約の内容として,その地代額を主張したものにすぎないことが明らかである。しかるに,第1審判決の「事実及び理由」中の「参加人の請求」及び「参加人の主張(請求原因)」には,上告人が本件土地につき地代を年額で固定資産評価額の1000分の60に相当する金額とする賃借権の確認を求める旨の記載がされているのであって,第1審は,上告人が上記地代額の確認をも求めているものとして,上告人の請求を認容する判決をしたと認められ,第1審判決の主文に記載された地代額に係る部分が,係争法律関係に関してされた判断ではないということはできない。したがって,第1審判決には,当事者が申し立てていない事項について判決をした違法があり,…。  民事訴訟法134条,民事訴訟法246条,民法601条
遺留分減殺請求により相続分の指定が減殺された場合には,遺留分割合を超える相続分を指定された相続人の指定相続分が,その遺留分割合を超える部分の割合に応じて修正されるものと解するのが相当である…遺留分減殺請求により特別受益に当たる贈与についてされた持戻し免除の意思表示が減殺された場合,持戻し免除の意思表示は,遺留分を侵害する限度で失効し,当該贈与に係る財産の価額は,上記の限度で,遺留分権利者である相続人の相続分に加算され,当該贈与を受けた相続人の相続分から控除されるものと解するのが相当である。 民法1031条,
民法902条,
民法903条
裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権が認められていないからといって,同制度が憲法32条,37条に違反するものではない。 憲法32条,
憲法37条
 
 

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