HOME > 司法試験 > 2014年 司法試験 最新合格体験談
 

■公開: 2014年09月11日

■最終更新: 2014年09月17日

■INDEX
  2014年最新合格者体験談
  ・渕上 貴弘さん 東京大学法科大学院・既修者コース 司法試験1回目合格
 ↑9/17NEW
  ・高松 浩大さん 中央大学法科大学院・既修者コース 司法試験2回目合格
 ↑9/17NEW
  ・小島 舞子さん 早稲田大学法科大学院既修者コース出身 司法試験1回目合格
 ↑9/16NEW
  ・山田 友幸さん 明治学院大学法科大学院未修者コース出身 司法試験3回目合格
 ↑9/16NEW
  ・松本 祐輝さん 東京大学法学部法律学科 予備試験2013年合格/司法試験1回目合格
  ・玄 唯真さん 中央大学法学部法律学科 予備試験2013年合格/司法試験1回目合格
  ・高間 裕貴さん 東京大学法学部法律学科 予備試験2013年合格/司法試験1回目合格
  ・星野 光帆さん 中央大学法学部法律学科 予備試験2013年合格/司法試験1回目合格
  
★2013年 司法試験合格者インタビューはこちら
 

  

誰でも知っているような基本的知識に
穴を作らないことが重要です

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
渕上 貴弘さん

1

名前 渕上 貴弘(フチガミ タカヒロ)

2

出身大学・学部 東京大学法学部

3

出身法科大学院 東京大学法科大学院・既修者コース 2012年入学/2014年修了

4

司法試験受験歴 1回

5

受講歴

 

司法試験スタンダード論文答練、司法試験スタンダード短答オープン(第2クール)、
司法試験全国公開模試
 

1

司法試験の受験を決意した経緯
 私は、問題を解決することによって人の役に立てるような仕事に就きたいとかねがね考えていました。そして、大学で弁護士のゼミや無料法律相談のサークルで活動する中で、法律を使って様々なトラブルや人々の悩みを解決する弁護士という職業に魅力を感じるようになり、司法試験の受験を決意するに至りました。
 

2

法科大学院受験前の学習状況
 私は大学1年生の秋ごろから予備校の入門講座を受講し始めていました。しかし、その当時は法科大学院入試までまだ3年あったこともあり、あまり勉強をする意欲がわかず、予備校の授業も「何となくわかる」程度にしか聴いていませんでした。おまけに大学の授業も「予備校で一度聞いた話だから」とわかったつもりになっていました。その結果、周囲にいつの間にか後れをとり、法科大学院入試にあたっては猛勉強を強いられることになりました。
 

3

法科大学院入学後の学習状況
(1)既修コース1年目(2年次)
 幸い法科大学院には入学することができましたが、1年目は授業の予習に忙しく、司法試験の論文対策に特化した勉強はほとんどできませんでした。それでも、私の法科大学院では判例読解を中心とした授業が多く、しばしば問題視されるような学説偏重の授業は少なかったため、法科大学院の授業も司法試験を受ける上での基礎固めとして有意義でした。
 一方、短答対策は辰已の肢別本を使って行っており、その甲斐あってかその年の予備試験短答式試験は通過することができました
 ところで、過去問についてですが、法科大学院に入学して間もない頃から解き始めるべきなのでしょうか。確かに「敵を知って学習の方向を定める」という意味で1〜2年分解いてみるというのは多分に効果的だと思います。しかしそれ以上、しっかりした基礎力が備わらないまま闇雲に解きまくっても、さほど学習効果が期待できるわけではないと思います。
 
(2)既修コース2年目(3年次)
@ 短答対策
 辰已書籍では「肢別本」「短答過去問パーフェクト」の2種類がありますが、前述の通り私は肢別本を使っていました。肢別本は一問一答形式であり書籍自体もコンパクトであるため、どこでも手軽に演習ができるのが便利でした。また、一問一答形式の問題集は他にもありますが、肢別本は1問ごとに学習内容が重複しないよう問題が選び抜かれているので、効率よく学習ができました
 また、年明け以降は辰已のスタンダード短答オープン(以下、スタ短)を受講しました。過去問を肢別本で勉強していた私にとって、スタ短は本来の択一形式で短答問題を解くよい機会になりました。また、解説講義も、受験生が間違えやすいところや差がつきやすいところを重点的に解説してくれるので、ためになりました。
 短答の情報一元化は、自分が間違えた問題の条文・判例知識を判例六法にマークする方法で行っていました。その際、全ての問題についてマークをしていたら時間がかかる上に重要な知識とそうでもない知識とが区別できなくなってしまうと考え、マークするのは重要な問題(肢別本でいえば星マークがついている問題、スタ短でいえば正答率の高い問題)に絞っていました。
 
A 論文対策
 司法試験では採点実感において「論点主義に陥るな」ということがしつこく書かれていますが、だからといって重要論点・論証が頭の中に染みついていなければ、厳しい制限時間内に出題趣旨に沿った答案を書き上げることはできません。しかし、受験に当たって必要な論点を漏らさずまとめるのは時間がかかる作業です。そこで私は、辰已の『趣旨・規範ハンドブック』に、基本書や演習書、さらに辰已のスタンダード論文答練(以下、スタ論)で学んだことなどの追加情報を書き込んで使用していました。この本は多くの受験生が使用しており、ここに書いてあること、特に星印のついている論点・規範については大半の受験生が理解しているものと考え、自己の理解が確たるものとなるようにしていました。
 そして司法試験は、範囲が膨大だからこそ、他の受験生ができることが自分もくまなくできれば受かってしまう試験です。したがって、逆に言えば、覚えることはこの本に書いてあることでほぼ十分だと思います(もっとも、繰り返しますが、「確たる」理解でなければいけませんので、絶対に穴がないようにしてください)。
 過去問を初めて時間を計って解いたのは法科大学院2年目に入る春休みでしたが、その後はしばらく不定期に数問解くのみで、集中して解きはじめたのは年明け、すなわち受験の年の2月ころからでした(さすがにこれは遅すぎたかと思います。お勧めはしません)。
 それではそれまで何をやっていたかといえば、秋頃からほぼ毎日市販の演習書を解いていました。実際に答案も作成していましたが、その時点で基礎の理解が不足していると感じていた民事系は答案作成の負担を減らすためワープロで答案を作成し、インプットに労力をかけるようにしていました。
 演習書・過去問とも、5人ほどで自主ゼミを組み、時間を計って答案を作成し、演習書であれば解説を、過去問であれば出題趣旨や採点実感等を読んだ後、答案を見せ合って互いに気になった点を指摘し合うということを行っていました。他の自主ゼミを見ていると、各自で答案を書いてきて見せ合いをする方式のところが多かったようですが、私たちのメンバーはともすれば答案を書きそびれたまま参加し自身の学習効率を下げてしまいそうな人間が(私を含め)多かったので、その場で答案を作成するテストゼミ形式にしていました。
 過去問集について、辰已書籍では『ぶんせき本』(年度別)と『論文全過去問集』(科目別)の2種類がありますが、『ぶんせき本』はボリュームがとても大きく、過去問研究を始めるのが遅かった自分には使いこなせる自信があまりなかったので、『論文全過去問集』の方を利用しました。この本は、問題・出題趣旨・採点実感・ヒアリング・答案構成例・上位合格答案・中位合格答案がコンパクトにまとまっており、必要にして十分だといえます。
 その他、辰已のスタ論を通学部で受講していました。通学部にしたのは、特に怠けがちな自分にとって、決まったスケジュールの中で強制的に書く機会を作ることが必要だと思ったためです。また、自宅や法科大学院の自習室など普段勉強している場所とは違い、知らない受験生とともに一斉に同じ問題に取り組む緊張感のある環境で答練を受けることが練習に適しているとも思いました。スタ論は第1クール(年内)は2週間に1回、第2クール(年明け)は1週間に1回のペースで進められていきますが、毎回受ける曜日を変えることができるところが便利でした。
 「本試験の過去問で自主的に答練をすればよいのであって、わざわざ高いお金を払ってまで質の面で本試験に及ばない予備校答練を受ける必要はない」と思う方もいるかもしれません。実際、答練を受けずに合格した知人もいます。しかし、未知の問題(過去問ではたとえ解いていなくても「○○年には○○の問題が出た」などという噂を聞いてしまい、未知の問題として解くのは難しいはずです)を制限時間内で解くにあたり、どのように問題文を読み、どのように時間を使うかという練習はしておく価値があると思います。スタ論の問題は、その年に出題されそうなテーマから出されており、出題に当たっても内部で数多くの検討が重ねられているため、比較的質の高い問題が出されていると思います。
 
B 全国模試
 辰已の全国模試は、本番同様のスケジュール、本番と全くあるいはほぼ同じ会場でリハーサルをすることができるまたとない機会ですので、ぜひ受験することをお勧めします。模試の期間には、答練とは異なり試験時間以外にも様々な「体験」をすることができます。たとえば、朝何時に起きればよいか、電車の混み具合はどのくらいか、試験中の飲み物は何がよいか、昼食はとるべきか、コーヒーを飲むと途中でトイレに行きたくなったりしないか、試験の中日には勉強をすべきか…など。5日間ありますので、色々な試行錯誤をしてみてください。
 全国模試は、辰已の他にも複数の予備校が開催していますが、中には問題がやたらと難しかったり、受験者のレベルも高かったりして、本番で受験する1万人弱の中で自分が一体どこの位置にいるのかがわかりにくいものもあります。その点、辰已の全国模試は、毎年最も多くの受験者数を誇り、その母集団も実受験集団に近く、その時点での自分の客観的な位置を知るのに最適であると考えます。そして何よりも、最大の受験者数を誇る模試ですから、仮に本番で同じような問題が出題されたときに他の受験者に後れをとらずにすむということが大きいと思います。
 私は辰已の模試でA判定を得ることができ、本番直前の不安な時期に精神的な安定を得ることができました。ちなみにそんな私でもスタ論では平均点を割る回も多々ありました。どうやらスタ論の母集団のレベルは模試に比べてかなり高いようですから、スタ論の成績が良くないからといって必要以上に落ち込む必要はないと思います。
 

4

使用した書籍
 基本書は基本的に定評のあるものを使用していました。以下、前述した自主ゼミで使用した演習書やその他重宝した書籍を挙げます。
 憲法…原田・君塚『ロースクール憲法総合演習』
 行政法…大貫・土田『行政法 事案解析の作法』
 民法…千葉ほか『ロープラクティス』、池田「基本事例で考える民法演習」(法セミ連載)
 商法…黒沼ほか『ロープラクティス』、大杉ほか『事例で考える会社法』
 民訴…山本ほか『ロープラクティス』
 刑法…佐伯ほか『刑法事例演習教材』
 刑訴法…古江『事例演習刑事訴訟法』、亀井『ロースクール演習刑事訴訟法』
 労働法…水町ほか『事例演習労働法』
 

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おわりに
 これまで述べてきたように、私は何か特別な勉強方法を行っていたわけではありません。私の勝因は何かといえば、「誰でも知っているような基本的知識に絶対に穴がないよう努力した」ということに尽きると思います。したがって、あまり難しいことに手を出さず、基礎固めに徹してください。「基礎が大切」というのは受験生の皆さんであれば耳にたこができるほど聞かされていると思いますが、それほど重要なことなのです。
 試験本番では、模試でも味わえなかったような緊張感と焦りが受験生に襲いかかります。私も、行政法の試験時間中に頭が真っ白になり1、2分ほど思考停止に陥ったのをはじめ、多くの科目で色々なミスをしてしまいました。しかし、「自分があれだけ勉強した上で苦戦しているのだからたぶん周りもできていないだろう」という多少の楽観視と、「それでも自分は」と諦めずに問題文に必死に食らいつく貪欲な心が、最終的には私を合格へと導いてくれたのだと思います。
 合否を決める権限は考査委員の先生方のみにあり、受験生自身にはありません。そのことを銘記して、どんなことがあっても諦めずに、一科目ごとに新鮮な気持ちで問題と向き合ってほしいと思います。
 
 

  

福田先生の講義で
絶対にすべらない答案を徹底分析して
スタ論で実践

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
高松 浩大さん

1

名前 高松 浩大(タカマツ コウダイ)

2

出身大学・学部 中央大学法学部

3

出身法科大学院 中央大学法科大学院・既修者コース 2011年入学/2013年修了

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司法試験受験歴 2回

5

受講歴

 

入門講座(天野クラス)、旧司法試験ローラー答練、旧司法試験日曜答練、司法試験スタ論スタート、2013年司法試験スタンダード論文答練(第1クール、第2クール)、2013年司法試験スタンダード短答オープン(第1クール、第2クール)、2013年司法試験全国公開模試、2014年スタ論【福田クラス】(第1クール、第2クール)、2014年司法試験スタンダード短答オープン(第2クール)、2014年司法試験全国公開模試
 

1

司法試験の受験を決意した経緯
 私は、テレビドラマの影響で法律家に興味を持ち、司法試験を目指しはじめました。そして、大学で実際に弁護士さんや検察官と接することでより強く法律家という仕事に憧れを抱いていき、いつしかそれが目標になっていきました。
 

2

法科大学院受験前の学習状況
 大学時代は、法科大学院入試に向けた勉強として、基本的知識の習得と旧試験型の問題演習に力を注いでいました。そのために、辰已のローラー答練等を学習のペースメーカーとして利用していました。この時期は、本格的な基本書等を何度も読むということはしておらず、答練で問われた論点の論証を自分で作成し、覚えるという勉強が多かったと思います。
 司法試験界ではよく覚える勉強は良くないと言われますが、最低限の暗記や論証の流れというのが必要になるのは間違いないと思うので、この時期の覚える勉強は有意義だったと思っています。
 

3

法科大学院入学後の学習状況
 法科大学院に入学してからの1年間は、授業の予習復習に追われ、いわゆる受験勉強をすることはほとんど不可能でした。そして、短答の過去問を解き始めたのは3年次の4月くらいだったと思います。論文の過去問に関しては、3年の夏まで見たこともない状況でした。今考えると、司法試験の過去問、特に論文試験に取り組む時間をもっと取るべきだったと思っています。
 

4

一回目の受験
 今考えるとお恥ずかしいのですが、一回目の受験のときは、自分が考えたことを最後まで均等な割合で書ききれば最低でも50点は付くと思っていました。その結果は、短答は合格したものの、あと数点で合格という成績で不合格となってしまいました。
 

5

一回目の反省
 合格発表後、成績の通知を受け、自分があと数点足りなかったばっかりに不合格となった事実を知りました。それからは、なぜ自分がその点数を取れなかったのかを徹底的に分析しました。再現答案を早速作成し、合格者数人に見てもらいアドバイスをもらって今までの学習が間違っていたのか、何が足りなかったのかを考え抜きました。
 その結果、私の敗因は、法的三段論法があやふやになっているところがあること、事実の評価が薄いことであるということがわかりました。
 

6

反省をふまえた対策
 私は、上記自己の敗因を改善するため、過去問を解き、合格者の再現答案を読んで、合格者の法的三段論法、事実の評価を研究し、自分のものとできるよう務めることにしました。そして、自分で書いた答案はできるだけ合格者に添削してもらうことにしました。
 

7

私の受験に役に立った辰已の講座
@ スタンダード論文答練(以下、スタ論)福田クラス
 スタ論の試験を受けた後の解説講義をすべて福田先生が担当する講座です。福田先生の解説講義では、スタ論の解説はほとんどしませんでした(辰已注:2015年対策講座のカリキュラムとは一部異なります。)。その代わり、各回で、司法試験の過去問と合格者の再現答案数通(ぶんせき本)を使用し、当該過去問について何を書き、どのように書けば合格答案となるか、どの程度の答案を書けば「すべらない答案」になるのかを丁寧に解説します。
 過去問や、合格答案の研究が不十分だった私にとってこの講座は非常に役に立ちました。
 福田先生の講義は、「受験」に特化したものです。いわゆる受験テクニックや各科目で意識すべきことをおしえていただけます。この講義では福田先生のオリジナルレジュメが配布されます。このレジュメは、先生の受験ノウハウや、各科目の勉強の仕方から答案の書き方まで丁寧に書いてあります。私にとっては、合格者のここが聞きたいという部分が書いてあったので、非常に参考になるものでした。私は、このレジュメを試験会場に持っていき、試験直前最後に読むものとして大変重宝しました。
 この講義のおかげで、合格答案のイメージが具体的に分かるようになり、スタ論で実践するという非常に合理的な訓練が出来たと思っています。
 
A 全国公開模試
 最も多くの司法試験受験生が受験する模擬試験です。私は、この模試が文字どおり司法試験の最後の模擬演習と位置づけて受験しました。この模試の前は、本番の司法試験の直前と全く同じスケジュールを組みました。
 そして、全国公開模試の特質すべき点は、成績の算出法だと思います。この模試では、本試験とほとんど同じ点数の算出法をとっています。これにより、より正確な成績がつき、自分の実力が全国の受験生の中でどの位置にいるのか把握することができます
 そして、自分の実力を把握した上で、試験本番までの期間、最終合格のために何が必要かをはっきり示してくれる有効な模試です。
 

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私が使用した本
憲法:憲法(芦部信喜)。憲法判例を読む(芦部信喜)。憲法の急所(木村草太)。
行政法:行政法(宇賀克也)。事案解析の作法。
民法:民法入門(川井健)。民法概論@〜D(川井健)。
商法:リーガルマインド会社法、商法総則・商行為、手形法・小切手法。リーガルクエスト会社法
民事訴訟法:基礎からわかる民事訴訟法。リーガルクエスト民事訴訟法。
刑法:刑法(山口厚)。
刑事訴訟法:刑事訴訟法(上口裕)
労働法:労働法(水町勇一郎)。事例演習労働法。
全科目共通:判例六法。判例百選。
 

9

最後に
来年のリベンジ合格を期する方へ。
 私も、昨年不合格になり、非常に辛く、何より悔しい気持ちでいっぱいだったのを覚えています。それでも、その気持ちを糧になんとか一年間勉強し、合格することができました。今年不合格となったことの悔しさを忘れず、一年間しっかり勉強すればみなさんなら必ず合格出来ると思います。皆さんの合格を心から祈念しております。
 
 

 

基本を納得がいくまで繰り返す

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
小島 舞子さん

1

名前 小島 舞子(コジマ マイコ)さん

2

出身大学・学部 横浜国立大学経済学部

3

出身法科大学院 早稲田大学法科大学院・既修者コース 2012年入学/2014年修了

4

司法試験受験歴 1回

5

受講歴

 

司法試験スタンダード短答オープン(第2クール)、司法試験スタンダード論文答練(第2クール)、司法試験全国公開模試
 

1

司法試験の受験を決意した経緯
 私は、元々公務員を志し、経済学部に入学しました。しかし、現代社会福祉という科目を履修して、障害者や高齢者、子どもなど、いわゆる社会的弱者といわれる人々を取り巻く様々な問題について知り、法整備だけではなく、個別具体的な事案に即して問題を解決していく必要があると思い、司法試験を受験し弁護士になることを決意しました。
 

2

法科大学院受験前の学習状況(法律学習)
 経済学部でも、経済学と並行して憲法や民法などの法律科目を履修することはできました。しかし、経済学部の法律科目であったため、一般教養のようなものでした。そのため、大学3年から法科大学院入試に向けた講座を受講しましたが、アルバイトや遊びに忙しく途中で行かなくなってしまい、論文もまともに書いたことがない、「上3法・下4法」といわれてもピンとこない、という状態で法科大学院に入学しました。

 

3

法科大学院入学後の学習状況(法律学習)
(1)2年次
 それまで基本書や判例集を全く読んだことがなく、基本的な知識が不十分であったため、授業についていけるように予習・復習をするので精一杯でした。授業に慣れてからは、週に3〜4回、事前に作成した答案を添削し合うゼミや、問題集の答案構成をしてきて検討するゼミなどを行いました。
 後期は、授業数も多く進級もかかっていたため、一つ一つの授業を大切にして、授業に合わせてゼミで問題集を解いていました。

(2)3年次
 春休みくらいから、ゼミで新司の過去問に手を出し始めました。大学院の授業も演習系のものを中心的に履修し、先生に論文の添削を受けたり、授業で取り上げられる生徒の答案を読むことは、非常に勉強になりました。ただ、授業を詰めすぎたため、自習時間の確保が大変でした。
 

4

受験対策としてとった、辰已講座の利用方法とその成果
(1)スタンダード短答オープン(第2クール)
 毎回辰已本校で受講しました。私は短答が苦手で、解くスピードも遅かったため、緊張感のある中で時間を意識して解くというのは、とても有意義でした。受講後は解説冊子を一通り読み、間違えた問題をチェックして足りない知識を択一六法に書き込み、まとめの表をコピーして直前期に見直しがしやすいようにしていました。

(2)スタンダード論文答練(第2クール)
 ゼミの準備で論文を書くときには、途中で中断したり時間を延長してしまったりとどうしても自分に甘くなってしまうので、自信のない論点や未知の論点に食らいつき、きっちり2時間で答案を仕上げるというのは、本番のシミュレーションとしてとても有意義でした。また、解説冊子は、採点表を見てどういうところに点が振られているのか分析をしたり、参考答案を読んで色分けをしたり規範を参考にしたりして使用しました。
 しかし、私は2〜3回目の答練が直前期にある2月末スタートの講座を受講したため、なかなか答練の復習まで手が回らず、各科目3回目の答練を受講することができなかったなど、消化不良になってしまいました。特に現役生は学校の試験もありこの時期忙しいので、答練の使い方にはメリハリをつけた方がいいと思います。

(3)全国公開模試
 全国公開模試は、実際に本試験で使用される会場で、本試験と同じ形式で問題を解くことができるので、シミュレーションとして最適でした。模試を受けた結果、4日間試験を受け続けることが体力的に非常に厳しいこと、休憩時間は勉強をするのではなくリラックスして友人と話している方が自分にあっていることなど、試験本番の過ごし方がわかりました。
 

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受験対策として私がやって成功した方法
(1)短答式試験対策
 対策として行った勉強は、辰已の短答過去問パーフェクトを繰り返し解き、解説を読み込み、苦手な問題をチェックする、短答対策用の六法に知識を集約して移動中に読む、といった基本的なことです。
 短答対策はできる限り早めに準備を始めるべきだ、という話はよく聞くと思います。私も勿論聞いていましたが、短答対策が嫌いで後回しにしてしまい、直前期になっても短答対策を完成させることができませんでした。直前期に周りの友人が論文の勉強をしているなか1日の半分の時間を短答対策に費やすというのは、想像以上のプレッシャーです。短答対策は論文の勉強にもなるので、今すぐに準備を始めてください。

(2)論文式試験対策
 私は、自主ゼミのメンバーに恵まれたため、論文対策は苦痛ではありませんでした。対策として特によかったのは、書いた論文を必ず読んでもらい表現や論理構造を中心に意見をもらうこと、ゼミ仲間の論述や辰已のぶんせき本の上位答案の論述でうまいと思ったものをどんどん盗んで自分のものにしたことです。また、自分の答案と上位答案を色分けして、三段論法や事実の適示と評価がきちんとできているか、論理に飛躍がないかなどを見比べたり、添削を見直して自分に何が足りないかを分析したりするのも役に立ったと思います。
 問題文を読む時間や答案構成の時間は人それぞれで、科目ごとにも違うと思います。2時間しっかり計って解く練習を繰り返し、自分のベストを見つけることが重要です。
 

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受験対策として私が使用した本
(1)各科目共通
・『判例百選』有斐閣(憲法・刑法を除く)
→解説まで読み込む(特に民事訴訟法・刑事訴訟法・会社法)
・新司法試験の過去問
→3年春から時間を計って解いた(全科目1〜3回ほど)。その後、出題趣旨と採点実感を繰り返し読み込んだ。
・『短答過去問パーフェクト』辰已法律研究所
→全科目3回ほど解いた。解説も繰り返し読み、出題されている判例をチェックして論文の勉強にも役立てた。苦手な問題は付箋をつけて試験の直前まで繰り返し見直した。
・『司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本』辰已法律研究所
→「上位答案」の分析に主に用いた。
(2)憲法
・高橋和之『立憲主義と日本国憲法』有斐閣
→直前期に1回通読。
・淺野博宣他『判例プラクティス憲法』信山社
→2回ほど通読。解説がコンパクトであるがまとまっているので、論文の勉強に非常に役に立った。
・曽我部真裕他『憲法論点教室』日本評論社
→薄くて内容も易しいので、憲法の答案の書き方が分からない人におすすめ。
(3)行政法
・櫻井敬子・橋本博之『行政法』弘文堂
→5回以上通読。
・高木光・稲葉馨編『ケースブック行政法』弘文堂
→2回ほど通読。引用が長いので、規範とあてはめを色分けして読んだ。
・石森久広『ロースクール演習行政法』法学書院
→全問題2回ほど解いた。事例研究は難しいと聞いていたので、事例研究に取り組む前に解いた。
・曽和俊文・金子正史編『事例研究行政法』日本評論社
→第2部のみ時間を計って答案を作成した。行政法のポイントがおさえられるので、解説のポイントやゼミで出た意見を自分でまとめたノートを作成した。
(4)民法
・千葉恵美子他『Law Practice 民法T・U』商事法務
→2回ほど解いた。計100問あるが1問が短く、解説も読みやすいので、民法が苦手な方におすすめ。
・『新趣旨・規範ハンドブック〈2〉民事系』辰已法律研究所
→授業や基本書の知識を書き込んだり、ノートを継ぎ足したりして、直前期に皆をせるようなサブノートとした。
(5)商法
・伊藤靖史他『LEGAL QUEST 会社法』有斐閣
→3回ほど通読。
・江頭憲治郎『株式会社法』有斐閣
→講義の予習・復習の際や、リークエや問題集で分からないところがあった場合などに、部分的に読んだ。
・中村信男・受川環大『ロースクール演習会社法』法学書院
→全問題5回以上解いた。解説も充実しているので、繰り返し読み込み、苦手な論点はまとめたり付箋をつけたりして、何度も見直すようにした。
・『新趣旨・規範ハンドブック〈2〉民事系』辰已法律研究所
→民法と同じ。
(6)民事訴訟法
・伊藤眞『民事訴訟法』有斐閣
→2回ほど通読。
・長谷部由紀子他『基礎演習民事訴訟法』弘文堂
→2回ほど解いた。基礎固めにおすすめ。
・『新趣旨・規範ハンドブック〈2〉民事系』辰已法律研究所
→民法と同じ。
(7)刑法
・今井猛嘉他『LEGAL QUEST 刑法総論』有斐閣
→2回ほど通読。
・西田典之『刑法各論』弘文堂
→2回ほど通読。
・井田良他『刑法事例演習教材』有斐閣
→全問題4回以上解いた。この教材を用いた演習講義をまとめて、解説と合わせて繰り返し読んだ。
・『新趣旨・規範ハンドブック〈2〉刑事系』辰已法律研究所
→民法と同じ。
(8)刑事訴訟法
・宇藤崇他『LEGAL QUEST 刑事訴訟法』有斐閣
→2回ほど通読。
・『新趣旨・規範ハンドブック〈2〉刑事系』辰已法律研究所
→民法と同じ。刑事訴訟法は特に、講義で得た知識や基本書をもとに重要論点の論証パターンを作成した。
(9)環境法
・大塚直『環境法BASIC』有斐閣
→3回ほど通読。問いを簡潔にまとめて、ゼミで繰り返し確認テストをした。従来のものより分かりやすくまとまっているのでおすすめ。
・大塚直・北村喜宣『環境法ケースブック』有斐閣
→演習教材として使用。
 

7

自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
 私が合格することができたのは、自分の勉強の方法を早くに見つけることができたことと、ゼミの仲間に恵まれたおかげだと思います。
 私は大学院入学時に、周りの法学部出身者と比べて大きな差があることを強く感じ、この差を埋めるために基本的な勉強をしっかりすることだけを心掛けてきました。そのため、難しい学説の議論は全く知りませんし、上記の通り基本書も問題集も最低限のものしか手を付けていません。しかし、この「基本を納得がいくまで繰り返す」という勉強方法が、自分にはよかったのだと思います。
 また、ゼミの仲間は、一番身近な先生であり、ライバルであり、辛い時期に励まし合える大切な存在です。しかし、なんとなくゼミを組んでだらだらとおしゃべりをしていては全く意味がありません。私は、問題集をつぶすペースメーカーとするため、答案を回し読み添削しあうためなど、目的を明確にして、ルールをきちんと決めてゼミを組みました。ゼミはメリハリをつけて行うことが大切だと思います。
 あとは、とにかく何があっても最後の最後まで諦めずに頑張ってください。私は2日目の民事系が全くできず、3日目の試験の前日は一睡もできませんでした。それでも諦めずに最後まで受け、合格することが出来ました。司法試験は本当に過酷な試験ですが、最後まで諦めずに合格を勝ち取ってください。
 
 

 

常に合格ラインを強く意識する

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
山田 友幸さん

1

名前 山田 友幸(ヤマダ トモユキ)さん

2

出身大学・学部 東京都立大学・法学部

3

出身法科大学院 明治学院大学法科大学院・未修者コース 2007年入学/2010年修了

4

司法試験受験歴 3回

5

受講歴

 

司法試験スタンダード論文答練、司法試験全国公開模試
 

1

はじめに
 私は、いわゆる上位ロー出身ではありません。また、一発合格でもありません。さらに、会社員を経てからローに入学しているので、若くもありません。このような私が、体験記の執筆をする資格などあるのかと悩みましたが、私のような者でも合格することができたという事実から、みなさんに少しでも自信と勇気を持っていただければと思い、体験記の執筆を引き受けることにしました。
 

2

リベンジ合格に至った経緯(敗因とその克服方法)
 私は、5年目3回目の受験で合格することができました。受験・受け控え・受験・受け控え・受験という経緯です。

(1)1年目
 1回目の受験は、ほぼ記念受験に近い状態でした。短答はかろうじてクリアしたものの、論文は5000番台で不合格でした。

(2)2年目
 1回目の不合格後、1日14時間の勉強時間を確保しましたが、合格するための勉強方法が全く分かっていなかった私は、ただ闇雲に勉強していただけで、ほとんど成果に結び付きませんでした。直前模試でも成績は振るわず、受け控えを決意しました。

(3)3年目
 受け控え後、自分一人では限界を感じ、初めてゼミを組みました。その内容は、論文過去問の完全解を作成し、合格者の先輩に見ていただくというものです。これは非常に有益であったと思います。完全解を作成するためには、当然のことながら、法律を正確に理解する必要がありますので、定義・趣旨から丁寧に勉強することになります。また、いくら法律を理解していても、読み手に伝わらなければ分かっていないという評価になりますので、読み易い文章を作成する訓練になります。さらに、嫌でも出題趣旨・採点実感・ヒアリングを熟読することになるので、採点者の先生が何を求めているのかを知るきっかけとなります。
 ただ、ここで注意していただきたいのは、決して満点の答案を作ること自体が目的ではないということです。完全解(勉強の上限)を知った上で、現実的に書くことができるライン(合格ライン)を知るという点に目的があります。すべての論点について逐一定義・趣旨から丁寧に書くことや、採点者の要求にすべて応えることは、2時間8枚という制約の中では事実上不可能です。そうであるとすれば、書くべき優先順位というものがあるはずです。このことを知ることで、記述の濃淡や書くべきことの取捨選択ができるようになるのではないかと考えています。
 しかし、当時の私は、合格するために勉強しているという意識があまりにも低かったため、いつの間にか完全解を作ることが目的になってしまい、まるで趣味であるかのように瑣末な点に必要以上にこだわり、時間ばかりが掛かるという非常に効率の悪い勉強状態になってしまいました。しかも、2時間で書き切ることの重要性が全く分かっていなかったため、その訓練を怠り、答練では途中答案を連発するという状態でした。しかも、最初の問だけ必要以上に丁寧に書くという非常にバランスの悪い答案でした。これでは合格できるはずがありません。案の定、2回目の受験でも実質途中答案というものばかりで、勉強はしてきたものの論文の順位は3500番ぐらいにとどまり、不合格でした。

(4)4年目
 2度目の不合格を経て、初めて再現答案を合格者に見てもらうということに取り組みました。ここが私のターニングポイントでした。添削者の中に、合格ラインというものを非常に強く意識している方がいて、私がやってきた勉強のうち、余計な部分を徹底的にそぎ落としてくださいました。その結果、私の勉強姿勢は、正解を出すというものから、最低限のことだけは落とさないという合格ラインを意識したものに変わっていきました。加えて、あてはめの薄さを指摘されたので、問題文を使い切ることを意識するようになりました。
 上記意識の下、論文過去問を2時間で書きお互いに添削するというゼミを組みました。このゼミのおかげで、途中答案は徐々に減り、事実の使い方もうまくなっていきました。また、書くという作業を通じて、理解が深まることが多々ありました。論文を書くためには一定程度時間を要することになりますが、基本書を読むだけという勉強よりも効率が良い面もありますので、なんとか書く時間を確保してみてください。
 以上のような添削とゼミを経た結果、答練でもときどき良い成績を得ることができるようになりました。ただ、残念ながら、合格ラインを安定して超えるレベルに至るには、少しだけ時間が足りませんでした。直前まで受験するか否か悩んだのですが、このままこの勉強を続けていけば、格段に伸びるという確信があったので、受け控えることにしました。

(5)5年目
 本試験終了後、すぐに本試験と同じスケジュールで本試験問題に取り組みました。仮に受験していたとしたら、どの程度勝負できたのかを知りたかったので、本番さながらの緊張感をもって取り組みました。そして、ここで書いた答案をその年の合格者に見てもらいました。その結果、おおむね高評価をいただきました。それと同時に、足りない点も明確になりました。この時点で、点数を取る方法が具体的に分かった気がします。
 前年のゼミ仲間が合格したことで、勉強の方向性が間違っていないことを確信した私は、新たな仲間とひたすら書く練習をしました。過去問は、すでに何度も書いていましたが、何度書いても新たな発見があり、理解を深めてくれますので、ぜひ何度も書いてみてください。
 また、論文を書く時間以外にも、ゼミ室にこもって一緒に勉強するようにしました。頭では合格ラインの重要性を分かっていても、勉強をしているとついつい深みにはまってしまいがちです。その点、ゼミ室は、自習室と異なり、いざとなれば喋ることができるので、「瑣末な点にこだわり、一人で悶々とする」ということを防ぐことができます。つまり、常に合格ラインを見据えた効率的な勉強ができるのです。加えて、相手からの質問に答えることで、自分の理解を深めることにつながります。
 さらに、朝一番に集合するという約束をしていたので、サボることもなく、安定して勉強を続けていくことができました。また、時には談笑をしてストレスを発散したり、お互いに励まし合ったりもしていました。このゼミも、私を合格に近づけてくれたものだと思っています。
 なお、この年は、選択科目を重点的に勉強するという方法も取り入れました。なぜなら、選択科目については、他の受験生もあまり手が回っていないと思われるので、差をつけるチャンスとなるからです。加えて、他の7科目ほど勉強が大変ではないのに配点は同じなので、勉強時間に比して得点効率が良いです。さらに、選択科目は、本試験の初日の最初の科目なので、これに自信を持っていると、良いスタートダッシュが切れます。

(6)最後の本試験
 以上のような勉強を経て、いざ本番に臨みました。本番では、合格ではなく、後悔しないことを目標にしていました。
 本番では、他の受験生よりも良いことを書こうと力んでしまったり、何か深い意味があるのではないかと必要以上に慎重になり時間を浪費してしまいがちです。その結果、バランスを崩したり、途中答案になって、総合的には普段よりも良くない答案になってしまいます。普段どおりやった結果不合格であれば、実力不足ということで諦めもつきますが、普段と違うことをやって落ちたら、必ず後悔します。そこで、普段やってきたことをそのまま出すという意識で書くようにしました。そうすることで、余計なプレッシャーからも解放されます。そもそも、普段と違うことを本番でやるのであれば、普段の勉強がなんのためにあるのかよく分からないということになってしまいます。
 合格するか否かは受けてみなければ分かりませんが、後悔しないようにすることは自分次第で可能です。このような目標を設定した結果、概ね普段どおりに処理することができました。そして、幸運なことに合格することができました。

 

3

辰已講座の利用方法とその成果
 辰已では、スタンダード論文答練(以下、スタ論)と全国公開模試を受講しました。
(1)スタ論は、初見の問題を2時間で処理する訓練になると思います。本試験では、誰も見たことがないような問題が出題されるのですから、初見の問題に対応するための訓練は必須だと思います。辰已の答練は、回数も多く、訓練する機会を数多く持つことができるので、受講しました。また、本試験まで流れよくスケジューリングされている点も、私の希望にかなうものでした。
 なお、点数は、あまり気にする必要はないと思います。それよりも、触れるべき点に触れることができていたかどうかを確認してください。その際に基準となるのは、『みんなの答案』という冊子に載っている受験生の答案と採点者による採点講評です。たとえ模範解答に書いてあっても、他の受験生が書いていないことは、自分も理解する必要はありません。逆に、多くの受験生が書いている点については、自分にとって初めて聞いたようなことであっても、一応確認しましょう。
 また、知っている問題点であるのにうまく書くことができなかったというときには、色々な答案を見て、自分が真似し易いものを参考にしつつ、確実に、かつ瞬時に書けるように準備していました。
(2)全国公開模試については、辰已が最も受講者数が多いとのことでしたので、受講を決めました。なぜなら、私が全国公開模試を受講する理由は、他の受験生と比べて自分の実力がどの程度なのかという相対的な評価を知る点にあったからです。
 また、辰已は、他の予備校に比べて、運営が厳格なようです。当然ながら、本試験の運営は厳格なので、良いシミュレーションになると思います。
 

4

私が使用した辰已書籍
(1)論文について
 趣旨規範本を使用しました。典型論点については瞬時に論証することが求められますので、書けるようになるまで繰り返し見ました。

(2)短答について
 辰已の過去問集を使用しました。この本は解説が詳しいので、他の本を見ないで済むことが多かったです。また、直前期には解説部分だけ見るという使い方もできます。
 

5

おわりに
 私は、たくさんの方々に支えられてなんとか合格することができました。それらすべての方々に感謝申し上げたいと思います。
 みなさんにも、みなさんの合格を信じて待ってくださっている方々がいらっしゃることと思います。ぜひ合格してそれらの方々を喜ばせてあげてください。それができるのは、みなさん自身だけです。
 
 

 

スタ論は司法試験を最速で合格するならば必須

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
松本 祐輝さん

1

名前 松本 祐輝(マツモト ユウキ)さん

2

出身大学・学部 東京大学法学部

3

予備試験合格2013年

4

司法試験受験歴 1回

5

受講歴

 

[予備試験対策として]予備スタンダード論文答練、予備スタンダード短答オープン、予備総択、予備論文公開模試、予備試験短答超早まくり、予備試験論文予想速まくり特訓講義、他多数
[司法試験対策として]司法試験スタンダード論文答練、選択科目集中答練、司法試験全国公開模試、合格の必要最小限・本試験過去問講座、他多数
 

1

司法試験の受験を決意した経緯
 私は、東大入学当初は官僚になるという進路を考えていました。しかし、大学での色々な友人や先輩方との交流を経て、自身がかなり実社会のビジネスに強い興味が有ることを自覚し、法学部という強みを活かして企業法務に携わろうと決意して弁護士を目指すことにしました。
 

2

予備試験合格までの学習状況(法律学習)
 私は、大学4年在学中に予備試験に合格しました。それまでの学習方法を簡単にまとめたいと思います。

(1)大学の授業及び辰已の答練をペースメーカーにしたこと
 大学の授業では、3年後期まででひと通りの法分野の学習を終えるような構成になっていました。そこで、4年次での合格を目指すにあたり、まずは大まかには大学の授業に合わせて勉強を進めることにしました。すなわち、3年終了時には、ひと通りの学習が終了し、本格的に論文対策に専念できるようになりました。
 また、辰已の答練は科目ごとに週末に用意されていたので、その1週間の論文対策はその科目に当てるという形をとっていました。予備論文本番までに3クール用意されており、同じ論文対策本を3周するというふうに、ペースを守ることが出来ました。クールが進むたびに、問題を解きながら学習が進んでいることを実感していましたね。

(2)基礎知識よりも演習を重視したこと
 法律学習というと、教科書を読んで学習し、その後演習して知識の定着を図るというイメージが強かったのですが、僕は大学受験の経験を活かしてまったく逆の方法を取りました。刑事訴訟法に至っては、いわゆる演習書をまず読み、まったくわからないながらも条文と格闘しながら考える、という方法を取りました。そして、理解できない部分について後から教科書等を読んで知識を補充していきました。結果的にそれは大正解で、刑訴は得意科目になりました。
 あくまで一例ですが、常に「まずは論述問題を解いてみる」という意識はかなり司法試験においては大切だと思います。こうすることで、条文を探し出し、形式的に適用して修正するという、いわゆる法的三段論法を、効率的に身につけることができるように思います。

(3)得意科目を意識する
 予備試験は論文が10科目もあるので、ミスは避けられないとまずは考えました。そこで、ひとまず得意科目を作り、直前期までに苦手科目を解消するという方法を取りました。特に、旧司にはなかった分野である行政法、実務基礎科目は、受験のノウハウが少なく現役生の強みを活かしやすいと考えました。

(4)勉強範囲を絞る
 ひとまず3年までは学習の幅を広げましたが、年明けになるとかなり学習対象を絞りました。同じ良質な参考書を何周も繰り返すことが大事であると考えたからです。実際、本番でも繰り返した部分が出題されたりしたので、効果は高かったと思います。
 

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予備試験合格後の学習状況(法律学習)
予備試験の勉強で、ひと通り基本7科目の勉強は終わらせていたので、新司法試験までにやることは、(1)過去問を徹底的に検討する(2)選択科目を学習する、でした。

(1)過去問の検討
 いわゆる三種の神器(問題、出題の趣旨、採点実感)を全ての科目、全ての年度を読み込みました。答案構成は行いましたが、特に答案を書くことはしませんでした。答案練習は時間が掛かり過ぎるし、答練である程度の分量が確保できていたからです。それよりも、「落としてはいけない部分」と「できなくてもいい、書けなくてもいい部分」を丁寧に把握すること、試験委員がどういう答案を高く評価しているのかを把握することを心がけました。

(2)選択科目の学習
 私は知的財産法選択でしたが、元々興味があったこともあり、年内でひと通り学習を終えることができました。知財は条文重視なので、司法試験の勉強で条文を重視する姿勢もこの勉強の中で身につけられたように思います。これも、まず演習書を読んで、後から基本書を読むという形を取りました。
 

4

司法試験対策に利用したもの
(1)辰已の講座・書籍
@スタンダード論文答練
 司法試験を最速で合格するならば必須といえるでしょう。結局のところ、答案を練習する機会、それを他人に見てもらう機会をいかに確保するかが合格の鍵を握っているので、答練の利用はその点で非常に便利かつ有意義なものだと思います。なるべく会場に行って受けるのも大事だと思います。本番と同様の雰囲気や、知らない人がたくさんいる状況で試験を受けることに慣れる機会にもなると思います。

Aえんしゅう本
 とにかく、僕は予備試験も司法試験もこれで乗り切りました。基本書のように突っ込んだことはほとんど書いていませんが、頭の整理や、理解した部分を暗記するための材料としては非常に優秀な書籍だと思います。僕は、この本に書いてある規範は積極的に噛み砕いて、すぐに書けるようにしておきました。

(2)その他の演習書
 演習中心、と書いたのである程度学者の先生の書いたものを紹介しておくべきかと思いますので、紹介させていただきます。
・基本事例で考える民法演習(池田)
・事例で考える会社法
・ロープラクティス民事訴訟法
・刑法事例演習教材
・事例演習 刑事訴訟法
・論点解析 知的財産法
 これらは、確実に何周もした自信がある演習書です。もちろん、参考書には好き嫌いがあるのは当たり前ですので、一番いいのは自分が好きな、使いやすいものを使うことだと思います。
 

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自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
 反省としては、予備試験合格後に十分に司法試験に切り替えられなかったことです。過去問はほとんど手を付けていなかったこともあり、年明けになってもパラパラとめくった程度でした。
 ただ、論文の書き方の基本は予備論文で確実に身に付けていたので、後はそれを司法試験に合うように変えていくだけでした。大まかな論証は覚え直す程度で済み、新たに理解を進めるということはしませんでした。
 このように考えると、司法試験の合格には、少なくとも論文を正確に得点する技術、それを支える知識を予備試験までに身に付けることが必要だと思われます。そして、それが間に合わないと思った場合には、すぐに試験後切り替え、自分に足りない技術を年内から手を付けておくことが必要でしょう。これに関して、やはり合格者に自らの答案を評価してもらう機会は必須だといえます。
 司法試験は、合格率が予備試験ほど低くはないとはいえ、非常に難しい試験です。自分の実力を丁寧に見極め、必要十分な対策をする、という意識が合格につながったと考えています。これから受験する人も、そのことを頭に置いた上で頑張って頂ければと思います。
 
 

 

スタ論をペースメーカーに学習した

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
玄 唯真さん

1

名前 玄 唯真(ゲン ユウジン)さん

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出身大学・学部 中央大学法学部法律学科

3

予備試験合格2013年

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司法試験受験歴 1回

5

受講歴

 

[予備試験対策として]予備スタンダード論文答練、予備スタンダード短答オープン、予備総択、予備論文公開模試、予備試験短答超早まくり、予備試験論文予想速まくり特訓講義、予備試験口述模試
[司法試験対策として]司法試験スタンダード論文答練、司法試験スタンダード短答オープン、選択科目集中答練、司法試験全国公開模試
 

1

司法試験を受験した経緯
 もともと私は確固たる意志をもって法曹を目指そうと決意していたわけではないのですが、大学時代に法学という学問に出会い、その面白さの虜になったので、本格的な法学を使った仕事をしたいと考え司法試験を受験しました。
 

2

予備試験合格までの学習状況
(1)予備試験短答対策
 主に『司法試験短答過去問パーフェクト』を使って司法試験の過去問を解きました。具体的には、過去問をただ漫然と解くだけではなく、一肢ずつ理由付けをできて初めて◯を付けるといったような形で過去問を完璧にしました。
 ここで、やはり3回、4回と何回も間違える問題も必ずあったので、そのような肢については基本書でチェックしノートに書き出し毎日それを択一本番まで読み込んでいました。このまとめノートは、短答対策にあまり時間を割けない司法試験においても役に立ちました。それに加えて、司法試験の過去問で出題された肢全てを『判例六法』に集約し、それをひたすら読んでいました。条文問題でしたら、当該条文に赤線をひき平成18年度出題でしたらH18と書いておく程度です。これによって、短時間で司法試験に問われた肢を全て復習できるツールを作ることができました。
(2)予備試験論文対策
私は、予備試験スタンダード論文答練を受講していたので、週末の答練の科目に合わせて、当該科目を完璧にする勢いで勉強しました。例えば、週末に公法系科目の答練があったとすると、その週末までに『事例研究行政法』を全て答案構成する等、予備試験スタンダード論文答練に合わせて問題集を潰していきました。その結果、本番前には主要科目の問題集を全てやり切ることができ、本番前は答練と問題集の復習だけに専念することができました。
 

3

予備試験合格後の学習状況
 合格して半年後に司法試験を控えていたので受かった喜びに浸っている時間は束の間でした。まずは、予備試験論文対策と変わらず、司法試験スタンダード論文答練を受講していたので、週末の答練の科目に合わせてそれぞれの科目で自分が持っていた問題集を完璧にしていくという形で行っていました。
 それに加えて、司法試験合格のための対策で最も注力したのは、過去問対策です。司法試験は予備試験と異なって、試験時間、問題は長く、それに対応するのにかなり苦労しました。そこで、週に2科目ずつ過去問を潰していきました。具体的には、時間を計って答案を書き、出題趣旨・採点実感を分析する形でやっていました。ここで意識していたのは、採点実感を見て平均的な合格者が書けている部分はどこで、逆にほとんどの人が書けなかった部分はどこなのかをわけて、絶対に書けなければならない部分を押さえるということです。超上位答案と出題趣旨採点実感を照らしあわせた結果、基本的に出題趣旨・採点実感に書かれていることをすべて書くことは不可能であることがわかりました。そうすると、書けないことは書けないと割りきって勉強しないと、細い論点に深入りした勉強になってしまうので、やめたほうがいいと考え、このような形で勉強していました。その結果、司法試験を受けたときも、「この論点は完璧に書けなくていいな。逆にこの論点は書けなきゃだめだな。」といった形、で分析をすることができ、途中答案や単純な大きなミスを防ぐことができました。
 選択科目は国際私法を選択しました。対策としては、松岡編「国際関係私法入門第3版」を何度も通読していました。国際私法は問題集が少ないのが難点でしたが、この基本書に掲載されている設例を潰すことで試験はなんとか合格レベルの答案まで持っていくことができました。
 短答対策は予備試験対策で相当やっていたこともあり、司法試験対策としてはほとんど行わず、上記でまとめた判例六法の素読と、「司法試験スタンダード短答オープン」を受けるだけにとどめ、論文対策を主に行っていました。
 

4

司法試験対策に利用したもの
 基本的に予備試験対策で使っていた演習書と司法試験の過去問を使っていました。
●短答対策
『司法試験短答過去問パーフェクト』(辰已)
●論文対策
憲法「憲法ガール」、「Law in Context」
行政法「事例研究行政法」
民法「事例から民法を考える」、「Law Practice民法1・2」
商法「Law Practice商法」、「事例で考える会社法」
民事訴訟法「解析民事訴訟法」、「Law Practice民事訴訟法」、「基礎演習民事訴訟法」
刑法「事例演習教材刑法」
刑事訴訟法「事例演習刑事訴訟法」、「事例研究刑事法2」
全科目「新司法試験過去問」
 

5

自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
 反省としては、司法試験過去問を1回ずつしか解かなかったのですが、今思うと何度も解くべきだったと思います。出題趣旨採点実感を読み込んでいくと、結局実は毎年同じことを聞いていることが試験直前に気づきました。やはり過去問をひたすらやり込むことが合格のコツかと思われます。
 
 

 

スタ論でとにかく答案作成に慣れることに重点を置いた

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
高間 裕貴さん

1

名前 高間 裕貴(タカマ ユウキ)さん

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出身大学・学部 東京大学法学部法律学科

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予備試験合格2013年

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司法試験受験歴 1回

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受講歴

 

[予備試験対策として]予備総択、予備論文予想答練、予備論文公開模試、予備試験口述模試
[司法試験対策として]司法試験スタンダード論文答練、司法試験スタンダード短答オープン、選択科目集中答練、司法試験全国公開模試
 

1

司法試験の受験を決意した経緯
 私は幼いときから社会貢献を果たしたいという思いが強く、それが実現できる職業として漠然と法曹に対する憧れを抱いておりました。大学入学後、しばらく時間が経ってからですが法律の勉強を開始してみると、なかなか面白い分野であると感じるようになり、大学2年生の夏頃からは勉強を本格化させ法曹を目指すため司法試験の受験を決意しました。
 

2

予備試験合格までの学習状況(法律学習)
 勉強を本格化させたものの、司法試験受験の具体的なイメージが掴めなかったため、より身近に、より手前に目標を設定してモチベーションを上げようと思いました。そこで大学在学中に予備試験に合格するという目標を設定しました。

●短答対策
 予備試験の最大の山場は論文式試験であり、短答式試験の成績が後の論文式試験の点数に加算されるということもなかったため、短答式試験についてはできるだけ時間を割かず、必要最小限の勉強で合格最低点をクリアできるように努めました。実際、論文式試験で不合格となりましたが大学3年生時に受けた予備試験でも短答式試験については合格することができました。論文式試験で要求される程度の基本的な条文・判例の知識を基本書等でさらうことを繰り返し、直前1か月ほどだけ上記よりも細かい条文・判例の知識の習得に努めることで合格最低点を上回ることは十分可能であると思います。

●論文対策
 大学3年生時に論文式試験で不合格になった際、不合格の原因は知識不足に加え、実践練習の不足で本番で思うような答案作成ができなかったことにあると分析しました。そこで大学の講義等での知識の習得と併行して辰已の答練、模試などを利用して答案作成の機会を適宜設けていきました。これは司法試験にも通じますが、論文答案の書き方は結局のところ人それぞれで完全なマニュアルなど存在しない以上各自で書き方の勘をつかむまでひたすら練習するしかないと思います。

●口述対策
 私は昨年ロースクールに出願していなかったので入試シーズンである8月でも論文式試験の解放感からあまり勉強に手が付きませんでした。ただ、大学の期末試験が9月上旬にあったため徐々に勉強を再開し、期末試験が終わると今度は口述対策を本格化させました。具体的には民訴、刑訴の基本的な条文・判例の知識の復習から始まり、訴訟手続の流れの確認、流れに沿ったやや細かい条文の確認などを行いました。
 

3

予備試験合格後の学習状況(法律学習)
●11月から1月
 目標として設定していた大学在学中の予備試験合格を達成することができた喜びでうかれてしまいなかなか勉強に身が入らず、またこの時期は予備試験合格者向けの事務所説明会が多くの法律事務所で開催され、10程度は参加していたので勉強時間の確保自体もそれまでよりは難しかったです。ただ、そのような状況の中でも辰已の司法試験スタンダード論文答練には毎週欠かすことなく参加していました。予備試験の論文対策で実践訓練の必要性を痛感していたので、司法試験の論文対策においても同様の訓練は早くから取り入れたかったからです。予備試験と問題の分量、制限時間など形式が全く異なることに加え前述のようにこの時期は勉強時間がかなり少なく知識の抜けも多かったので、答練の成績は良いものではありませんでしたが、成績は全く気にせずとにかく答案作成に慣れることに重点を置きました。その結果、答練の後半の方では満足のいく答案作成ができることも増えてきて、成績も改善されていきました。また選択科目(労働法)の勉強が不十分だったので、この時期に一通りの知識を入れることも時間を見つけて行っていきました。

●2月から3月
 答練もほぼ終了し、自宅学習時間が十分に確保できる時期であったので、(新)司法試験の論文式試験の過去問の検討や、市販の演習書の検討に時間を割きました。演習書は一部新たなものにも手を出しましたが、基本的には予備試験受験時に使用したものを復習していました。論文式試験で要求される知識の程度は予備試験と司法試験でほとんど差はないと思いますので、予備試験合格者の方は司法試験の論文対策に際して基本的にはそれまで使用した教材の復習に重点を置かれるのがよいのではないかと思います。またこの時期に辰已の司法試験全国公開模試を受けましたが、5日間の過ごし方、疲労具合などを肌で感じることができ、大変有意義でした。

●4月から本番
 前述のように予備試験の短答対策ではできる限り楽をしようとあまり勉強をしていませんでしたが、司法試験においては短答式試験の成績は論文式試験の成績に加算されて合否判定がされるということもあり、高得点を狙いにいこうと思っていました。しかし、予備試験合格から3月まではなかなか短答対策の時間をとることができなかったため、4月に入ってから毎日1〜2時間程度短答対策の時間を確保しました。具体的には、辰已の『短答過去問パーフェクト』シリーズを全科目で用い、これを解いていくことを進めていきました。最終的には過去問の肢の正誤がほぼ全て正確に答えられるようになっていましたが、司法試験の短答式試験では表記は変わっても同じ内容が何度も問われているので過去問を徹底的に反復することは高得点をとるうえで非常に効果的だったと思います。また、この時期は司法試験が迫り緊張も徐々に出てくるのですが、論文対策よりも短答対策は勉強した実感が得られやすく、精神を安定させる面でもこの時期に短答対策にそれなりの時間を確保したことはよかったと思います。
 論文対策については、学習の遅れていた労働法の勉強に重点を置き、他の科目についてはこれまで受けた答練や使用してきた演習書の復習をすることにし、新しい教材に手を出すことは控えました。ただ、最新判例については短答、論文対策の両方において押さえておくことが必要と感じていたので、辰已の『受験用最新重判』シリーズを2,3回通読しました。
 

4

司法試験対策に利用したもの
 予備試験合格者の方は基本的に予備試験合格までの勉強の復習で足りると思いますが、私が予備試験合格後に初めて手をつけた教材で特によかったものを紹介させていただきます。

●民法
 法学教室367号から390号に連載されていた「事例から考える民法」シリーズが大変有用でした(現在は『事例から民法を考える』として書籍化されています)。基本的に判例を参考にした事案が出発点ですが、自らの判例の読み込みの浅さを解説を読んで痛感させられました。平成25年度の民法の論文式試験のように判例の理解を問う問題が今後も出題されることがあるかと思いますが、そのような問題のときには特に有用な記述が豊富にありました。

●行政法
 『行政法解釈の基礎 「仕組み」から解く』(橋本博之)は個別法の解釈のコツを丁寧に解説していました。そのコツをもとに司法試験の過去問の解説も著者が行っており本書を繰り返し読んでそのコツをもとに答練や模試で何度か実践すれば行政法の点数は安定すると思います。

●労働法
 『事例演習労働法 第2版』(水町他編)はたくさんの事例問題と解答例が掲載されており、繰り返し解きました。演習不足になりがちな選択科目ですが、労働法については本書が演習書として大変有用だと思います。
 

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自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
 私は前述のように11月から1月まではかなり勉強をさぼってしまっていたので、その間に過去問の検討などを早めに行っておけば受験直前にもう少し余裕をもって過ごすことができたと思います。ただ、これはある程度予想の範囲内だったので、予備試験合格後に司法試験まではそのことを考慮した勉強計画を立てており、ほぼ忠実に実行できました。司法試験対策は膨大なので全てに手を回すことはなかなか難しいと思います。しかし、それだからこそ、自己分析を行って自分には何が必要かを見極め長期的な計画を立てた上であとは自己分析が正しいと信じ計画を淡々と実行していくことが重要だと思います。
 
 

 

どの科目でも通用する基礎を定着させることに専念

PROFILE
2014年 司法試験合格者 
星野 光帆さん

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名前 星野 光帆(ホシノ ミホ)さん

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出身大学・学部 中央大学法学部法律学科 現在、東京大学法科大学院既修2年在学中

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予備試験合格2013年

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司法試験受験歴 1回

5

受講歴

 

[予備試験対策として]予備スタンダード論文答練、予備総択、予備論文予想答練、予備論文公開模試、法律実務基礎科目集中答練、予備試験口述模試
[司法試験対策として]司法試験スタンダード論文答練、司法試験スタンダード短答オープン、選択科目集中答練、司法試験全国公開模試
 

1

司法試験の受験を決意した経緯
 中学生の頃に裁判傍聴をし、法廷に立つ女性弁護士がとてもかっこよく自分もそのようになりたいと思ったこと、原爆で被曝された方が国から金銭的給付を受けられずに困っているとのお話をきいて理不尽な思いをされている人を救いたいと思ったことがきっかけです。大学に入ってからは企業法務の魅力を知り、弁護士という職業の可能性の大きさを感じ、司法試験合格へのモチベーションが高まりました。
 

2

予備試験合格までの学習状況
(1)短答対策
 自習としては、肢別本を何度か解いて、条文と判例がまとめてある参考書に、理由付け等を写してまとめ、情報の一元化をしました。肢別本は重要な肢を1つ1つ答え合わせしながら解き進めることができ、効率的に網羅することができます。さらに、肢別本の情報を転記し、全て一冊にまとめることによって、直前の見直しはまとめた参考書を見返すことだけで、短時間で記憶の整理をすることができました。他には、重判を手当たり次第コピーして判旨を全て読みました。

(2)論文対策
 予備試験スタンダード論文答練を比較的早い時期から受講していたため、予備試験論文当日までには、論文を書くことに抵抗はほとんどありませんでした。 自習としては、まず、持っている問題集を3日で1科目のペースで全科目答案構成だけをしました。問題となっている点を抽出できる能力が鍛えられました。また、大学や辰已で受けた答練の見直しは何度もやりました。予備試験では、判例から少し事案が異なっており、その射程をきく問題や、考えたことのない論点で試験中に頭をフル回転させて考えなければならない問題等、暗記だけでは通用しない試験だと思ったので、どの論文、どの科目でも通用するような基礎を定着させることに専念しました。趣旨から、原則から、条文から考える練習を何度もしました。基礎を定着させ、誤った知識を覚えてしまわないよう、基本書も読みながら論文対策を進めました。

(3)口述試験対策
 ヒアリング、過去問の分析、民法・刑法の論点確認、辰已の実務基礎ハンドブック、執行保全の本、旧司口述の過去問、刑訴民訴の条文素読、法曹倫理の対策をしました。口述の対策は、いままで意識していなかった手続の流れが掴めて、勉強していて楽しかったです。
 

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予備試験合格後の学習状況(法律学習)
(1)一科目につき一つの演習書
 予備試験に合格するだけの知識は一応身につけているということにし、アウトプット中心の勉強をしました。具体的には、流行っている又は司法試験のネタ本だと噂されている演習書を一科目につき一つだけ決めて、全科目を広く勉強することです。予備試験合格までに多く検討した旧司法試験の過去問等は避けて、予備試験合格までに一度は解いたことがあるが身にしみて理解できていない演習書をもう一度解き直すことにしました。一冊にしぼる理由は時間がないためです。また、多くのことを暗記しようとせずに一冊で集中して法的な思考方法を確認する方が効率がよいと思ったからです。

(2)選択科目の学習
 私は国際関係法(私法)を選択しました。その理由は他の選択科目と比べて範囲や条文数が少ないという噂をきいたためです。予備試験に合格するまで選択科目については一切勉強していなかったため、半年で選択科目を仕上げるには国際私法はもってこいでした。年内に『国際関係私法入門』でインプットをし、年明けからは司法試験の過去問や辰已の選択科目集中答練でアウトプットをしました。知識の集約には辰已の『一冊だけで国際私法』を用いました。これは私の受験する年に出版されたもので、出題が予想される論点が網羅されているため大変役立ちました。
(3)論文を書くこと
 本番は書き慣れているということも大事になります。本番直前に論文を全く書いていないと本番当日も思うようにペンが進みません。私は本番ぎりぎりまで論文を書けるように、辰已の全国公開模試はあえて本番と同じ5日間集中のコースではなく、夜に1科目ずつ解き本番ぎりぎりまで論文が書けるコースを選択しました。また司法試験スタンダード論文答練も本番ぎりぎりのコースを選択しました。司法試験特有の長文の問題を2時間で解き始めたばかりの頃はほとんどが途中答案になってしまい絶望しましたが、だんだん慣れてきてペース配分がうまくなり、文量も多く書けるようになりました。

(4)短答対策
 予備試験合格後はほとんど短答対策をしませんでした。辰已の全国公開模試で短答の点数が悪くなかったためです。予備試験短答の前に短答対策用でまとめたノートがあったので、それを司法試験の本番前に1回見返す程度でした。最新重要判例のチェックはしました。

(5)司法試験の過去問の分析
2回解きました。何度解いても新しい発見があるので、できるだけ多く解きたくさん分析することをおすすめします。出題趣旨、ヒアリングも何度も読みました。また、合格のレベルを分析するために辰已のぶんせき本を用いました。ぶんせき本には上位答案、平均の答案、不合格答案が全て載っており、どのくらいの答案が書ければ合格できるのかを分析するために大変役立ちました。
 

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司法試験対策に利用したもの
(1)各科目の演習書
民法…Law Practice民法T
Law Practice民法U
刑法…事例演習教材
憲法…判例から考える憲法 法学教室
民事訴訟法…Law Practice民事訴訟法
刑事訴訟法…事例研究刑事法U刑事訴訟法
商法…事例から考える会社法
行政法…事例研究行政法

(2)選択科目の対策
国際関係私法入門
一冊だけで国際私法(辰已)
選択科目集中答練(辰已)
 

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自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
 司法試験の過去問を早い段階から解き始めることです。私は予備試験合格後もまだ知識が足りないという気持ちから、自分の満足するまでインプットをした後に司法試験の過去問を見ようと思ってしまいました。しかし、程度の差はあれインプットを完璧にすることはおよそ不可能です。そうであれば、実際にどのような問題がでるのかの感覚を養い、2時間という限られた試験時間内にいかに合格に近い答案をつくりあげるかを出題趣旨やヒアリングと照らし合わせながら分析すべきでした。私は司法試験の過去問は年明けから本格的に解き始めたので本番ぎりぎりまで分析が終わらず気持ちが焦りました。早めの分析をおすすめします。
 予備試験の受験開始から司法試験受験まで、ロースクール受験を含めて試験ばかりの一年でした。精神的にも相当に辛いものがありました。適度に息抜きすることも必要だと私は思います。試験本番に体調も精神状態も勉強も最高の状態に持っていけるよう自分にあった勉強方法、息抜きの仕方で本番を乗り切って下さい。応援しています。
 
 

 
 
 
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