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■公開:2018年09月18日
■更新:2018年09月19日

■INDEX
 2018年最新合格者体験談
  →藏田 彩香さん 早稲田大学法科大学院既修コース 2018年修了/司法試験1回目合格
  →長和 竜平さん 早稲田大学法科大学院未修コース 2015年9月修了/司法試験3回目合格
  →笠井 佳樹さん 予備試験合格年:2016年/司法試験2回目合格
  →吉田 達彦さん 2017年予備試験合格/司法試験1回目合格
  →村上 ゆりあさん 2017年予備試験合格/司法試験1回目合格
★2017年 司法試験合格体験談はこちら
  

直前期の過ごし方をイメージした準備が大切。


PROFILE
2018年 司法試験合格者 
藏田 彩香(クラタ サヤカ) さん
1 出身大学・学部 早稲田大学法学部(早期卒業)
2 早稲田大学法科大学院既修コース 2016年入学 2018年修了
3 司法試験受験歴 1回
4 受講歴
2018年対策 全国公開模試
 
1 司法試験の受験を決意した経緯

 

 私が裁判官や検察官、弁護士といった職業を知ったのは、小学生のときに見たテレビドラマHEROがきっかけでした。その後、中学生のときに、東京地裁へ刑事裁判の傍聴に行き、検察官と弁護人が主張を繰り広げる様子や被告人の親族の方が傍聴席から悲愴な面持ちで見守っている姿を間近に見たことで法曹三者の仕事に強い正義を感じ、法曹として社会に貢献できる人になりたいと考えるようになり、司法試験の受験を決意しました。
   
2 法科大学院受験前の学習状況
   私は、早稲田大学法学部の早期卒業制度を利用して法科大学院に進学しようと考えていたため、大学4年生の先輩方と比べて、法科大学院受験前の時期の履修科目が非常に多く、受験勉強に多くの時間は費やせませんでしたが、大学の教授やロースクール受験の経験のある先輩方や予備校の先生方からお話を伺って、手を広げすぎずに勉強をすることができました。法科大学院の受験準備は約半年前から開始し、適性試験の過去問を解いたり、受験予定のロースクールの過去問を直近2~3年分解いたりしました。それと並行して、友人と自主ゼミを組んで予備校の答練の問題について検討をしたり、先輩方に作成した答案について添削をしてもらったりして、論文を書くことを習慣づけるようにしました。
   
3 法科大学院入学後の学習状況
   ロースクール2年生の11月頃から、ロースクールで知り合った友人2人と自主ゼミを組んで新司の過去問を解き始めました。自主ゼミで解いた科目は、3人が共通して苦手意識を持っていた会社法と行政法、労働法に絞り、冗長になりやすい自主ゼミを効率的に行うことができました。また、自主ゼミで新司の過去問全年度分について答案を作成し検討をしたということが、今後新しい問題を取り組むに当たっての自信にもつながりました。
   
4 受験対策としてとった辰已講座の利用方法とその成果
   司法試験直前の3月に、全国公開模試を受験しました。全国公開模試はたくさん日程が用意されていますが、3月の受験者は合格率が良いという噂を聞き、3月の全国公開模試を申し込みました。
 私は労働法選択で、本番の試験会場がどこになるかわからなかったので、複数の試験会場で受験できる辰已の全国公開模試はとてもありがたかったです。全国公開模試は、本番と同じ日程(2日+中日+2日)・時間割で行われるため、いつのタイミングで昼食や軽食をとるか、休み時間中や中日はどのくらいの復習ならば疲れすぎないかなどを把握することができました。本番では、特に焦ることなく落ち着いて試験に臨むことができました。
 そして、受験人数の多い辰已の全国公開模試の結果として、総合A判定をとることができたことは、本試験受験にあたっての自信になりました。
   
5 受験対策として私がやって成功した方法
  (1)過去問を繰り返し解くこと
私は、新司、旧司、予備試験の過去問を何度も繰り返し解きました。その理由は、出題傾向を把握することと、過去に出題された論点を問われたときに書き負けないようにすることにあります。
 まず、新司の過去問について、例えば、行政法では、処分性や原告適格、裁量権の逸脱濫用など、商法では、株主総会の取消事由や会社・第三者に対する損害賠償請求が頻出論点です。処理パターンを決めておくことで、採点者が読みやすい順序で書いたり、項目立てをしたりすることができますし、受験生自身も、処理パターンにのって点数を落とさないように気をつけながら自信を持って答案を作成することができます。
 つぎに、新司や旧司、予備試験の過去問に取り組むことで、問われたものが過去に出題のある論点であるのかそうでないのかを判断することができます。過去に出題がある論点であれば他の受験生はしっかりと書いてくるはずなので、その論点について書けなければ書き負けてしまい大きく点数を落とすことになります。他方、過去に出題に無い論点で、かつ、その論点が判例知識等でもないと判断できれば、現場思考問題として処理することができます。現場思考問題は、自分だけでなく他の人も初見で過去問演習などによる知識だけでは解くことができません。みんながわからない問題だと判断ができれば、わからなくてもわからないなりに自分で考えた答えを導けば点数がもらえるはずなので必要以上に焦らずに済みますし、現場思考問題で論点を大展開するといった配分ミスも防ぐことができます。
 
  (2)論証集への情報の一元化
過去に出題のある論点については、どの試験で何年に出題されたかのメモをしていました。そのようなメモをしておくことで、過去にその論点がどれくらいの頻度で問われているのか一目でわかり、その論点の重要度を把握することができます。論証集を見直すときには、重要度の高いものを重点的に見返すことによって、効率的に勉強をすることができます。
 さらに、百選掲載判例のあてはめの仕方など論文を書く際に自分が参考にできるものも論証集に簡単にまとめていました。
   
6 私が使用した本
  憲法:短答パーフェクト、条文判例本、玄唯真「読み解く合格思考 憲法」
行政法:条文判例本
民法:短答パーフェクト
商法:短答パーフェクト、条文判例本、前田雅弘ほか「会社法事例演習教材 第3版」
民訴:高橋宏志「民事訴訟法概論」
刑法:短答パーフェクト、肢別本、井田良ほか「刑法事例演習教材 第2版」
刑訴:古江頼隆「事例演習刑事訴訟法 第2版」

・短答パーフェクトは、全ての肢について理由を付けて100パーセント正解できるようになるまで繰り返し使っていました。短答パーフェクトには、正答率など受験者のデータが丁寧に記載されているので、問題の重要度もわかり、効率的に勉強することができました。
・肢別本は、苦手だった刑法の短答対策のために使いました。肢別本には旧司の過去問も掲載されているので、たくさんの問題を解くことによって苦手を克服できます。
・条文判例本は、自分が苦手な科目のみ読み込みました。憲法の条文判例本の統治分野は、試験前に何度も読み返しました。行政法の条文判例本は、情報公開法や行政不服審査法について制度が少し複雑で理解がしづらかったので、制度の全体像を把握するために使いました。商法の条文判例本は、会社法の勉強を始めたときに読みました。複雑な機関設計や条文の配列の仕方など、条文判例本に一通り目を通すことで頭の整理をすることができました。似ている概念などは表や図でまとめられているので、勉強をしていてわからなくなったときに少し目を通すと、理解できるようになります。
   
7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
   受験勉強をしていると、様々な基本書や演習書を勧められて実際に使ってみたりすることがあると思いますが、私が試験直前期に使ったのは、過去問、百選、それと自分がずっと使ってきたテキスト1冊、自分でまとめた論証集1冊です。直前期に見直せるものは本当に限られているので、直前期までに効率的に復習できるものをまとめておけると、とても安心できます。
 また、辰已の全国公開模試などは、受験しておいて本当によかったです。試験会場となった施設の設備(空調やトイレの場所など)、試験日の時間管理の仕方などを事前に把握できたことは、試験本番の緊張感を和らげてくれました。
 ロースクール3年後期の期末試験が終わると、もう授業もないので、試験まで3か月ほど、自分でスケジュール管理しなければならない時期に入りますが、生活リズムや勉強の環境を変えないことは、私にとって、とても大事なことだったと思っています。試験直前だからといって過度に勉強時間を増やすのではなく、いかに効率的に勉強を進めるかということに重点を置いたことが、合格につながったと実感しています。
 私の体験記が、受験生の皆様のお役に立てると幸いです。
   
  

時間内に一定レベルの答案を作成しきることの重要性


PROFILE
2018年 司法試験合格者 
長和 竜平(ナガワ リョウヘイ) さん
1 出身大学・学部 早稲田大学教育学部
2 早稲田大学法科大学院未修コース 2012年入学 2015年9月修了
3 司法試験受験歴 3回
4 受講歴
2015年度 全国模試、スタ論福田クラス第1・2クール、短答総択、金沢先生の短答直前講座
2016年度 全国模試、スタ論第2クール、本多先生の本試験過去問講座、短答総択
2017年度 全国模試、スタ論第1クール・第2クール、スタンダード短答オープン
 
1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

 

 私は教育学部を卒業後、大学受験の予備校や不登校・高校中退の支援を行うNPO法人など教育機関での勤務を行ってきました。特にNPO法人における経験から、困っている人の力になりたいと思う気持ちが強くなり、少年犯罪の更生について関わることのできる弁護士になりたいと思うようになりました。
 合格までは3回受験することとなり、道のりとしては決して平坦なものではありませんでしたが、今回このような機会を頂いたことから、同じように悩まれている方の役に立つことができればと思い筆を執った次第です。
   
2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)
   法律について触れる機会はこれまでの人生ではほとんどなかったため、ロースクールから出された事前課題としての基本書を通読する程度でした。方法を知らなかったこともあり、本格的な学習は入学後まで行っておりません。
   
3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)
   入学後は大量に出される授業の課題を一つずつ丁寧に行うように心がけていました。夏休み中などに、OBの弁護士が主催してくれる過去問(短答・論文)の検討会などに顔を出すようなこともありましたが、本格的な受験については卒業するまでほとんど意識することはありませんでした。
 今振り返ってみると、毎日少しずつでも短答の過去問で出題された条文や判例のチェックや、時間内に論文を解いてみるという実践を行っておけばもっとスムーズに学習を進められたのではないかと思い後悔しております。
   
4 受験対策として辰已講座の利用方法とその成果
   初回の司法試験の対策としては、9月卒業となり初めて受験する司法試験まで半年以上時間があったことから、同級生などの間で評判だったスタンダード論文答練(スタ論)・福田クラス(辰已専任講師・弁護士 福田俊彦先生ご担当)を受講することにしました。しかし、恥ずかしいことに福田クラスの活用法などについてその頃は意識が低かったため、論文を書いて提出することで精一杯となってしまい先生が講義で話している内容を実践するという点の意識が薄くなってしまいました。最終的に通学していた講座は論文提出が間に合わなくなり、ネットで受講しながら提出をするようになってしまい、知識・答案作成のいずれにおいても力不足から時間切れを連発して3000番台で不合格となりました。
 2度目の受験を目指すにあたり、時間切れとなってしまったことを踏まえて過去問としっかり向き合いたいと考えるようになりました。そのため、通常のスタ論は第2クールのみにして、辰已専任講師・弁護士 本多諭先生の本試験過去問講座を受講することに決めました。この講座では、直近5年分の主要7科目の過去問を解くことを通して本試験突破の為に必要な書き方を身につけるというもので、この時初めて本試験における答案作成の方法について向き合えるようになったのだと思います。本多先生の講義で特に良かったところは、合格者の誰もが落とさないポイントを重点的に指導してくれる点でした。それまでの私は、司法試験というのは途方もない学習量をこなしてオリジナリティあふれる検討を行うことが求められるような、難解なものなのだという思い込みがありました。本多先生は過去問を通して合格点をとるための方法として手本となる解答例などを実践して見せてくれたことから、本番で求められるレベルや答案の書き方を意識することができるようになりました。しかし、2度目の受験では時間切れなどに陥ることはなかったのですが、苦手科目だった民法と商法で求められている水準に満たない答案を書いてしまったことから2000番程度の順位で不合格となりました。
 3度目の受験では、通常のスタ論および全国模試を通して、これまで身に付けた書き方を崩さないようにすることを意識しながら、苦手科目を中心に復習を行い、どのような出題がされても一定程度の内容の答案を作り上げることを目指しました。復習やスタ論の合間に福田クラスで頂いた資料に目を通すこともありましたが、福田先生も、これまで本多先生の講座や他のスタ論で指導に当たられている先生と同じように、時間内に一定レベルの答案を作成しきることの重要性を説かれており、本質的に同じことを指導されていたのだという実感を持ちました。私は要領が悪く、回り道をしてしまったことになりますが、合格レベルの答案を作成するためにどうしたらよいかという方法について、一定の方向性が定まっているのだということに3度目にしてようやく気がつくことができました。
 以上のように、辰已法律研究所の論文対策講座においては、いずれの講座であっても講師の先生が講義してくれることは、合格に必要なレベルや相場について知識面や答案の書き方という観点が中心になると思います。これを読んでいる皆様が辰已のどの講座を受講しているかにかかわらず、過去問やスタ論を通して、いかに時間内に合格レベルの記述をそろえることができるかという観点をもって取り組まれることをお勧めします。
   
5 受験対策として成功した方法
   上述した内容との重複を避けるため、答案の書き方という面より基本的な知識の確認という観点から申し上げますと、基本書の通読は避けて「趣旨・規範ハンドブック」への集約を中心に行ってきました。どうしても概念が理解できないというところや、民事訴訟法の多数当事者訴訟などそれぞれの違いを意識してまとめる必要がある点などに基本書の通読は絞り、なるべく個々の概念や定義を端的に答案に書き起こせるような学習を進めていきました。
   
6 受験対策として使用した本(辰已)
   はじめに、「短答過去問パーフェクト」を複数回解いたこと以外に短答の目立った対策を行った記憶はありません。今となっては判例六法などの条文や判例にチェックを入れるなどより細かい学習を行っていけば本番でのスコアももう少し上がったと思いますが、過去問を通した検討を行う上で同書の解説までじっくり読みこむことで3回の受験ですべて短答通過をすることができました。
 また、「論文過去問答案パーフェクト」は、自分が実際に過去問を解いた際にA評価をとった答案とCやD評価となった答案と見比べることで、本番で必要なレベルがどの程度なのかを検討する際に用いました。過去問を制限時間内に解いてみて、全部の科目でC評価以上をそろえていくことを意識して学習するに当たっては、不可欠な書籍だったと思います。
 「えんしゅう本」は苦手科目に限って用いていました。苦手だった民法の答案の書き方や誰もが落とさないであろう基本論点を網羅していることから、何周か目を通し、基本的な論証などを「趣旨・規範ハンドブック」に落とし込むことを行いました。
 「えんしゅう本」と同様の学習を行いたかったことから、民法の「読み解く合格思考」を購入し、同じように「趣旨・規範ハンドブック」への落とし込みを行いました。
   
7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス
   私は3度目の受験にしてようやく合格することができました。今振り返ってみると、初回や2度目では、時間内に合格レベルの答案を作成するにはどうしたらよいかという点で足りないところが多く、それらの対応に時間がかかり過ぎてしまったという面があります。繰り返しになりますが、基本的な知識と時間内に書ききるという意識づけ、他の受験生が落とさないであろう論点の把握といった読み方・書き方については強い意識をもって取り組んでいくことが合格に近付く方法だと思います。スタ論は、これらの意識づけにおける他の受験生と自分の現状における差を把握するツールとして、是非活用してほしいと思います。
   
  

コツが分かれば、予備試験の合格、司法試験の合格は、意外と近くにあります


PROFILE
2018年 司法試験合格者 
笠井 佳樹(カサイ ヨシキ) さん
1 出身大学・学部 筑波大学第1学群
2 予備試験合格年:2016年
3 司法試験受験歴 2回
4 受講歴
2016年予備試験スタンダード論文答練、同年予備試験直前論文答練、直前早まくり講座(民事訴訟法、商法、刑事実務基礎)
2016年新入門講座労働法(西口先生)
2017年司法試験スタンダード論文答練(第1クール)、全国模試
2018年司法試験スタンダード論文答練(第1クール及び第2クール)、全国模試
 
1 司法試験の受験を決意した経歴

 

 第2の人生として、定年のない仕事を模索していました。そこで、かつて諦めた弁護士を、予備試験ルートで司法試験に合格することにより再度目指すことにしました。
   
2 予備試験合格までの学習状況(法律学習)
   予備試験には、3回目の受験で合格しました。
 1回目の受験までに基本書を読み、短答の問題集(辰已の短答過去問パーフェクト)を2回解きました。これにより、短答試験には合格しました。2回目の受験でもほぼ同様の勉強でしたが、論文試験には落ちてしまいました。論文試験の結果は、1回目の順位と2回目の順位が、ほぼ変わらないものでした。そこで、3回目の受験に当たり、辰已の予備試験スタンダード論文答練(第2クール)、予備試験直前論文答練を受けました。ここで、答案の書き方を学び、3回目の受験で予備試験に合格しました。
   
3 予備試験合格後の学習状況(法律学習)
   司法試験には、2回目の受験で合格しました。
 選択科目は労働法に決めましたが、勉強したことがなかったので、予備試験合格後、辰已専任講師・弁護士 西口竜司先生の15時間の労働法のDVD講義を受講しました。その後、水町勇一郎「労働法」(有斐閣)を読みました。
 1回目の受験に当たり、辰已のスタンダード論文答練(第2クール)、選択科目集中答練を通信で受講しました。1回目の受験では落ちてしまったので、2回目の受験に当たり、スタンダード論文答練(第1クール及び第2クール)及び全国模試を、通学で受講し、その復習をしっかりしました。答練以外では、判例百選及び演習書を読みました。
   
4 受験対策として(辰已講座の利用方法とその成果)
 
(1) 予備試験スタンダード論文答練を受け、多くの弁護士の講師の方々に解説講義をしていただきました。そこで、基本書に書かれている解釈論・抽象論が「規範」であり、問題に記載されている具体的事実を検討することが「当てはめ」であることを知りました。また、「問題提起」では、「請求できるか、○○条では□□と規定されていることから問題となる。」といったように、できるだけその後に検討する条文を示しながら、論述することも知りました。このことによって、基本書を読むということは、「規範」を理解し記憶するために行うということが分かりました。判例を読むということも、同様に「規範」を理解し記憶するために行うものであり、その上で、具体的事実についての「当てはめ」の仕方(どのような事実を指摘しどのように評価するか)も学習するためにあることが分かりました。これが、私にとって、最も大きな転機であり、それを教えていただいたのが、予備試験スタンダード論文答練でした。
(2) 私は、予備試験スタンダード論文答練及び1回目の受験前の司法試験スタンダード論文答練は通信で受講していました。そこでは、時間にとらわれず、問題文から論点を抽出すること、得点に結び付く答案の書き方を学ぶことを主眼としていました。予備試験スタンダード論文答練及び司法試験スタンダード論文答練は配点表が詳しく掲載されているので、どの事実を指摘し評価した場合に点に結び付くのかが分かります。 ただ、本試験では、厳しい時間の制限があります。そこで、2回目の受験前の司法試験スタンダード論文答練では、通学で受講しました。制限時間内で、不完全ながら答案構成をし、答案を書いて、一定の点を取るという練習は必要であると思います。また、時間の制限があると、問題の読み間違えや読み落としが出てしまいがちです。それを防ぐ工夫を考える材料にもなります。
(3) 加えて、予備試験スタンダード論文答練、司法試験スタンダード論文答練、選択科目集中答練及び全国模試を受講することで、重要な論点はほぼ網羅して学習することができると思います。ですから、その復習をしっかりすることで、本試験に直結する学力を身に着けることができると思います。
   
5 受験対策として(「私がやって成功した方法」)
  (1)総論
特別なノウハウはなく、基本書、判例及び演習書を読み、短答対策としては短答の問題集(短答過去問パーフェクト)を解き、論文対策としてはスタンダード論文答練を受講した、ということになります。
  (2)短答対策
短答の問題集(短答過去問パーフェクト)を解き、1問ごとに基本書に当たって出題箇所をマークしました(私の場合は、波線を引きました)。問題集の2回目以降は、間違った箇所をノートに書き出しました。毎年少しずつ増えますが、一度作ってしまえば、ノートには記憶していないことが書き出されているので、直前にはこのノートさえ見れば大丈夫なようになります。
 短答の問題集(短答過去問パーフェクト)を解く直前に、これから解く分野について基本書を読んでおくと、正答率が上がり気持ちよく勉強ができます。
  (3)論文対策
論文を書く際の時間管理には、気を付けていました。答練でも本試験でも、最初に答案構成用紙に、時間を具体的に書いていました。例えば、設問3まである問題の場合、始まる時間、答案構成する時間(私は、司法試験では40分、予備試験では25分を基本としていました。)、設問1の時間、設問2の時間、設問3の時間及び終わりの時間を書いておきました。具体的には、10:00→10:40→11:05→11:30→12:00といった具合です。もちろん、問題によっては答案構成に時間がかかりますから、適宜修正をして書き直します。後は、時計とにらめっこをしながら、答案を作成していきます。本試験は、一定の時間内で作品を作る競争と同様です。そうであれば、できる範囲内で最も高い得点になる作品を作り提出すればよいのですから、時間管理は最も優先される事項だと思います。
  (4)口述対策(予備試験)
受験生の立場からすると、これほど緊張する試験はありません。ただ、実際に受験してみると、口述試験は落とすための試験ではなく、試験官の先生方が優しく根気強く誘導してくれるので、不安になることは何もないというのが感想です。
 事例に沿って質問がされますが、一つの質問の流れ(ブロック)ごとに答えてほしいキーワードが一つ又は複数あって、受験生がそれを言えればその質問の流れ(ブロック)はクリアーするという仕組みのように感じました。
   
6 受験対策として私が使用した本
  (1)判例百選
 判例を中心に出題されていることは間違いないので、必読であると思います。基本書を読み、または講義を受講し、全体が分かってきたところで、勉強の早い段階から読み込んでいくほうがよいと思います。
  (2)基本書
 優れた学者の書かれた定評のある基本書はどれも素晴らしいと思います。全科目について、基本書を試験の直前にもう一度読むべきだった、というのが今の感想です。
 試験の直前に読んだ基本書は、中原茂樹「基本行政法」(日本評論社)、大塚裕史等「基本刑法Ⅰ」「基本刑法Ⅱ」(日本評論社)です。
 法律実務基礎科目については、民事では、大島眞一「新版 完全講義 民事裁判実務の基礎 入門編」(民事法研究会)を何度も読みました。要件事実の勉強は、民法にも民事訴訟法にも欠かせないものです。また、刑事では、「法律実務基礎科目ハンドブック2(刑事実務)」(辰已法律研究所)を使い、これも何度も読みました。事実認定の部分は刑法に、手続の部分は刑事訴訟法に、大変役に立ちます。
  (3)演習書
 予備試験対策として、「科目別A答案再現&ぶんせき本」(辰已法律研究所)は必読だと思います。 司法試験対策では、「事例研究 憲法」(日本評論社)、「事例研究 行政法」(日本評論社)、黒沼悦郎等「ロープラクティス商法(第3版)」(商事法務)、遠藤賢治「事例演習 民事訴訟法」(有斐閣)、古江頼隆「事例演習 刑事訴訟法」(有斐閣)を読みました。どれも素晴らしい演習書で、目から鱗が落ちるような記述が随所に見られます。
   
7 これから受験する人々へのアドバイス
   私は、第2の人生の出発点として、予備試験ルートで司法試験を目指しました。若い方ももちろんですが、年齢を重ねて第2の人生として何かしたいと思っている方にも、是非司法試験を目指していただきたいと思います。
 法律学習にもコツがあると思います。そのコツは、各自異なっているのかもしれません。私にとってのコツは、前述したように、基本書に書かれている解釈論・抽象論が「規範」であり、問題に記載されている具体的事実を検討することが「当てはめ」であること、「問題提起」では、「請求できるか、○○条では□□と規定されていることから問題となる。」といったように、できるだけその後に検討する条文を示しながら論述すること、でした。コツが分かれば、予備試験の合格、司法試験の合格は、意外と近くにあるように感じます。辰已法律研究所には、スタンダード論文答練をはじめ、コツをつかむ材料がたくさんあるように思います。
   
  

予備合格後の司法試験対策は過去問研究に尽きる


PROFILE
2018年 司法試験合格者 
吉田 達彦(ヨシダ タツヒコ) さん
1 出身大学・学部 東京大学法学部
2 2017年予備試験合格
3 司法試験受験歴 1回
4 受講歴
2018年対策 全国公開模試、本試験過去問答練
 
1 司法試験の受験を決意した経緯

 

 一言でいえば法曹は自分の気質に合っていると思ったからです。決意したというよりは自然と司法試験に合格することが目標となっていました。そして、少しでも早く実務に出て研鑽を積みたかったことから法科大学院は受験せず予備試験ルートでの合格を目指しました。
   
2 予備試験合格までの学習状況(法律学習)
  (1)短答対策
 ひたすらテキストを読み込み各種制度概要や判例・条文の知識を固めること、過去問を徹底的にやりこむことといった王道の勉強法でした。過去問を解く際は選択肢それぞれにつき理由を含めて頭に入れ、問われ方が変わっても対応できるようにすることを意識しました。短答は大の苦手だったので、他の予備試験合格者に比べて短答対策にかけた比重はかなり大きかったと思います。
 辰已の短答過去問パーフェクトを使っていたのですが、解説を読むのはもちろんのこと、選択肢ごとの受験者の選択率のデータを確認し、正解以外で最も選択者が多いものについてさらに分析を加えました。そういう選択肢には受験者が間違えやすいポイントが含まれているからです。
  (2)論文対策
 まずは予備校の論文対策の講座を受講して論文のいろはを学びつつ論証の理解を深めていくことから始め、過去問や答練を通じて演習中心に対策しました。問題を解くたびに時間をかけて思考過程を検証するように意識し、ただ解答例を覚えて終わりということにはならないようにしました。そして、ある時期に「結局のところ法律の知識を使って事案を解決することが要求されているのであって知識を披露する場ではないのだ」ということが実感を伴って理解でき、暗記に頼らなくても一定以上の答案をコンスタントに書けるようになりました。
 それ以降は問題演習を繰り返しているだけで答練模試の成績をキープできたので論文のためのインプットの時間はあまり取らなくなりました。これが大失敗で、予備論文本番で今となっては信じられないようなど忘れを連発しひどい成績になってしまいましたので、これを反面教師として直前期に全範囲を総ざらいするなどして頂ければと思います。
   
3 予備試験合格後の学習状況(法律学習)
  (1)短答対策
 司法試験の短答は予備に比べて科目数がはるかに少なく、合格ラインも全く高くないので通過するだけなら対策不要だと思っていましたが、合計点に関わるので年明けから入念に対策していました。目標としては8割を切らないことと設定していました。
具体的には、まず過去問を一周し、予備の時の貯金がどれくらい残っているかを確認しました。その過程で分野ごとに補強ポイントを把握し、テキストを通じたインプットと 過去問演習を継続しました。基本的に予備対策と同様でしたが、短答と論文が同時期にあるので直前期に短答対策のみに専念できないことを念頭に置き、模試前を目途に仕上げていきました。
  (2)論文対策
 予備に合格した段階で司法試験合格レベル以上の実力を持っているといえることから、論文対策は受かるためというより少しでもいい順位で受かるためという観点からしていました。受かるだけなら、選択科目であればインプットと過去問演習をこつこつ行い、七法は形式と時間に慣れるだけで充分だと思います。以下、まず七法について言及し、そののちに選択科目について述べたいと思います。
ア 七法
 まず、ゴールと現状の比較をするため予備最終合格直後から司法試験の過去問演習を開始しました。論文対策は過去問演習がすべてといっても過言ではない状態で、全科目全年度の問題を解き、9割くらいはフルスケールで答案を書いていました。そのうえで、出題趣旨・採点実感を熟読し、何が求められているのか理解するよう努めました。そして再現答案と照らし合わせて、上位者がどういう解答行動をとっていたのか分析しました。
 そういう分析を踏まえて、知識面、書き方等様々な側面から課題を見出し、それを埋めるための勉強をしていきました。具体的には、私の場合、途中答案は一度も経験しなかった一方で問題文の分析が甘くて論点を落としたり知識不足で充分な論述ができなかったりすることが多かったため、オリジナル問題の答練は不要でありその分インプットに時間をかけたほうが良いと考え、インプットと過去問研究の二本柱で勉強しました。おそらく大多数の人が答練を受けるべきとお考えだと思いますが、私のように時間配分等で苦労しない人にとっては答練固有のメリット(時間の使い方の練習、第三者の添削、ペースメーカーとしての役割等)よりもそれに時間をかけて過去問研究がおざなりになるデメリットの方が大きい場合もあると考えています。
イ 選択科目
 労働法を選択していたのですが、試験範囲が膨大なので予備論文受験後からインプットを開始し、本番までひたすら、テキストがボロボロになるまで繰り返しました。労働法は過去問を最初に解いた段階から、知識が不十分なので完全には解けないまでも七法に比べるとかなり素直な出題が目立つと感じ、書き方等のテクニックはさほど重要でなくインプットがそのまま点数になって表れると思いました。過去問は年末から始めて2周し、模試前に演習書をざっと読んで過去問未出題の論点も含めて事案と論点の結びつきを理解するようにしました。
   
4 受験対策として
 
(1) 辰已講座の利用方法とその成果
 そうは言いつつも、過去問答練を受講していたのは過去問を解くペースメーカーになることと、辰已の詳細な採点基準による採点及び添削を受けられるのは大変有益だったと感じたからです。通っていたのは年明けからでしたが、自分では気づかない点について為になる指摘を頂いたり、自分の答案に対する客観的な評価と自己分析に齟齬はないか検証したりと、有効活用できたと思います。
 また、オリジナル答練は受けませんでしたが模試は受験しました。5日間のシミュレーションを一度はしておくべきですし、出題予想が当たった時はマイナー知識であればあるほど模試を受けていないことが不利に働くと思ったからです。私は辰已の全国模試に一度ピークを持っていくために調整し、本番のつもりで受けたところ、本番でも平常心で受けられたのでよかったと思います(成績も全国55位とそれなりだったので、本番に向けて安心材料にもなりました)。
(2) 成功した点
 ひとえにアウトプット中心の勉強をずっとしてきたことに尽きます。頭の中に知識はあるのにそれを時間内に表現できないというのは非常にもったいないことですから、常にどう書くか、どう表現するか、どう短縮するかを突き詰めていたのは成功した点といってよいと思います。例えば、行政法の原告適格の判例規範をそのまま書くとものすごく長いですが、意味さえおかしくならなければ短縮してもきちんと点数がつくのは再現答案分析からわかっていたので、短縮された論述を参考に自分に合う形に微調整して使っていました。よく分量が大切だと言いますが、私は6枚書ければいいほうだったので分量に頼らず得点を最大化するにはこういった作業がとても重要でした。
(3) 使用した書籍について
 辰已の短答過去問パーフェクトと論文過去問ぶんせき本は両過去問演習で愛用していました。いずれも、解説が丁寧であるとともに、受験生の解答行動まで分析されているので、掲載されている情報から引き出せる教訓は少しでも多くストックするようにしました。
 それ以外では、演習量確保や知識の補填のため、各種演習書も用いていましたが、あくまで過去問がメインでそれらはサブという位置づけでした。
   
5 これから受験される方へ
   法科大学院のことは知りませんので予備ルートを前提にさせて頂きますが、学生の間に予備に合格した人の翌年の司法試験合格率は95%もあり、普通に受ければ問題ない試験です。そして、普通に試験を受けるためには、勉強面での不安を試験当日まで残さないことや、あらゆる非常事態(病気や怪我、交通トラブル等々)を想定した準備を行うことが大切だと思います。特に、実力的には合格レベルにあるにもかかわらず学力以外の要因で不合格となるのはあまりにもったいないので全力でそういう可能性を潰しましょう。
 私は、合格率が高いからといって油断してこれまでの努力を水泡に帰すようなことはあってはならないと思っていました。私の司法試験対策のモチベーションは、大半はここから来ています(もちろん少しでも良い順位をということもありますが)。予備試験に合格するまで短答式で数点足らず涙をのんだり先に合格していく同期に取り残される寂寥感に包まれたりと、平坦な道ではなかったからこそ、それを乗り越えた自分を裏切ることは絶対にできませんでした。
 皆さんも、のど元過ぎて何とやらということもあるかもしれませんが、司法試験受験資格を得ている以上、必ずどこかで歯を食いしばって勉強に没頭した時期があるはずです。努力してきたこれまでのあなたから今のあなたへと渡されたバトンをしかと握りしめて、ゴールテープを切るまで全速力で駆け抜けてください。 来年度試験におけるご健闘をお祈りいたします。
   
  

司法試験の勉強は、ひとつひとつ意識して取り組むことが大切。


PROFILE
2018年 司法試験合格者 
村上 ゆりあ(ムラカミ ユリア) さん
1 出身大学・学部 明治大学法学部
2 2017年予備試験合格
3 司法試験受験歴 1回
 
1 司法試験の受験を決意した経緯

 

 中学生の頃、漠然と弁護士になりたいと思い、法学部に入学しました。大学入学後、ゼミのOBで弁護士の先生方とお話をする機会があり、私も本気で弁護士になろうと考え、司法試験の受験を決意しました。
   
2 予備試験合格までの学習状況(法律学習)
  (1) 短答対策
 予備試験の短答式試験は法律7科目各30点、一般教養60点、計270点満点の試験で、合格点は例年165~170点とされています。つまり6割の点数を出せば第一関門を突破できるはずなのです。しかし、私は一般教養が壊滅的にできませんでした。過去には、一般教養15点という絶望的に低い点数をたたき出しているほどです。そのため、私の勉強は一般教養が10点以下でも合格できるように、法律科目で8割(各科目24点)以上とる!という覚悟からスタートしました。
 そこで選んだ教材が辰已の肢別本でした。肢別本は新司法試験の過去問だけではなく、旧司法試験の問題や一部オリジナル問題が掲載されるなど、他の短答用教材に比べて網羅性に富んでいた点で、法律科目8割を狙う私にとってうってつけの本だと感じたからです。詳しい使い方は、後ほどお伝えします。
 7科目すべてを肢別本で学習したことにより、本番では法律科目を8割とることができ、合格することができました。
  (2) 論文対策
 論文対策は、基本的に大学学部やロースクールの授業の予習復習と、問題演習書による問題演習が中心でした。
 まず、学校の授業をとても大切にしていました。法律を体系的にかつ誤解のないよう自分ひとりで勉強するには限界があると感じたからです。私が合格した年の論文式試験では、ロースクールで学んだことがどんぴしゃで出たので、試験前に授業の復習をしっかり行っていて本当によかったと思いました。
 次に、問題演習書による問題演習についてですが、私は一貫して「解答つきの問題集をひたすら読む」という勉強をしていました。
 1~2周目は、まず解答だけをさらっと読みます。このときは内容を理解しようとはせず、どのような論点があるのか、この科目はどのような答案の書き方をするのか、というような点のみに着目し、とにかく早く一周することを心がけます。
 3~5周目は、問題を読んだ後すぐに答案を読みます。この段階に入ってはじめて問題文を読むことのメリットは二つあると思います。一つ目は、さきに答案を読んでいるので、問題文を読むときにポイントとなる事実が何か、引っ掛かりを持って読むことができることです。重要な事実を嗅ぎ分ける力を自然に身につけることができるようになります。二つ目は、早く全体像を捉えられることです。1周目から問題→答案の順で読んでしまうと、どうしても自分の頭で答案構成をしようとしてしまい、全体を一周するのに時間がかかりすぎてしまいます。こうなると、最初のほうに一生懸命考え、理解した(つもりになっている)ことも、一周し終わるころにはすっかり忘れてしまうことになりかねません。実際に、私も大学1・2年次に勉強の仕方がよくわからず、同じような経験をしました。自分の頑張った時間を無駄にしないためにも、早く一周することが大切であると感じています。さらに、早く全体像を捉えられることをメリットとしてあげる理由がもうひとつあります。それは、各論点が別個独立した互いに無縁のものでは決してなく、互いに関係しあっている、つながっているものであると考えるからです。問題を順番にひとつずつ丁寧に解いていき、そのつど調べることも時には必要だと思います。しかし、そのときにどんなに調べてもわからなかったけれど、別の分野の問題に触れてみたら、なんとなく腑に落ちた、なーんだそういうことか、と後から納得する経験が少なからずあると思います。私はこうした経験が多かったため、分からないことがあってもひとまずおいておき、全体を見通してから、それでもなお不明な点を徐々になくしていく方法が自分には合っていると考えるようになりました。それは、法律の、そして各論点のつながりを意識できたからです。
 また、3~5周目は徐々にマーカーを引いていくなど、教材を見やすく復習しやすいように加工していく作業も行います。この加工作業は一周で一気にやるのではなく、規範(3周目)→規範を導き出す理由(4周目)→問題提起・あてはめ(5周目)のように、その周で着目する部分を決めて、周を重ねるごとにだんだんとマーカーが増えていくように塗っていきました。漫然と答案を何週も読み続けるのはとてもつらいですし、逆に一周読むなかで多くを期待しすぎると、気が重くなって先に進めないので、明確な目標を定めつつ一周あたりのハードルを下げて、何回も同じ答案を回せるようにするといいと思います。
 7周目以降は、問題文を読み、頭の中などで軽く答案構成をして、すぐに答案を読む、これをひたすら繰り返していました。予備試験対策のために使用していた演習書も、司法試験の直前まで繰り返し読み続けました。
 ここで唐突ですが、このような問題集の使い方をする上で私が注意していた点を二つ紹介します。
 まず、問題集は網羅性が高く、内容の質が良いと評判のものを選ぶことです。一冊では網羅性に自信がない場合、2冊か3冊使用します。自分の血や肉となる問題集なので、口コミや知り合いから情報を収集して選ぶと良いです。
 次に、問題集をある程度回したら(好きなタイミングで)、基本書を通読するなり、大学やロー、予備校の授業を聞くなりして、体系的な勉強を最低一度はすることです。問題集をやりつくすと、論「点」を答案というゴールを見据えた形で効率よく吸収することができます。しかし、上述したように、各論点は体系的につながっています。正確な理解を答案で示したいのであれば、やはり授業や基本書などによる体系的な「面」の勉強は欠かせないと思います。
  (3) 口述対策
 全過去問を友達とやり、出題形式と答え方の把握、知識の補充を行いました。そして、辰已をはじめ、予備校の口述模試を複数受けました。
 使用した教材は、新問研、辰已の実務基礎ハンドブック、ロースクールの授業です。条文の素読もしっかり行いました。
   
3 予備試験合格後の学習状況(法律学習)
   短答も論文も基本的には予備試験までの勉強方法と同じです。
短答は7科目から3科目に減るので、肢別本の回しがとても順調になりました。
論文については、予備試験までの演習書に加えて、各科目1~2冊追加しました。
   
4 受験対策として私がやって成功した方法等
   私は、基本書や百選で長時間勉強したり、答案をがりがり書いたりするようないわゆる王道な勉強法は継続できない性格だったため、短時間でいかに効率よく勉強できるかを模索しながら勉強しました。その結果行き着いたのが上記の勉強法です。
   
5 受験対策として私が使用した本(辰已)
  (1) 短答対策
・肢別本…網羅的で、持ち運びやすいといえばこれに限ります。また、問題文と解説が見開き1ページに収まっているので、加工がしやすいです。私は、問題を何回も解くことは想定しておらず、一周目から問題文・解説にばんばん書き込みをしました。重要単語や規範にマーカーを引いたり、線で囲んだり、空きスペースに原則例外を整理して書き込んだり。一周目は結構時間がかかりました(1日5時間で250問、一冊約7日間)が、二周目以降は、基本的にその加工部分だけを見るので早く終わります。試験直前になると、何周もしているため、一冊3~4時間で回せるようになります。この猛烈なスピードで何周も回せることが、予備試験短答法律科目8割越え、司法試験短答150点越えの秘訣だと思います。
 私は肢別本にたくさん書き込みをして使い倒すので、基本的に年度ごとに買い替えをしませんでした。なので、新しい問題は単年度の過去問集を買って補充していました。
  (2) 論文対策
・えんしゅう本…民事訴訟法を使用。やや、自分好みに答案を書き換えた部分もあります。
・趣旨規範ハンドブック…自分で授業や過去問検討から得たことを書き込んでいき、自分だけの宝物に仕上げました。民事系は本をそのまま使い、ルーズリーフや付箋で足していきました。公法系と刑事系は、裁断した後スキャンしてiPadで使用しました。電子データでもライン引きや文字入力ができるアプリを使用したので、こちらもたくさん加工しています。今は趣旨規範ハンドブックの電子書籍版が出ているらしいのでそちらでも良いと思います。
・ぶんせき本…過去問の検討といったらこれ!というくらい、内容が充実していました。再現答案がA答案から不合格答案まで幅広く掲載されており、過去問研究にはもってこいの一冊です。
   
6 これから受験する人へのアドバイス
   司法試験の勉強は、ゴールを見据えずにただ漫然とやると、いくら時間があっても合格に至らない恐ろしい試験だと思います。今、何のために問題集を読むのか、基本書を読むのか、過去問を解くのか、ひとつひとつ意識して取り組むことが大切だと思います。
   
 
 
 
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